すみだクラシックへの扉 第20回 ようこそ! 久石譲の音楽の世界へ(2024.2.17)

※注意
○このコンサートレポート(備忘録)は記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施している可能性がありますので、完全なコンサートレポートではないことをご了解下さい。
〇音楽的な知識はあまりありませんので、誤ったことを言っていることがあります。その辺は気を付けながら(?)お読みください。
○もし間違いを見つけたり、補記できる項目があれば、コメント欄で書いてもらえると嬉しいです。
日時2024年2月17日(土) 開場:13:15/開演:14:00
会場東京・すみだトリフォニーホール
チケット一般 S席:5,000円 A席:2,500円
シルバー(65歳以上) S席:3,500円
学生 S席:2,000円 A席:1,000円
墨田区在住・勤および賛助会員 S席:3,000円 A席:1,500円
出演者管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:崔 文洙、伝田正秀
(String Quartet for “I Want to Talk to You” ヴァイオリン:崔 文洙、ビルマン聡平/ヴィオラ:中 恵菜/チェロ:向井 航)
その他主催:公益財団法人 新日本フィルハーモニー交響楽団
共催:すみだトリフォニーホール
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援) ))
   独立行政法人 日本芸術文化振興会
   一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)

曲目

(献奏)J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番より第2曲アリア(G線上のアリア)

久石譲:I Want to Talk to You
      - for string quartet, percussion and strings –
Joe Hisaishi: I Want to Talk to You – for string quartet, percussion and strings –

モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」K.551
          Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.41 in C Major, K.551, “Jupiter”
 I. Allegro vivace
II. Andante cantabile
III. Munuetto: Allegretto
IV. Molto allegro

― Intermission 休憩20分 -

ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』-2部によるロシアの異教徒の情景
          Igor Stravinsky: Le sacre du printemps – Tableaux de la Russie Paienne en deux parties
                 (The Rite of Spring)
 I. 大地への崇敬 L’Adoration de la Terre
   序奏/春の予言-若い娘たちの踊り/誘惑の遊戯/春のロンド/競い合う部族の遊戯
   賢者の行進/賢者/大地の踊り
 II. 生贄 Le Sacrifice
   序奏/若い娘たちの神秘的な輪/選ばれし者への賛美/祖先たちへの呼びかけ
   祖先たちの儀式/神聖な踊り(選ばれし者)

TOUR SCHEDULE

日付地域ホール名
2024年2月16日(金)東京すみだトリフォニーホール
2024年2月17日(土)東京すみだトリフォニーホール

クラシックには非常に疎くて、レポートをする力量がないのですが、覚えている範囲内で書き出してみようと思います。ボク自身の備忘録です。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

本公演は2日間のスケジュールで組まれ、ボクが参加するのは2日目だったわけですが、初日の公演で先日亡くなられた世界的な指揮者の小澤征爾さんに向けた献奏が演奏され、Xでもその様子が流れていたので、2日目はてっきり献奏はされないと思っていたんですが、ホール前のホワイエに献奏を行うとの案内が。

開演前に献奏のアナウンスが流され、奏者の入場時に拍手は行わないようにとのことを言われていましたが、新日フィルの方が入場され始めた際にちょっと拍手が発生しちゃいました。なかなか「献奏」なんてされないのでいつものように拍手しちゃいますよね。さすがに「なんか変だぞ?」とみなさん思われて、拍手はすぐに鳴りやみました。

入場されたのは弦楽器のみなさんのみだったかなと思います。今回コンサートマスターを務められる崔文洙(チェ・ムンス)さんがチューニングの指示を出されて、ひと通り済ませると指揮者の久石さんを待つところとなります。黒いスーツをビシッと決めた久石さんがステージに入場されましたが、もちろん拍手なしの入場です。

冒頭、久石さんがマイクを取りしゃべり始められ、新日本フィルハーモニー交響楽団の創設者で桂冠名誉指揮者である小澤征爾さんがお亡くなりになり、追悼の意を込めて献奏を行います、との説明をされた後、指揮台に上らずに指揮をされていたように思います。静かに指揮をされはじめ、「J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番より第2曲アリア(G線上のアリア)」が流れ始めました。クラシックに疎いボクにも分かる厳かな弦の音色が流れます。演奏が終わった後、久石さんが1分間ほど、沈黙の中、おそらくその場で黙とうを捧げられていたのだと思います。たしか両の手のひらを組みながら目を瞑られていたように見えました。小澤さんもこの曲を良く演奏されていたのだとか。久石ファンとしては、まさか小澤さんへの献奏を久石さんが指揮をするとは思ってませんでした。

献奏が終わると久石さんとコンマスの崔さんなど、弦4パートの首席の方が退場されて、ステージの若干の配置換えがされました。指揮者の周囲にスコアスタンドと、チェロ用の台(あれはなんと説明すればよいのか…)が設置されて、カルテット降臨用の準備が整えられ、その他パーカッションの方が入場されたようです(座席が右端だったので左端に入場されたパーカッションの方のお姿は確認できなかったんですが…苦笑)

舞台下手から、まずカルテットを務める4名の方と、その殿(しんがり)に久石さんが、今度は大きな拍手に伴われて入場されました。カルテットの4名のうち、チェロの向井さん以外の皆さんは立奏形式での演奏となります。

今度は久石さんは指揮台に上られ、自身の作曲作品「I want to talk to you」が静かにコンマスの崔さんと、セカンドバイオリンのビルマン聡平さんの掛け合いから始まったように記憶しています。カルテットをベースにしたこの曲は以前に2021年での「FUTURE ORCHESTRA CLASSICS Vol.3」などで披露されていて、こちらの公演でも新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーが結構参加されております。

他に合唱形式で演奏されているんですが、今回の演奏は、確かにメロディは同じだったんですが、正直、全然違う曲に感じながら聴いてました。印象がちょっと違うというか。アレンジは同じなのかも知れませんが、ミニマルミュージックだからこそ、その時々の環境などによって受け取り方が変わるのかも知れません。また、今日の全体的な印象として、久石さんが笑顔で指揮をしているのが印象的でした。演奏もすごく揃っていて、すごく綺麗だったと思います。

コンサートパンフレットにも書いてありますが、元々は山形県合唱連盟から創立70周年記念の合唱曲を委嘱され、「店の中でも人々は携帯電話しか見ていない。人と人とのコミュニケーションが希薄になっていくこの現状に警鐘を鳴らすつもりでテーマを選んだ」としたこの曲は、パンデミックの拡大で初演の見通しが立たなくなり、「携帯電話のおかげでコミュニケーションができるという、まるで逆の状況になってしまった」曲で、特殊な経過をたどったものとなっています。

私の座席位置では見えていなかったんですが、ビブラフォン(かな?)を弓で弾いて、不思議な響きのする音色を奏でていました。「不思議に響く」っていう表現をするしか、ボクには書きようがありません。過去にも「NHKスペシャル深海の巨大生物オリジナル・サウンドトラック」に収録されている「Deep Ocean」という曲を2019年のWDOコンサートで披露された時、同じような奏法が使われていました。

「I want to talk to you」が終わると、また配置転換となります。管楽器などの他の皆さんが配置されるため、いったん皆さん退場されたような気がします。早めに管楽器の一部の方が席に座ってらっしゃったかな。

続いては「モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」K.551」となります。すみません。事前に勉強をしていなかったことが災いし(苦笑)、心地よくてちょっと眠気が襲ってきてしまいました。なのであまり記憶に残っているものは少ないんですが、やっぱり指揮をする久石さんは終始笑顔だったように記憶してます。指揮をしていて楽しそうでした。

そういえば、私の座席は3列目のステージに向かって一番右端の席だったんですが、今回の公演も対向配置を取っており、目の前には第2バイオリンの皆さんがいらっしゃったんですが、後半のストラヴィンスキーの時の配置と比べるとホンの少し人数が少なかったように感じています。全体的な音のバランスで人数調整をされているのかまでは分かりませんでしたが、何人か奏者の方が少なかったように思います。具体的に覚えているのは、第5プルトだったか、最後のプルトのペアの奏者の方が、この曲では女性と男性のペアだったんですが、ストラヴィンスキーの曲の方では女性同士のペアに変わっていたことでしょうか。

そんなどうでもよいようなところを気にしながら、心地よくウトウトしながら(苦笑)聴いていました。

ここで前半が終了し、20分間の休憩となりました。実はこの20分間の休憩中に、ふらいすとーんさんを筆頭に昨年1年間実施した「スペース フラッシュ=バック 久石譲」でスピーカーとして参加した5人全員が集まっておりました(笑)。いろいろ話が弾んで20分はすぐに過ぎ去っていきましたとさ。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

休憩から戻ってくるとステージ上の配置がまたちょっと変わっていて、先ほども書いたとおり「ジュピター」の時よりも人数が多くなった印象があります。しっかり確認したわけではありませんが、少なくても第2バイオリンで1プルト2名は増えていたように思います。

そうそう。人数が増えたので、新日フィルの皆さんが入場し、チューニングを終えて、最後に久石さんの入場となったとき、前半ではステージの縁というか一番前を歩いて指揮台に来られていたのが、後半は第一バイオリンとビオラの間に通路が設けられて、そこを久石さんが歩いて入場されたのを思い出しました。本筋とは全く関係ない記憶だけ残っています(苦笑)。

ストラヴィンスキー「春の祭典」が始まったわけです。ボクは事前勉強として、移動中に「春の祭典」をウトウトしながらではありますが、聴いてきていました。休憩中に「春の祭典」は激しい曲調のため、眠くはならないと思うとのアドバイスをいただいていたんですが(汗)、確かにすごく迫力のある演奏が続き、心地よくて眠くなるような状況には陥りませんでした。

で、どうしても久石ファンとしては、久石さんの指揮の動作に目を持っていきがちなんですが、指揮の動きを見ていたら、この曲は拍子がころころ変わるみたいで、4分の4拍子やら8分の6拍子、途中で4分の2拍子を挟むとか目まぐるしく久石さんの手の動きが変わって、ずっとでは無かったとは思うんですが、久石さんの目線がスコアに集中して、オーケストラの皆さんに目配せをしていない場面も見られました。拍子を間違えないように集中していたのかなと思います。

部分的には、「春」を連想させるような鳥のさえずりにも似たようなフレーズが聴こえてきて、いろんな鳥が鳴いているなあっていう感じに受け取ったんですが、そこから「鳥が鳴き喚いている」感じになってきて、曲調が強く、激しくなってきて、正直、どこが「『春』の祭典」なんだろうと思ってたところもあります。ただ、この曲は「バレエ音楽」として作られた音楽であるため、ストーリーやその時の動きに合わせながら曲が作られているので、バレエの構成が分かっているとさらに楽しめるんだ、という話を休憩中に伺い、「なるほど!」と目から鱗でした。ストーリーとか場面とかを把握しておくともう少し楽しめるんだなあということが分かって勉強になりましたが、さすがにそこまで事前学習はなかなかできないかなあ(苦笑)。

この曲自体は35分程度あるようなんですが、現場で聴いた感覚ではすごく短かったように記憶してます。もしかしたら久石さんの指揮のテンポが少し早かったのかも知れませんが。

曲が終わると会場から盛大な拍手が久石さんと新日本フィルハーモニー交響楽団の皆さんに送られます。久石さんが何度か舞台袖と指揮台を行き来し、ステージに戻ってこられながら、それぞれの楽器の皆さんのご紹介を兼ねながら、主席の方とその他の奏者の方に拍手を送るように促されてました。

一度退場するものの拍手が鳴りやまずに再入場され、弦楽器のそれぞれの首席を務めた、「I want to talk to you」でカルテットをされた4名と、ステージ向かって右奥のコントラバス首席の方に握手をされ、久石さんは両手を広げ、「ぜひ新日本フィルハーモニー交響楽団の皆さんに拍手を!」というゼスチャーをされていました。しかし、スタンディングオベーションは起らなかったものの、拍手は納まらず、舞台袖に退場された久石さんがまたステージに戻られ、コンサートマスターの崔さんにフィルの皆さんに拍手を受けてもらうために起立を促されたものの、崔さんからは「いえいえ、この拍手は久石さんに向けてのものですよ」と弓を揺らされ、また足で踏み鳴らすしぐさで久石さんに拍手を送っているアクションを取られて皆さん立ち上がられず、というようなやり取りがあって、久石さんが観客の皆さんに「ありがとう」というジェスチャーをされながら会場に応えられていました。

そんなやり取りがなされ、フィルの皆さんに立ち上がっていただき、久石さんと新日本フィルハーモニー交響楽団の皆さんに向けられた拍手のなか、久石さんが観客の皆さんに深いお辞儀をされ退場し、コンサートマスターの崔さんも最後に客席に向かってお辞儀をされ、フィルの皆さんがお互いを称え、舞台上で握手を交わされ、コンサートの終演となりました。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

新日本フィルハーモニー交響楽団さんのこの日の演奏はすごく良かったと思います。きっちりリズムが揃っていて、音を大きく外すようなこともなかったし、演奏自体も難しい曲だったのではないかと素人目には映っていたんですが、そつなくこなされてたのではとの印象を持ちました。クラシック素人なので、ボクの評価は全くあてにはなりませんが、演奏は良かったと思うんですが、具体的な評価は有識者の皆さんにお任せしようと思います。

そんなことでコンサートは終わったんですが、コンサート後に、直前に亡くなられた小澤征爾さんの献花台がすみだトリフォニーホールに設置されていたことから、小澤さんの指揮はこの目で見ることは無かったんですが、やはり「世界のオザワ」さんを追悼する気持ちがあったので、献花だけはしておきたいと思い、記帳と献花をさせていただきました。スタッフの方から、祭壇やら小澤さんの写真などの撮影をしても構わないとのお話はされていたんですが、さすがに祭壇などにカメラを向けるのは失礼だろうと思い、入口の垂れ幕だけ撮影させていただき、献花して手を拝ませていただきました。ボク自身は少し早めに並んだのでさほど時間がかかりませんでしたが、その後結構な長い列を作っていたようでした。

クラシックコンサートは苦手分野なので、レポートになっているのか良く分からない感じになっちゃってますが、ボクの備忘録であるという免罪符を打っておいて(苦笑)、ほんの少しでも現場の雰囲気が伝わっていれば嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。

2024.02.21 23:00 掲載

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