Joe Hisaishi Symphonic Special 2003 ~子供たちとかつて子供であった人たちへ~(Be HISAISHIST!! Volume8.2)

2003年夏、シンフォニックスペシャル2003ツアーが始まる直前に、新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんをバックアップするためのコンサートである、「新日本フィルハーモニー交響楽団ペンジョンファンドコンサート」が開かれました。そのコンサートの模様について、お伝えします!!

※注意
このコンサートは記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施していますので、完全なコンサートレポートではないことをご了解下さい。
日時2003年7月26日(土) 18時から
会場新潟市・新潟りゅーとぴあコンサートホール
(新潟市民芸術文化会館コンサートホール)
チケット全席指定 A席7,500円 B席7,000円
出演者ピアノ&指揮 久石譲
指揮 金洪才
オーケストラ 新日本フィルハーモニー交響楽団
その他主催:TENY テレビ新潟
後援:ユニバーサルミュージック
企画制作:ワンダーシティ/ウィルパワー

曲目

    Mibu / あの夏へ / ふたたび / Moonlight Serenade~Silence / 月に憑かれた男 / 夢の星空 / Bolero / a Wish to the Moon

    INTERMISSION 休憩

    オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」 / Musee imaginaire / 007 / Two Of Us / Kids Return 

Encore
    Summer / Madness

TOUR SCHEDULE

2003年7月22日(火)福岡アクロス福岡シンフォニーホール
2003年7月26日(新潟新潟りゅーとぴあコンサートホール
2003年8月1日(金)大阪ザ・シンフォニーホール
2003年8月2日(神戸神戸国際会館こくさいホール
2003年8月7日(木)名古屋愛知県芸術劇場コンサートホール
2003年8月14日(木)東京東京芸術劇場大ホール
2003年8月17日(札幌コンサートホールkitara

コンサート前に…

さてさて、今度は新潟市で行われたSymphonic Special 2003のコンサートツアーの様子をお伝えしたいなあと思います。

新潟で行われた7月26日のコンサートはツアー2つ目の公演で、その前にアクロス福岡シンフォニーホールという非常に良い感じのホールでコンサートは行われていました。それに次ぐコンサートだったんですが、ここ新潟の「りゅーとぴあ」も福岡のホールに負けない非常に良いコンサートホールです。

ざっと説明すると、たまご型の建物でガラス張りの外観、そしてインテリアはところどころに木材が使われていて非常に落ち着いた感じのホールになってました。ガラス張りなので、外からの直射日光がきつい場合などは電動式で日除けボードが上部から降りてくるような感じになっていて、「おぉ!?」と思ってしまいました。それと、コンサートホールの他に、劇場、能楽堂、スタジオや練習室、ギャラリー、カフェなどいろんな施設が充実しており、かなりお金がかかった建物です。しかも屋上庭園とかもあるし、ものすごく良い感じのところでしたよ。あ、ちなみに夜景もライトアップされて、ホントに綺麗です。ホント、たまげてしまいました(笑)。

開場時間を迎えると、ホールに入ろうとする人々の列が長蛇をなしていました。ホワイエではいつものようにCDやパンフレットが販売されています。パンフレットはいつもどおり1,500円ですが、今回はフォトブックというような感じになっていて、久石さんが撮影されたであろう写真がふんだんに使われていました。

ホール内に入ってみました。僕は2列目に座っていたんですが、驚きました。近いんですよ。客席とステージの距離感が。2列目でも最前列にいるような感じに思えます。なんか、手に届きそうな距離っていう感じでしょうか。ホール自体もステージを囲む円形状のアリーナ形式になっており、大きいホールと言うよりはスペースを上手に使ってコンパクトにまとまったホールだなあという感じがしました。本当に、演奏者との一体感を感じることが出来るホールだと思いましたよ。そんなことを思って、ホール内をデジタルカメラでパシャパシャ撮っていたら「お客様、カメラ等の撮影の方はご遠慮いただきますよう…」と注意されてしまった。ま、毎度のことなので…(笑)

くまなくホール内を見渡すと… おっ? マイクが多い!? いや、多いどころの騒ぎではなかったです。天井からザッと見て6本つり下がっていたし、ステージ上でもピアノの上や、各種の楽器の前にマイクがセッティングされてました。場内放送でも、『本日はライヴレコーディングを行っておりますので、あらかじめご了承下さい』と伝えられてました。ライヴレコーディングでご了承って、何をすれば良いのかよく分かりませんが、ま、あまりくしゃみとか咳をしないでくれということだったんでしょうね。

そうそう、もう一つ。ステージ上をこらしてよく見ると、ステージ中央に久石さんが弾くと思われるスタインウェイのピアノが1台あることはもちろんなんですが、向かってステージ左端の奥にもう1台、ピアノが置かれていました。何かで2台、使うんでしょうか? この件は、後ほど分かってくる部分ですけどね。

ステージ上では、練習をされているフィルの方がいらっしゃいました。フルートの方とかコントラバスの方がいらっしゃったはず。ただ、ある程度の久石ファンになると、練習する音で、「あ、あの曲だな」と分かってしまいます(笑)。

なんだかんだ言っているうちに、開演の時間を迎えます。すると、新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんが厳かに入場されました。男性陣はほとんどの方が燕尾服を着用されていたと思います。最後に、コンサートマスターの崔さんが入場されると、会場から拍手が起こりました。崔さんが深く観客に向かって礼をされたあと、チューニングが始まります。そうすると、徐々に会場が暗くなり、反比例してステージ上が明るく照り輝き出します。いよいよです。

コンサート前半戦

さあ、久石さんが入場してきました。会場は割れんばかりの拍手です。久石さん、会場の客席に向かい深く一礼をされた後、颯爽と指揮台に登ります。毎度ながら、手にはタクトはありません。フリーハンドでの指揮となります。

Mibu(映画「壬生義士伝」より)
「ドーン、ドーン、ドドン!」と大太鼓の音から、弦楽器の激しいメロディが続く。あの「壬生義士伝」がメドレーとなってお披露目です。って、東京でのペンジョンファンドコンサートと変わらないじゃんとお思いの方、まだまだですよ! ペンジョンファンドとはアレンジが変わっていて、力強さはそのまま力強く、しかし精錬されたアレンジで、個々の楽器のメロディがハッキリと聞こえる感じになってました。これは、なかなかでしたよ。そうそう、先ほどお伝えしたピアノが2台あった件ですけれど、この曲で奥の方にあったピアノが使われてました。どうも、ハープの音色がどうしても弱いところがあったので、ハープの音色の補強的な側面からピアノがサポートに入っていたようです。

「Mibu」の演奏が終わり、会場からまた大きな拍手が送られます。久石さんは軽く会釈をしながら、ピアノの前に座り、ハンカチで額の汗をぬぐってました。「ふぅ」と一息をつかれるような感じで久石さんがピアノのところで座って、何かを待っているって感じです。そう、指揮の金さんを待っていたんです。でも会場の多くの方は状況がよく分かっていないようで(ま、他のツアーに行ってないから当たり前ですが…)、変な間がありました(苦笑)。

すると、舞台脇から指揮の金洪才さんが入場されてきました。…って、何か拍手が起こらなさそうだから、僕が率先して拍手を…(笑) 後ろ姿が似ている同士なので、特に金さんにエールを送らないと!(爆) 金さんが久石さん、そして新日本フィルの崔さんと握手を交わし、久石さんに変わって今度指揮台に立つのは金さんです。あ、金さんはタクトは持たれてましたよ! ただ、途中からフリーハンドで指揮をされてたようですけどね。

あの夏へ(映画「千と千尋の神隠し」より)
金さんが指揮台に立って、久石さんに目をやると、その時久石さんはピアノの鍵盤をジッと見つめ精神集中をしているようでした。やや間があって、ハンカチに手をやり、ふたたび顔をぬぐってまた精神集中。いつもの儀式みたいなものですね。ちょっとした頃合いの後、久石さんが金さんに合図を送り、ピアノソロから楽曲が始まりました。アレンジについてはこれまでのものと同様だったようですね。

ふたたび(映画「千と千尋の神隠し」より)
この楽曲もアレンジはさほど変わったような印象は受けませんでした。

楽曲が終わると、当たり前ですけどまたまた拍手です。何か新潟の拍手は熱いですねぇ~ 久石さんはまた会場に頭を下げられてました。すると、マイクを取りしゃべり始められます。

コンバンハ、久石譲です(拍手が会場から起こる)

この新潟では、オーケストラでコンサートを行うのは初めてになります。僕は新潟県のとなりの長野生まれで、新幹線に乗って、こちらに向かう間、窓から景色を見ていると地元そっくりな田園風景で親近感を感じました。

それにしても、このりゅーとぴあはいろんな方から素晴らしいホールだと聞いていて、是非コンサートをやってみたいと思っていました。この丸いホール…(辺りをぐるっと見回す)…すごいですよねぇ~ こう、囲まれているというか…(笑) でもこういうホール、好きなんです。練習の時も非常に音が良くて、どこの席でも音が変わらないんですよ!

先ほども言いましたけど、ホント、良いホールです。距離感は近く感じるし、距離感が近いから、音も綺麗に伝わるし、個人的にはヒットって感じのホールです。「音が良い」という評判から、ライブレコーディングをしようってことになったのかも知れませんね。ホント、素晴らしかったです。是非、また来てみたいと思いましたもん。あ、まだ久石さんがしゃべっている途中だったんだ…(苦笑)

この後ですが、今年3月に「ETUDE ~a Wish to the Moon~」というアルバムを出しました。いつか夢はかなう………いつか夢はかなう…(なぜか2回繰り返して「いつか夢はかなう」とおっしゃってました) 頑張っていれば願いは叶うかも知れない。あるいは、常に自分自身を変えていこうよということをテーマにしたアルバムです。

これからそのアルバムより5曲演奏しようと思います。ちなみに最初の曲には有名なナンバーを導入の部分に使わせてもらってます。

久石さん、一通り説明を終えて、会場からの拍手を受けると、ピアノの方に向き返って、演奏準備を始めました。

Silence(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
「Moonlight Serenade」を導入部分に使い、「Silence」が演奏されました。ペンジョンファンドとさほど変わりなく演奏されてましたよ。

月に憑かれた男(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
コントラバスの音から始まる曲で、軽快に曲が続いていきましたけど、ちょっとトラブルがありました。何かの音色がちょっとひっくり返ったところがありました。ま、ちょっとリズムが早い曲なので、仕方ないのかなあといった感じです。で、トラブルはそれだけではなく、指揮の金さん、そのひっくり返った音色にビックリしたのか、あるいは指揮に力が入りすぎたのか、勢い余って備え付けられていたマイクスタンド(かなりの高さまでスタンドが上げられていた)に指揮棒を思い切りぶち当てていました(苦笑)。大きく揺れるマイクスタンドでしたが、金さんが慌てて左手で震えるスタンドを抑えて事なきを得ました。金さんでも、あんなことするんだなあと…(苦笑) かなり焦っただろうと思います(爆)。頑張れ、金さん!!

夢の星空(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
短い曲ですけど、個人的には好きです。ピアノソロから入ってきて、弦楽器や木管楽器が続いてくるくだりはやっぱり良いですねぇ。

Bolero(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
この曲を演奏する前に、久石さん少し手をブラブラと動かし、ちょっと気にされる様子がありました。…って、何かペンジョンファンドコンサートと同じような光景だなぁ… テンポが速く力強い曲なので、演奏する前はやっぱり準備運動が必要なんでしょうね。演奏の方は、久石さんが若干ミスタッチっぽいところがあったんですが、そこは強引に上手く持っていく手法でカバーしてました。知らない人が聞いてもミスには思わない、いわゆる新潟オンリーのアレンジになってました。そして、ラストは久石さんと、指揮の金さんが格好良く決めてくれます。

a Wish to the Moon(ソロアルバム「ETUDE ~a Wish to the Moon~」より)
キリン「一番搾り」のCMで使われている曲ですよね。それもペンジョンファンドコンサートと変わらず、途中でメロディを口笛で吹くという場面もありました。そしてこの曲もラストはきれいに決まってましたね。

やばい… 今回も眠気が…(爆) 「ETUDE ~a Wish to the Moon~」をオケアレンジすると睡眠効果でも出てくるんじゃないだろうかというくらいヤバイ状態でした(笑)。心地よかったんだろうなぁ~ 今回はちょっと目をつぶりながら聞いたりしてましたし。そうそう、これで前半終了なんですが、全然拍手が鳴りやまないんですよ(苦笑)。ここは適当なところで拍手をやめるのが普通なんですが、ずっと続きます。全然鳴りやまず、舞台袖からフィルのメンバーに「席を立って退場するように」と指示が出て、フィルのみなさんが退席しはじめたところでやっと拍手が弱くなりました。前半にアンコールは出来ませんもんねぇ~

コンサート後半戦

さてさて、コンサート後半が始まります。ふと、ステージ上に目をやると、ピアノの脇にマイクスタンドと譜面立てが用意されているではないですか! そう、後半最初の曲は長丁場の「オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』」なんですよ~ って、ペンジョンファンドコンサートと同じ文章です、ハイ(苦笑)。

オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」(アルバム「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」より)
ペンジョンファンドコンサートとほとんど内容は変わりません。詳しく読みたい方はペンジョンファンドコンサートや2002年春のドコモ東北主催のコンサートのコンサートレポートをお読み下さいね。

で、新潟で分かった点などをお伝えしようかと思います。まず… やっぱり最初は新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんがチューニングしている間に、久石さんと金さんが一緒に入場してくる点。ペンジョンファンドの時も一緒でしたね。これは他の会場でも同じようにやっているんでしょうね。一種の演出でしょう。演奏に入る直前、金さんがチューニングしている最中の音を左手で制する場面が印象に残ってます。ま、普通に音を止める指示を出しただけなんですけどね。

そして! この曲でももう一台のピアノが使われていましたよ!! 使われ方とすれば、久石さんがナレーションをやっている間にピアノを弾くという感じです。久石さんがナレーションをしながら弾くという感じで楽曲が作られてはいないでしょうしねぇ。そうそう、ピアノの他にチェンバロも用意されていたようです。これは久石さんがピアノを弾かれる時には、ピアノを演奏されていた方が今度はチェンバロに乗り換えるっていうような感じだったんでしょうね。

で、だめ押し。ペンジョンファンドコンサートでも言ったんですが、コンサートマスターの崔さんのソロが何とも素晴らしかったです。この方、ホント上手すぎですよ。

……もう一つだめ押し!(爆) 最後に付け加えられていたセリフ、今回はちゃんと覚えてきました。ペンジョンファンドコンサートの時は曖昧だったんですが、実際はこういう風に言っていた、はず…(爆)

“オーケストラストーリーズ 「となりのトトロ」
    僕たちも夢を持ち続けていれば、トトロに出会えるかも知れません。
        いつか、夢はかなう……”

久石さん、「夢はかなう」っていうフレーズがマイブームなんでしょうか… 最近、本当に連呼してます。「夢はかなう」は「ETUDE ~a Wish to the Moon~」のテーマでしょ、久石さん!!(苦笑)

とにかく「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」の演奏が終わりました。会場、非常に盛り上がってすごい拍手でした。ま、「トトロ」は幅広い年代、幅広い人々が観ている名作だから、知っている曲だってことで反響も大きかったんでしょうねぇ。

この後、MCが入るんですが、ペンジョンファンドコンサートとほとんど変わりませんでした(苦笑)。なので、このMCはカット(爆)。いや、一部違うところがありました。世界美術館紀行のテーマ曲の曲名を言おうとされていたんです。そうしたら…

ん? ……ミューズ……?? いや、ミューズは石鹸だな…(会場から笑い声が…)
えーと、「ミューゼ・イマジノイエ(発音違うかも…)」と読みます。空想美術館という意味です。

っていうような発言をされてました。石鹸かい!?(笑)

そして、指揮の金洪才さんと新日本フィルハーモニー交響楽団の紹介をして、久石さんは退場されました。「Musee Imaginaire」は久石さん抜きでの演奏です。

Musee Imaginaire(NHK「世界美術館紀行」テーマ曲より)
この曲、あまり時間がある時に作られたものではないと思うのですが、久石さんは限られた時間の中でずいぶんとこだわって作られたということで、他のレポートで書いてもあるんですが、久石さんにとっては忘れられない曲となっているようです。

コンサートでの初披露は先日の2003年春で、チェロアンサンブル構成で行われたんですが、そちらだと楽器が限られているせいかメロディがハッキリしています。ただ、オーケストラの場合は楽器が多く、音量が大きいんですが、メロディがちょっと丸まってしまうような感覚があるんです。その辺で、チェロアンサンブルアレンジで表現されていた攻撃性の部分が、少し弱くなっているんじゃないかななんて素人目から見て感じました。ただ、攻撃性の部分をワザと久石さんが丸くして、ゆったりとした曲にしたのかも知れないですけどね。ま、この辺は好みの問題となります。僕としては攻撃的な、迫力のある方が好きですね~

「Musee Imaginaire」の演奏が終わると指揮の金さんが指揮台から降り、観客に向かい一礼をしたり、コンサートマスターの崔さんと握手をされていました。そして金さんが舞台袖へ向かうと同時に、久石さんが舞台袖から逆にステージに出てこられました。金さんと久石さんがハイタッチして、ペンジョンファンドコンサートと同様に指揮者が交代となります。

007 Main Theme(映画「007シリーズ」より)
ペンジョンファンドと同じように「007」が演奏されました。久石さんは2004年夏から新日本フィルハーモニーポップスオーケストラの音楽監督をやられるそうで、久石さん自身のツアーとはまた別に各地を回って演奏されるそうです。もちろん、曲のアレンジは久石さんということらしいんですが、2004年の夏と言ったら宮崎駿監督の「ハウルの動く城」の公開がされる時期なので、さすがにポップスと言えどもそちらの曲もやられるのではないかなあと思います。

で、肝心の曲の方はと言えば… かなり元気なアレンジでノリノリです! でも個人的にはもっと驚く曲をアレンジして欲しかったなあ、なんて…(苦笑) 何か今回はちょっとレポートに毒が入ってますが、「敢えて」言っているだけなので…(汗) 例えばポップスオーケストラなのに北島三郎さんの『祭』なんかをポップスアレンジなんかしてやれば、もっと驚くと思うんですよ。「なぜ、久石さんが演歌の曲を!?」って感じで。演歌がポップスとして聴くことが出来れば、久石さんはすごいなあと改めて感じさせてくれるはずなんですが…(もちろん、やろうと思えば久石さんなら出来るはずだし。) 無茶なこと言ってるかな、僕は…(苦笑)

でも、本当に軽快な響きを醸し出してくれて、気持ちいい演奏でしたよ。ホールも良いし、演奏も素晴らしい。そんな「007」が終わると、ピアノの左側にはコンサートマスターの崔さんが、右側には主席チェロ奏者の方(すみません、お名前が分かりません…)が出てこられました。それぞれのソロパートがある曲が披露されます。

TWO OF US(映画「ふたり」より)
この曲はホント馴染みある曲となりました。以前、日本テレビの「バラ色の珍生」っていう島田紳助氏が司会をやっていた番組で、涙のご対面場面で使われていた曲で、元々は大林信彦監督の映画「ふたり」で使われていました。ちなみに大林監督と久石さんがデュエットして歌っている曲はこの「ふたり」です(タイトルは「草の想い」となってますが…)。

演奏の方は、オーケストラとピアノ、ヴァイオリン、チェロの掛け合いとなってきます。にしてもやっぱりコンサートマスター崔さんのヴァイオリンの音はすごすぎです。身体全体を使って音を表現しており、その音色も素晴らしかったです。チェロの方も綺麗な音色を響かせていました。

Kids Return(映画「Kids Return」より)
さあさあ、プログラム最後の曲です。この攻撃的なナンバーは、CD「SUPER ORCHESTRA NIGHT 2001」にライヴ音源として収録されていますが、是非とも生で聴いていただきたいと思います。生ではじめて聴く方にとってはたぶん衝撃的なものだろうと思いますから。あの弦のはじけるような音と、そこに突出する金管の響き。それが上手くバランスが取られているから不思議なんですよね。

そして、生で観る価値としては演奏をしている姿が観ることができるっていうのはウェイトが高いと思います。多少、音が張ってもちょっとステージに近いところで観ると、五感を使ってコンサートを楽しむことがよりでいるようになりますから、お勧めですよ。特にこの曲のラストは格好良く決まるので是非その目で見ていただきたいです。久石さんのしかめっ面をしながら、思い切りピアノの鍵盤を叩いて腕を一回転させるラスト部分。あるいはヴァイオリンなど「ジャン!」と音を鳴らし、同じタイミングでヴァイオリン奏者全員の右腕とその手に持たれた弓が同じようなフィニッシュの動きをするラスト部分。あるいはラストを決めるパーカッション奏者が奏でる音色とその動き。いろんな楽しみ方がありますよね。でも、やっぱり僕は久石さんの方を見入っちゃいます、なぜか(苦笑)。

最後の曲目が終了しました! 会場から止めどない拍手が流されます。久石さんが指揮の金さんやコンサートマスターの崔さんの顔に目をやり、にっこり笑顔を浮かべながら握手を交わされ、観客に対してはアリーナ形式のステージなので、いろんな方向にお辞儀をされてました。

それで、僕は今回渡さなかったんですが、コンサート前に花束の渡すタイミングの説明をちょっと聞いてまして、「プログラムが終了後に渡すように」との指示があったんです。プログラムの終了後と言えば、この「Kids Return」の後なんですが、久石さん、一旦舞台袖へ退場された後、すぐにステージ上に戻ってきて、パッとピアノに座ってしまったので花束を渡すタイミングが図れなかったようです。うーん、「プログラム終了後」とか「アンコール終了後」、「演目終了後」などなど、結局どこで渡せばいいのかよく分からないですよね(苦笑)。

Summer(映画「菊次郎の夏」より)
トヨタのカローラのCMで一躍有名になった曲ですね。もう久石ファンならず、他の多くのみなさんの耳にも馴染まれたメロディが流れてきます。

曲の冒頭は弦楽器のピチカート奏法により前奏が演奏されます。4分音符がスタッカート気味に弾かれるんですが、タイトルが「夏」っていうこともあって、非常にさわやかに感じます。そしてピアノと弦楽器との掛け合い。なかなか良い感じでした。

「Summer」の演奏が終わると、拍手とともに花束を手にしてステージの久石さんのところに向かわれる方が5~6名ほどいらっしゃいました。思い思いに花束を渡されていたんだろうと思います。そうそうトトロのハンドタオルを渡していた方もいらっしゃいました!(もちろん知っている方です。) 花束を受け取った久石さん、最後の方から頂いた花束をピアノの前に置いて、アンコール2曲目を披露します。

Madness(映画「紅の豚」&ソロアルバム「My Lost City」より)
絶対にコンサートでやらないことがない定番中の超定番の曲です。何度も同じ曲についてレポートを書いているので、表現もなかなか難しくなってきてますが(笑)、「紅の豚」でポルコ・ロッソの愛機サボイアS-21が河川から何とか飛翔していく場面が目に浮かんでくるようです。警察から追われての出発、水面すれすれでの飛行、愛機操縦の不慣れさ、そして幾多の障害物を回避し、やっと飛翔するサボイアS-21。そんな場面に非常にピッタリなアップテンポの曲です。宮崎監督が曲を気に入って、映画に使った理由が分かった気がします。ホントにシーンにピッタリな曲なんですもんね。

演奏が終わると、辺り一面から拍手の嵐。非常にすごい拍手です。前半の終了時の拍手もなかなかやまなかったんですが、最後もものすごかった。久石さんが方々に頭を下げられたりして観客に答えながら舞台袖に退場していったんですが、全然拍手がやまず、何度もステージと舞台袖を行き来する始末。スタンディングオベーションは起こりませんでしたが、熱気のこもった拍手が何分間も続きました。最後に終演のアナウンスが流されても拍手が続きます。みなさん、久石さんがもうちょっと何かやってくれるんじゃないかなと期待されていたのかも知れませんね。でも、ダメでした(苦笑)。

そういうわけで新潟公演は終了を迎えました。ただ、まともに帰るのはもったいないので毎度のことの出待ちです。通用口へ向かったら僕らと女子高生たちと合計で10人程度だったかな。やっぱり地方の出待ちは素晴らしいです(笑)。あまり人がいない!(爆) で、僕は久石さんにサインをもらったことがあったので、指揮者の金洪才さん狙いで頑張ってみました。金さんってあまり目立つ方ではないので見逃しやすいんです(爆)。至って普通のオジさんって感じなので、目を皿のようにして通用口を監視し(核爆)、何とか金さんを見逃さずにサインを頂くことが出来ました。

金さんの第一声が「僕で良いの?」でした。良いんです! 良いんでございます!!(爆) いやあ、嬉しかったです。僕と金さんって特に後ろ姿が似ているらしくって(僕は実のところ、自分の後ろ姿を見たことがないのでよく分からないんですが…)、その話を金さんに話したら「へぇ~ そうなの~」って感じで… ま、そんなこと金さんに話しても何ともならないんですが…(笑) その脇で女子高生が「キャー」って…(爆) 金さんを見て驚きすぎ!(爆) 僕とのやりとりの後、金さんはタクシーに乗り込んで待機。

その後、みなさんお目当ての久石さんが登場。女子高生がキャーキャー言いながら握手をしたりしていたようですね。サインをもらう紙が無くて、仕方なくチケットにもらっていたようですけど…(苦笑) まあ、女子高生だからパンフレット買うお金が無いだろうしなあ… あとみなさんサインをもらったり、握手をしたり写真を撮ってもらったり…

久石さんは一通りサインなどにこなされた後、ハイヤーに乗って新潟駅へ向かいました。その間、指揮の金さんはタクシーの中で待機しっぱなし(爆)。その後の話だと、新潟から新幹線に乗って指揮の金さんと新日本フィルのメンバーと祝杯を車中で挙げていたのだとか。目撃情報も頂いておりますし(笑)、オフィシャルホームページのレポートにも書かれてましたね。

そんなこんなで新潟公演での内容は以上です。

アップ 2003.8.24 21:55

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