NEW JAPAN PHILHARMONIC Pension Fund Concert III (Be HISAISHIST!! Volume8.1)

2003年夏、シンフォニックスペシャル2003ツアーが始まる直前に、新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんをバックアップするためのコンサートである、「新日本フィルハーモニー交響楽団ペンジョンファンドコンサート」が開かれました。そのコンサートの模様について、お伝えします!!

※注意
このコンサートは記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施していますので、完全なコンサートレポートではないことをご了解下さい。
日時2003年7月9日(水) 18時から
会場錦糸町・すみだトリフォニーホール
チケット全席指定 A席8,000円 B席6,000円
出演者ピアノ&指揮 久石譲
指揮 金洪才
オーケストラ 新日本フィルハーモニー交響楽団
その他主催:新日本フィルハーモニー交響楽団楽員会
   財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団
共催:すみだトリフォニーホール
後援:ニッポン放送

曲目

    Mibu / あの夏へ / ふたたび / Moonlight Serenade~Silence / 月に憑かれた男 / 夢の星空 / Bolero / a Wish to the Moon

    INTERMISSION 休憩

    オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」 / Musee imaginaire / 007 / HANA-BI / Kids Return 

Encore
    Summer / Madness

コンサート前の珍道中

2003年7月9日、墨田区錦糸町にある「すみだトリフォニーホール」にて、新日本フィルハーモニー交響楽団ペンジョンファンドコンサートがあり、そちらを観に行ってきました! もちろん、ピアノは久石さんです! 久石さんの「Symphonic Special 2003 ~子供たちとかつて子供だった人たちへ~」のツアー直前ということもあったんですが、新日本フィルのみなさんが怪我や病気の際に経済的な負担を支えるためというコンサートの趣旨があったので、久石作品に多く携わっている新日本フィルの方をバックアップするためにもと、行くことを決意しました!!

ということで、かいつまみながらレポートを書いていこうと思っているんですが、とりあえずこのコンサート当日、僕は仕事を休みました。最近仕事がちょっと忙しく、半日休みを取って行こうかなんてことも考えたんですが、ちょうど免許の更新をしなければならなかったので、丸1日休みを取って更新手続きも済ませてきました。我ながら素晴らしいスケジューリングです(笑)。

で、特急電車に乗っていざ上京! …って、電車に乗り遅れそうになったんですが…(笑) 車上ではCDを聴きながら、ウトウトと夢心地になったり… ふと、そんな中、「時間にちょっと余裕があるから、どこかに寄ろう!」と考えはじめ、今、「オシャレだ」と話題の(笑)、六本木ヒルズに行くことを決めました! 車上では、「えーと、有楽町へ行って、営団地下鉄日比谷線に乗り換えて…六本木へ到着だな~ んと…六本木へ着けば何とかなるだろ~」なんていう感じで行き方を確認。

それで、特急から降りて、電車乗り換え。地下鉄日比谷線で乗り換えた時にかなり迷いました(苦笑)。無駄にずいぶん歩いてしまいましたよ。もっと効率的な乗り換え方法があったのかも知れませんが、田舎ものには難しいです(笑)。そんなこんなで六本木に到着。そういえばこの辺は、ドラゴンクエストコンサートでサントリーホールに行ったときに通ってるはずなんだよなぁ、なんて今頃気づいたりしてました(苦笑)。

六本木ヒルズに行くのに六本木駅から通路がちゃんと接続されてあって、すぐに入ることができました。ちょっとエスカレーターを登って地上へ出ると… 「何だ、あの蜘蛛みたいなの!?」ってのがあったり(笑…このページの背景に使わせてもらってます)、かなり高いなあなんて思いながらビルを見上げたり… また平日なのに僕みたいな観光客(笑)が多いこと多いこと。警備員のお兄さんも道を案内したり、携帯電話の写真機能で写真を撮ってやったりしてたし…

そんなこんなで、六本木ヒルズに潜入してきました。何かいろんな工夫がされてましたね。ビルの中を小さな滝みたいな感じで水が流されていたり、吹き抜けになって下の階の様子が見れたり、ガラス張りになってると思ったら錯覚で、実は普通に入れるところになっていたり… なかなか凝ったビルになってました。でもね。田舎ものの僕にはイマイチ、パッと来ないわけで…(苦笑) やっぱりハイソすぎるとついていけません(苦笑)。よくよく考えてみると、「丸ビル」とも似ているような感じだったり…(作っているところが同じだから仕方ないのだろうけど…) とりあえず行った記念にとおみやげを買って、六本木ヒルズは立ち去りました。

六本木ヒルズを出て、ちょっと宿に寄って荷物の整理をしたんです。この日は確か寒かったはずなんですけど、ずいぶんと汗をかいてしまって… かなり蒸していたんでしょうね。「♪雨の錦糸町~」になる一歩手前でしたから(笑)。

※「♪雨の錦糸町~」 ポップス演歌のひとフレーズ(爆)。映画「Quartet」参照のこと。

そんなこんなで錦糸町駅に参りました! イエーイ!(爆) …って、何か錦糸町駅に着いたら、何かどこかと雰囲気が似ていることに気づきました。これは郡山駅そっくりではないですか! 駅前の構図といい、ビルの立ち方といい、郡山のにおいがプンプンするぞ!(笑) ってことはまあ、となりに置いておいて。

コンサートの直前にオフ会があったわけで、そちらに行って来ました。20人以上の方がいらっしゃって、全員とはお話はできなかったんですが、席が近い方といろいろとお話できました! 毎度のことながら、何を話したのかよく覚えていませんが…(苦笑)

あっという間に時間が過ぎてしまい、会場の時間が近くなってきました。オフ会はすみだトリフォニーホールとなりで行ったので、多少時間が押しても問題はなかったのですが… ただ、今回は観ておきたいものがあったので… それは、何とスタンド花がおいてあるからです。ベルタさんのご尽力により、スタンド花が設置できるようになって、新日本フィルハーモニー交響楽団さんへのものと、久石さんへのもの2つを、多くの方からお金を募って設置することができました! これはちょっと記念になりましたよ!! となりには宮崎駿監督と、スタジオジブリのプレジデント鈴木敏夫プロデューサーからのものも並んでいたし。ホント、ベルタさん、ありがとう!!

宮崎駿監督と鈴木プロデューサーのスタンド花。その右となりに僕らファンからのものが。

このスタンド花、新日本フィルの方々や久石さんたちにも喜ばれたでしょうねぇ~(しみじみ)

開演前に、このスタンド花の前でいろいろしゃべったりして、会場の席に着くと… その席のとなりにはよく見かける顔が!(笑) 偶然にもとなりの席だったので、ちょっとしゃべってました。やっぱりファンクラブ席だからこういうこともあるんですねぇ~

さあ、それでは開演です!!

コンサート前半戦

席に着いて、おしゃべりした後、ふと周りを眺めてみました。このすみだトリフォニーホールは初めて来たんですが、広いホールなんですが、さほどステージまでの距離感はそんなに遠くない印象を受けました。でも実際は、2階席、3階席とあって本当に広いんですよ。それと、天井からマイクが下がってました。ステージ上に2本と、よくよく天井を眺めたら、ホール中央付近にも2本下がってました。CD化するんでしょうかね? それとも単なる記録用か… ま、マイク4本もあれば、商品化できるクオリティでしょうし… おっと、おしゃべりはこのくらいにしておいて(苦笑)、もう最初の曲が演奏される時間です。集中しなくっちゃ。

まず新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんが入場されてきました。客席から拍手が送られます。そう、今回の主人公は久石さんではなく、フィルの方々ですからね! その後、久石さんが入場。もちろんフィルの方々同様、拍手で迎えられます。お、久石さん、燕尾服を着て登場です! 紺色っぽい燕尾服だったような記憶があります。燕尾服を着てのコンサートってこれまで観たことなかったなぁ…

Mibu(映画「壬生義士伝」より)
久石さん、会場に向かって一礼をしたあと、さっと指揮台に登りました。最初の曲はコンサートでは本邦初演の「Mibu」でした。壬生義士伝サウンドトラックに収録されている曲をチョイスしての組曲形式でした。パーカッションの一つとして和太鼓が使われて、この曲の最初の部分はサントラ2曲目「壬生の狼」だったんですが、和太鼓の音色がホールに鳴り響いていました。なかなかかっこいい感じになってましたね。あと、印象的なのはラストのトランペットですよね。メロディアスなトランペットの音色。久石さんのアレンジって、大抵弦楽器メインなんですけれど、この組曲に限っていえば、金管の音色が強かったような気がします。アレンジの方向性をちょっと変えたのかなぁ? にしても、この曲、いろんなところからチョイスされてきていたので、バラバラにならないか気になったんですけど、心配するほどのことではありませんでした。綺麗に一つの曲になってました。これは、改めて何かの形でCD化してもらいたいものです。


10分くらいの大曲だった「Mibu」が終わると、一旦久石さんは舞台袖へと戻っていきました。入れ替わりにひとりの男性が入場。会場から拍手が送られるも、その人は単に楽譜台上の楽譜を換えに来ただけでした(笑)。拍手を送られた男性が照れ笑いし、フィルの方々もその様子を見て微笑み、会場内の観客も思わず吹き出してしまった瞬間でした。

そして、改めて久石さん登場。今度は指揮の金洪才さんも引き連れて登場です。改めて拍手が起こります。今度は金さんが指揮台に、久石さんはピアノの前の着いて、次の曲に入ります。

あの夏へ(映画「千と千尋の神隠し」より)
宮崎駿監督作品である「千と千尋の神隠し」から、有名なナンバーが演奏されました。そういえば、「千と千尋の神隠し」はJASRAC賞の金賞(要するに著作権料を一番稼いだ曲に送られる賞)に選ばれたので、聴いた人が大勢いるであろう曲が披露されたわけです。曲のアレンジは過去のものと較べてほとんど同じだったと思います。

ふたたび(映画「千と千尋の神隠し」より)
同じく「千と千尋の神隠し」から。ラスト近くになって流れる曲です。3拍子のワルツ調になっている曲で、金さん、ノリノリで指揮をしてました。曲のアレンジはこれも過去のものと同じだったと思います。


2曲を弾き終えると久石さんは立ち上がって、会場に向かい一礼をしました。また指揮の金さんや、新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターの崔さんと握手を交わしていました。すると、マイクを手にして、話し始められました。

コンバンハ……(笑)

(会場から拍手が送られる)

まず最初の曲は、「壬生義士伝」という映画のサウンドトラックから良いとこ取りのアレンジをしたものを聴いていただきました。その後はご存じのとおり、「千と千尋の神隠し」から2曲、お送りしました。

それにしても、今回は新日本フィルハーモニー交響楽団さんのペンジョンファンドコンサートに呼んでいただき、非常に光栄に思っています。過去に2回、このコンサートが行われ、1回目は小澤征爾さん、2回目はいろんな指揮者の方が登場し有名な曲のタクトを振られたということで、少しプレッシャーもありますが、全力を尽くしますので、楽しんでいってください! (会場から拍手が送られる)

この後ですが、3月に「ETUDE」というアルバムを出しました。このアルバムは、心に願いを持ち続けて頑張れば、いつかきっと叶うかもしれない、いつか何かが起こるかもしれないといったことをテーマに作ったピアノソロアルバムです。そちらの曲をオーケストラにアレンジしたものを5曲演奏したいと思います。

そういうと再び演奏が始まりました。

Silence(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
ダンロップの高級タイヤ「VEURO」のCMでおなじみの曲ですが、まず冒頭はMoonlight Serenadeから入るという、先日の「ETUDE&ENCORE TOUR」と同じような形で曲が演奏されました。オーケストラでの演奏になると若干テンポがゆったりしているような感じを受けました。また、アンサンブルからオーケストラにアレンジは変わったんですが、この曲に関しては金管が使用されず、あまり大きくアレンジが変わった印象は受けませんでした。

月に憑かれた男(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
この曲もさほど印象に残ってません(苦笑)。おそらく「ETUDE&ENCORE TOUR」とあまり変わらない印象だったのかも…

夢の星空(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
この曲はアルバムもコンサートでもピアノソロで演奏されていたので、今回どうなるのか気になってました。もちろん、ピアノソロ部分から曲は始まったのですが、その後ゆったりと、静かにオーケストラの音色が合わさっていきます。弦楽器が主体だったかな。それと木管が少し入ってくるくらいで。まあ、金管が入ってくるような雰囲気の曲ではなかったですね。

Bolero(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
この曲に入る前、久石さん、手をずいぶん気にされていて、両手をぶらぶらと振られていました。ちょっとつらいのかなあって感じが垣間見えました。まあ、この「Bolero」が殺人的な速さの曲なので仕方ない部分なのかも… 曲に入るとそんなところは微塵も感じさせず、スピーディーに演奏が続いていきます。そして曲の最後は、「ジャン!」の音とともに、指揮の金さんが半身をピアノの方に向けてタクトを頭上に、久石さんは鍵盤に力を込めた両手が勢い余って空中に投げ出される格好で曲が締めくくられました。なかなかかっこいい曲の終わり方でしたよ。

a Wish to the Moon(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
キリンビール「一番搾り」でおなじみになりつつある曲ですね。聴いているうちにノッてきてしまう楽しげな曲ですよね。指揮の金さんも、タクトを振りながらリズムに乗って、頭も振っていたくらいだし。曲中、サビの部分を口笛で演奏されていたところがありましたよ。ただ、指は鳴らしていなかったようです。この曲の最後も「ジャン!」って感じで、気持ちよく曲が終わりました。

演奏が終わると、久石さんと指揮の金さん、そしてコンマスの崔さんが握手を改めて交わされていました。そして前半の演奏は終了と相成りました。さあ、20分の休憩です。

とはいえ、この時体力的な問題で(ちょっと仕事が忙しかったため疲れていたんです)、猛烈な眠気に襲われていました(苦笑)。しかも目が悪くて、ステージに焦点を上手く合わせることができないとあっちゃ、余計に眠くなります(爆)。その上、前半はゆったりとした曲が多かった(核爆)。この3つのボディブローを喰らいながらも、ちゃんと聴いていたんです!(偉そうなことを言うな!) 個人的にはもうちょっとパンチの効いた曲が聴きたかったなあという想いがあったんですが、「壬生義士伝」がなかなかだったので、個人的にはまあこの段階ではプラスマイナスゼロといった感じだったでしょうか。とにかく、眠気を覚まさなくちゃならないってことで、少しガムを噛みました。眠くちゃ話にならないので…(苦笑)

コンサート後半戦

さてさて、コンサート後半が始まります。ふと、ステージ上に目をやると、ピアノの脇にマイクスタンドと譜面立てが用意されているではないですか! そう、後半最初の曲は長丁場の「オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』」なんですよ~ 2002年4月2日、同じくこのすみだトリフォニーホールで行われたコンサートで東京初演だったわけですが、その時は元米米CLUBの石井達也さんが朗読されたんですよね。でも、今回のナレーションは久石さん! 東京では久石さんヴァージョンは初演になりますね! ……個人的に2002年に行われたNTTドコモ東北ツアーで久石さんヴァージョンは聴いていたので、「せっかく限定ものだったのに~」っていう感じはあったんですが…(爆…冗談ですよ、冗談!)

オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」(アルバム「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」より)
この曲は「さんぽ」、「五月の村」、「ススワタリ~お母さん」、「トトロがいた!」、「風のとおり道」、「まいご」、「ネコバス」、「となりのトトロ」と組曲形式に繋がっていて、曲の合間に『となりのトトロ』のストーリーが語られるような形になっています。その内容については2002年春先のコンサートとダブってしまうので、こちらでは割愛して、前回のヴァージョンと違う点を書いていこうと思います!

後半の一番最初、ステージ上ではすでに新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんが揃っていて、チューニングをし始めたんですが、その最中に久石さんと金さんが入場してきました。チューニングと拍手が入り交じりながら、久石さんが会場に対して一礼したんですよ。おぉ、CDと同じだ~なんて思っちゃって…(笑)

全体的な部分では、久石さんのナレーションがところどころ時間が間に合わなくて、演奏と被ってしまったところが何カ所かありました。ピアノを弾きながらナレーションをするといった芸当をしているので、多少のところは仕方ないのかも知れませんね。

そうそう、「風のとおり道」と「ネコバス」のアレンジが若干変わっていました! この「オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』」はオーケストラスコアが発売されているんですが、もしかするとそちらのアレンジが使用されているのかなって思ったんですが、確認できません。何せもう覚えていないし…(爆) そうそう、途中でコンサートマスターの崔さんのソロがあったんですが、この方のヴァイオリンの音色、非常に綺麗でした! やっぱりトップで頑張られている方の音色はダントツに良いですね!!

あ、もうひとつ! 最後の最後でセリフが付け加えられていました!!

“オーケストラストーリーズ 「となりのトトロ」
    あなたがずっと信じ続けていれば、トトロにもきっと出会えるかも知れない。
        いつか、夢はかなう……”

ラストのひと言は特に、どこかで聞いたような記憶が…(苦笑) 「ETUDE~a Wish to the Moon~」のモチーフが「オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』」にも使われたようです。聴いている最中、「あれ?」なんて思ってしまいました(苦笑)。


「オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』」が終わり、会場から拍手が送られました。ピアノ脇のマイクスタンドやスコアなどの片づけなどがされつつ、その間に久石さんが話をされました。

(拍手に対して)ありがとうございます! こう慣れないこと(ピアノを弾きながらナレーションをすること)をいろいろとやろうとすると本当に大変です(苦笑)。

続いては、NHKの「世界美術館紀行」という番組のために作った曲をオーケストラにアレンジして演奏します。最初はチェロのために書いた曲だったのですが、オーケストラでアレンジをすることで世界観が広がるのではと思い、挑戦してみました。この曲には非常に強い思い入れがあり、忘れられない曲となりました。まずその曲を演奏します。

その次に、プログラムには書かれていないのですが、いつもと違うポップスを演奏しようと思います。(新日本フィルの方にちらちらと目をやりながら)実は、来年の夏から新日本フィルと組んでポップスオーケストラをやることになりました。(会場から拍手有り) ”新日本フィルポップスオーケストラ”として、いろいろとやることになります。お楽しみに!!(会場から拍手がまた有り) ということで、今回は『新日本フィルと久石が絶対に演奏しないだろう!』という曲をやります! 曲名は秘密です(笑)。

それでは、金洪才指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏で、お聞き下さい!!

…と行って、久石さんは退出されました。ステージ上には指揮の金さんと新日本フィルハーモニー交響楽団の方々が残って、演奏をはじめられました。

Musee imaginaire(NHK「世界美術館紀行」テーマ曲より)
確か久石さんが話されている間に、金管奏者の方々が少し退席していたように見えました。この曲は弦楽器が主体なので、ちょっとした休憩時間を取ったのかも知れません。曲の感想としては… これは本当に個人的な感想になってしまうんですが、この曲はオーケストラよりもアンサンブル形式の方が良いような気がします。少人数で力強く弾いてもらった方が、それぞれ栄える曲なんじゃないかなと個人的には感じました。もちろん今回のオーケストラヴァージョンも悪くはないんですけどね。あくまで個人的な好みの問題です(苦笑)。

演奏が終わると、指揮の金さんが舞台袖に向かいます。そして、入れ替わりに出てきた久石さんとハイタッチを交わしながら、今度は久石さんが指揮を振るう番です。

007 Main Theme(映画「007シリーズ」より)
最初の音が鳴らされた時点から、「何じゃ!?」と思いました(笑)。「なぜ、007(「ゼロゼロセブン」じゃなくて、「ゼロゼロナナ」と呼びましょう!…笑)なんだろう?」っていう想いが交錯しつつ(笑)、曲はそれでも進んでいきます。でも聴いていて良い感じでした。金管やドラムが鳴り響いて、やっぱりハリウッドだなあって感じがしたし…(笑) 来年からの新日本フィル”ポップス”オーケストラが楽しみです!

演奏が終わり拍手の中、一旦久石さんが舞台袖に戻り、もう一度出てきました。

どうもありがとうございます! 非常に楽しんで演奏ができています。みなさんは楽しんでいただけているでしょうか?(会場から拍手が送られる)

(舞台袖をちらちらと見ながら)10数年来、一緒に組んでやってきて、僕の指揮の先生でもある金先生に来ていただきましょう!!

金さんが舞台袖から颯爽と登場されました。会場からはもちろん拍手が送られます。久石さんと金さんが再びガッチリと握手を交わされていました。

それでは「HANA-BI」と「Kids Return」を演奏します!

という具合で演奏が始まったと思います(もう、記憶が無くなってます…苦笑)。

HANA-BI(映画「HANA-BI」より)
久石ファンにとっては馴染み感がでてきたナンバーですね。ピアノソロがあり、アンサンブルもあり、オーケストラもあり… コンサートで演奏されやすい曲になりました。今回はこれまでのものとアレンジはあまり変わらなかったと思います。でも、毎度ながら、あのラストのサビの部分は圧巻です。次はちょっと違ったアレンジで聴いてみたいなあなんて、ファンのひとりは勝手に思っていたりもします(苦笑)。

Kids Return(映画「Kids Return」より)
2001年の「SUPER ORCHESTRA NIGHT」で非常に好評を博した曲です。個人的には「そのアレンジ、アリかよ!?」っていうくらいだったので… ただ、今回のアレンジも過去のものとはあまり変わらないアレンジだったと思います。人間、慣れちゃうと恐ろしいもので、アレンジが同じだと、あまり響いてこないんですよ(苦笑)。ま、僕の体調が芳しくなくて心に響きにくい状態だったのかも知れませんが…


演奏が終わると会場から暖かい拍手が送られました。一旦、久石さんと金さんが舞台袖へ退出された後、再び戻ってきて、さあアンコールです!

Summer(映画「菊次郎の夏」より)
この曲のアレンジは本邦初演でした! ピアノソロではなくてオーケストラで演奏です! 曲の出だしはピアノのスタッカート奏法ではなくて、弦楽器のピチカート奏法で軽快な音色で繰り広げられました!! これはなかなか良い感じでしたね!! 途中同じフレーズが何度も繰り返される場面では弦からピアノに音が渡され、また弦に戻るといったようなフレーズの受け渡し作業がされてました。

知名度の高い「Summer」が演奏された後、第1ヴァイオリンの奥の方にいた女性2~3人が舞台袖に何やら戻っていきました。何だろうと思ったら、その手には花束と賞状を携えて、久石さんと金さんにテクテクとその女性たちが歩いていきます。まず久石さんと金さんに花束の贈呈がありました。会場から暖かい拍手がわき起こりました。その後、賞状です。よく見えなかったんですが、おそらくペンジョンファンドコンサートに協力してくれたことに対するお礼が書かれてあったのではないかと思われます。お二人とも会場に向かって花束を持たれながらにっこりとしてました。

一通り贈呈式を終えて、拍手がなっている中、久石さんと金さんがお互いを眺めて、「やっちゃおうか?」って形で確認して、すぐにアンコール2曲目へ突入です。

Madness(映画「紅の豚」&ソロアルバム「My Lost City」より)
やっぱりこの曲が来ました!(笑) もう、定番中の定番です! プログラムの最後に演奏されなければ、アンコールの最後にやるのがお決まりのこの曲は、やっぱり格好良いですね~ オーケストラで演奏されると若干曲のスピード感が落ちるものの、迫力があります。ラストは気持ちよく、金さんは半身をピアノの方に寄せて、久石さんは勢い余った両手を空中に投げ出すように「ジャン!!」と力強いヒットで終了しました。


そういうことで演目は全て終了し、拍手とともに久石さんや金さんが退場され、終演となりました。

今年(2003年)春先のコンサートはずいぶん盛り上がったんですが、それと較べると今回は盛り上がりませんでした(苦笑)。おそらく客層が違ったんだと思います。今回は新日本フィルハーモニー交響楽団のペンジョンファンドコンサートで、新日本フィルをこよなく愛する方が多くいらっしゃったわけで、久石ファンが集まったわけではないでしょうからね。それに、今回は観客から久石さんや金さんに花束を渡したりするような、いつもの儀式が無かった分、特に毛色が違うコンサートになったのでしょう。やっぱり新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんより久石さんや金さんが目立ち過ぎちゃってはいけませんからねぇ~

そうそう、ホールから出ようとしたら楽団員のみなさんが出口で挨拶されてました。これはビックリしました(苦笑)。こういったペンジョンファンドコンサートだから、特にこういった挨拶があったんでしょうね。みなさん、出口で並んでいたので「うぉ!?」っと思っちゃいました。にしても、今回の収益は楽団員のみなさんのために使っていただきたいですね。

それと、今回も出待ちを敢行…は特にせず、出待ちしている人を眺めてました(苦笑)。すでにサインを頂いているので、もらっていない方がもらえればなあと思った次第で… そうしたら、すごい人だかりになっちゃって… しばらくしたら久石さんが出てきたんですが、もう大混乱しまくりです。サインを求める人、花束を直接渡そうとする人が入り乱れて…(苦笑) マネージャーさんが「押さないでください!!」を連呼する始末…(苦笑) あれは危なかったですね。でも、みなさんそれだけ、ひと目見たい、あるいは握手したい、サインもらいたいっていう想いが強かったのでしょう。結局、全員分はさばききれなかったようで、いつの間にか久石さん、姿をくらましてしまいました。マイカーがすぐそばにあったのにもかかわらず…(笑) ま、新日本フィルのみなさんと打ち上げをされていたって話なので、そちらの会場に向かわれたのかなあなんて思いますが…

そうそう、楽屋口で久石さんを見かけた後、後オフ会を一部でやりました。こちらも何をしゃべったのかあまり覚えてませんでした(苦笑)。ダメだなあ、僕の脳みそは…(爆)

そんなわけで、今回のすみだトリフォニーホールで行われた、新日本フィルハーモニーペンジョンファンドコンサートのレポートは以上です。今回は肩肘張らずに書こうと思ったんですが、結局はいつもの流れになってしまいました。次回のコンレポは日程的にも厳しいので、短くすませる予定(?)です。

書き上げ 2003.7.15  0:00
修正・加筆 2003.7.21 21:25

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