「おまえ」と「そなた」

長いこと久石さんやらすぎやま先生のファンをやっているんですが、元々「映画」だったり、「ゲーム」という元々の作品があるものが好きだっていうことがあって、なんというか「オリジナル」を尊重すべきだろうという考えがボクの中にあります。いわゆる「懐古厨」(死語だな、これ)と言われても仕方ないかも…(苦笑)

ただ、もちろん作詞者・作曲者がそもそも変更を加えるっていうこともあるわけで。最近だと『魔女の宅急便』の「海の見える街」が、ソロアルバム『Melodyphony』でメロディがちょっと変更になっていたり(ソロアルバム『Symphonic Suite “Kiki’s Delivery Service』では元に戻っているようですが…)、ソロアルバム『Piano Stories II ~The Wind of Life~』の「The Wind of Life」が、2000年のコンサートの時にサビ部分の和音が変わっていたり。

作曲者ご本人が変えているのだから全く問題ないんですけど、「オリジナル」を尊重しちゃうからこそ、『どういう意図があって変更したのかな?』って気になっちゃうんですよね。

で、もう一つ、変わっていると言えば、『もののけ姫』。『もののけ姫イメージアルバム』では久石さんの愛娘である麻衣さんが歌ってます。今、聞き返すと、麻衣さんが癖(…失礼!)のない歌い方をしていてすごく新鮮ですね。

何が変わっているのかというと、曲ではなく「歌詞」の方。実は「もののけ姫」の歌詞、「イメージアルバム」と米良美一さんの歌う「オリジナルサウンドトラック」で変わっているんです。それは、「おまえ」と「そなた」が入れ替わっていること。

変わった経緯が実は、DVD『「もののけ姫」はこうして生まれた。』で収録されていて、米良さんが「もののけ姫」が誰の立場で歌えば良いのか分からなくて悩んでいたのを、作詞をした宮崎駿監督が「アシタカの、サンの気持ちを歌っている歌詞だから、”つぶやくように”って言ったのは、心の中の声だから」って説明したところ、米良さんの歌唱がガラッと変わったのが印象的だったんですが、その時に集まっていた作詞の宮崎監督と、作曲の久石さんがいる場で、子音の関係で「そなた」と「おまえ」を入れ替えた方がよいと、歌をうたう米良さんからの申し出により変わった場面がDVDで観ることできます。

変わった経緯が分かるなんてあまりないから、こういったドキュメンタリーは大変好きで、ボクなんかは「『もののけ姫』はこうして生まれた。」は映画公開直後にビデオで3本セットで1万円で売っていたのを買って鑑賞して、その後DVDで買い直してます(笑)。DVDは安くなっていて助かりました。

ひとの考え方とか性質によるんでしょうが、ボクはこういった「変わった経緯」を目の当たりにするのが大好物です(苦笑)。

(上の画像はアマゾンリンクでございます。)

… 「『もののけ姫』はこうして生まれた。」 を久しぶりに再生したら、やっぱり観てしまいますね。ものすごく楽しい。ジブリが好きな方は是非観てください。油の乗った宮崎駿監督の勢い、さらに「もののけ姫」のあの当時の勢いも感じられて大好きです。その上、アフレコの場面もすごく面白い。大好きな「もののけ姫」のドキュメンタリーが記録として残されたのは非常に貴重だと思います。本当に素晴らしい。

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