私は貝になりたい


 ということで、「私は貝になりたい」を観てきました。

 良かったと思います。フランキー永井版と所ジョージ版があって、僕はテレビで放映された所ジョージ版を確か2度ほど観ていたはずなんですがすっかり忘れていて(苦笑)、ジーンとくるものがありました。って、ちょっと言葉が軽いんですが…(苦笑) 個人的には石坂浩二演じる「矢野中将」が好きでした。内容を言わないとさっぱり伝わらないでしょうが、こういう生き方は憧れるけどできないなぁという登場人物でした。

 中居正広と仲間由紀恵がメインキャストでしたが、どちらも普通だったかなぁ。特に目を引いたシーンは頭に残ってないし、普通にこなしていた感じを受けます。終盤の中居くんの表情も、苦労して演技しているのは分かる気がするんですけど、なんだか「SMAPの中居」ってのが若干滲み出ているのかなぁ。

 で、映画のラストは… ご存じの方も多いと思うんですが、この映画自体のラストも非常にショッキングに終わっていて、賛否両論が出てきそうなラストだなあと感じました。具体的なことはこのあとの「続き」に書いておきますが、「もう二度と見たくない」と言っている人が出ているらしいので、そのくらい印象的だったんですけど、画で見せることで戦争の凄惨さを表現しているのかなと思いました。でも逆になんだか最後のショッキング映像で映画の何かをすべて持って行ってしまったような感じにも受け取れて、うーん。自分でも分からなくなってきた…(汗)

 そんなもんだから、映画が終わって出ていくお客さんがみんな静まり返って退室しているんです。いわゆる「どよーん」とした空気が残っている感じで…(苦笑) それくらいインパクトが強かったかな。

 なんか文句ばっかり言っているような感じもしないでもないんですが(汗)、ずいぶんとジーンときたところもあって、何箇所か目頭が熱くなる場面もありましたし、やっぱり戦争映画が基本なので、こういうことが日本で過去に起こっていたんだなということを再認識するための映画だと考えれば、ラストの場面は置いておいたとしても、バランスが良い作品だったのかなと思います。

オーナーのお薦め度
 私は貝になりたい ★★★★★☆ 星5つ
(音楽は久石さんですが、主題歌はミスチルの「花の匂い」。今までの久石さんからすると、あまりやりたがらないスタイルなんですが、本編を観たところ、エンドロールの頭は久石さんの曲が短めに流れて、終わったら「花の匂い」に移る形になっていて、エンドロールの頭にミスチルじゃなかったのがある意味驚きでした。おそらくすったもんだあったんじゃないかと推測してます(苦笑)。そうそう、サントラの方はやけに荘厳な音楽が多かったんでどうかなと思ったんですが、映画の中になるとすごくマッチしていて自然に溶け込んでいました。)

 …ということで、「絞首刑」の場面が引きの画で撮られていて、足もとの床が外されて身体が落ち、首が絞められ、しかも身体全体が痙攣するところまで表現されていたので、このシーンに結構なショックを受けた人もいたんじゃないかと思います。

 あまり絶命するところを映像化されるのはあまり観たことなかったので、いろいろ賛否両論出ているんじゃないかと… チェックはしてないけど。

 このシーンを入れることで、戦争の悲惨さや理不尽さなどが表現されるだろうし、当時、一個人であっても何かをきっかけにどん底に陥ることを端的に示してくれるんだろうけど、あんまりにもショックが大きすぎて、映画のラストにペンキをあたり一面にドバッとかけてしまう可能性も否定できません。

 人の死を表現すると、そういった部分も出てくると思うんですけど、そういった「死」に目を背けてはいけないのかも知れないですよね。

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