いちいち納得しちゃう

 ようやく久石さんと養老さんの対談本を読み終えました。コンサートの時、発売前なのに特別販売されたときにサントリーホールで買ったヤツなんですけどね。でも読めば2日で読めるもんですね(苦笑)

  養老さんがいろんな分野に渡って豊富な知識を持っているのはもちろんのこと、聞き手(というより「質問者」という方が正しいかな?)の久石さんもいろいろと博識で、無知のボクには「ほぇ~ すげぇなぁ」という感じです。

 それぞれの話には、いちいち納得しちゃいました。印象に残っているのは、『物事についていろいろ調査をして、内容をそぎ落とし、パターン認識して言葉にしていくのを「情報化」であって、これが時間が掛かって非常に大変。これに対してあの人はこう言って、この人はああ言っているとかを上手に整理してまとめるのが「情報処理」。ものを書く、つくるとは情報化をすること。「情報化の作業」と「情報処理の作業」は全く違う』(原文から結構意訳してます…)という話。耳が痛いお言葉でした。最近、ブログに書き込めなくなったのも、無意識的にこの辺を意識してたのかも…(ホントか? 笑) 

 他にも「生物の基本は螺旋活動」ってのも面白かったですね。一方から観ると円運動の繰り返しなんだけど、時間軸を考慮すると、同じ活動の繰り返しでもずれていき、その積み重ねて変化していくっていうのはなるほどと思いました。

 そうそう、この本の中で『麻酔科の教授に「麻酔を打つとなぜ意識が無くなるんですか?」って聞いたらとたんに教授の機嫌が悪くなった』っていうエピソードは個人的にすごく興味深かったですね。「意識」って科学的な定義が無いって初めて知りました。

 ズーッと疑問を持っていて、人間っていう有機体の集まり、いわゆる物体に何で「意識」って存在しているのかなあって。「意識」って個人個人感じ方は違うでしょうけど、ボクの中では後頭部から異次元空間みたいなものが広がっていて、そこで物事を想像したり考えたりしている感覚があるんですけど、何でそんなことを「物体」が出来ているのかなあ、と不思議に思っていたんです。「大脳にそういった”意識”という役割がある」ってのが分かっているくらいに過ぎないみたいですけど、そんな役に立たなそうなことを考えたり、想像するのって面白くありません?(この話は「耳で考える」では触れられていないですけども…苦笑)

 …って、まあ、ここまで”情報処理”をしているに過ぎないんで(苦笑)、とにかく結構面白い本だったので気になる方は本屋でも図書館でも、手にとって読んでみてくださいませ。

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