〔備忘録〕JOE HISAISHI ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA SPECIAL TOUR 2025/ORCHESTRA CONCERT(2025.7.25)

※注意
○このライブレポート(備忘録)は記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施している可能性がありますので、完全なライブレポートではないことをご了解下さい。
〇音楽的な知識はあまりありませんので、誤ったことを言っていることがあります。その辺は気を付けながら(?)お読みください。
○もし間違いを見つけたり、補記できる項目があれば、コメント欄で書いてもらえると嬉しいです。
日時2025年7月25日(金) 開場:18:15/開演:19:00
会場東京・サントリーホール
チケットS席 20,000円(税込)
A席 18,000円(税込)
B席 16,000円(税込)
C席 13,000円(税込)
D席 10,000円(税込)
出演者指揮:久石譲
管弦楽:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ハープ :エマニュエル・セイソン
その他企画:ワンダーシティ
主催:日本テレビ/エイベックス・クラシックス
制作:エイベックス・クラシックス
運営:サンライズプロモーション東京

曲目

1.久石 譲 : Metaphysica(交響曲第3番)

   I. existence
   II. where are we going?
   III. substance

― Intermission -

2.久石 譲 : Harp Concerto

   Movement 1
   Movement 2
   Movement 3

3.久石 譲 : Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra
      映画「君たちはどう生きるか」より

【ENCORE】

久石 譲:One Summer’s Day (for Piano and Harp) (映画「千と千尋の神隠し」より)…22日、24日公演
ドビュッシー:月の光…21日、25日公演

久石 譲:Merry-Go-Round (映画「ハウルの動く城」より)

TOUR SCHEDULE

日付地域ホール名
2025年7月21日(月)韓国ロッテコンサートホール
2025年7月22日(火)韓国ロッテコンサートホール
2025年7月24日(木)東京サントリーホール
2025年7月25日(金)東京サントリーホール

2週間に7公演!?

この前の週は東京ドームで3公演をこなし、今週はまず韓国で演奏をしたうえで、東京に戻ってきての4公演。久石さん、ピアノの演奏も多く、本当にタフな2週間だったろうと思います。(実際のところは、右肩を痛められてたそうで、終演後、ちょっと出待ちを試みたんですが、右肩をアイシングされていて、大変だったんだろうなあ、と垣間見えました。)

実はボクもこの公演前の土日は仕事が入っていて、さらに日曜日は長時間勤務をしており、実はもうヘロヘロでした(苦笑)。とはいえ、久石さんと同じ状況というのはちょっと恐れ多いですが、実は不安だったんです。クラシック色の強い曲は少し苦手で…(汗) 不安は…まあ、的中することになるんですが…(苦笑)

入場

この公演を聴く前にオフ会があって、いろいろお話はしたんですけど、やっぱり話題の中心は「東京ドーム公演」になりますよね。開場前までいろんな話をして、いよいよサントリーホールへ入場となりました。

今回はS席なんですが2階席。下の写真のような雰囲気でした。肉眼ですともうちょっと大きめに見えます。ステージからはそこそこ離れておりますが、サントリーホールは音響が抜群なので、音はまったく問題なかったです。

この日はステージ上にロイヤル・フィルの皆さんがすでにほとんど座っていらっしゃって、ステージの上でチューニングしたり、軽く練習されたりしてました。こういう、事前にほ多くの演奏者がステージにいるパターンってこれまであまり見かけなかったんですが、配信などを行うからなのか、ステージ配置上の問題なのか分かりませんが、ちょっと珍しいなあと思いながら眺めていました。

定刻を少し過ぎて、照明がステージのみとなり、「いよいよだな」という雰囲気になったとき、ロイヤル・フィルのコンサートマスター、ダンカン・リデルさんが入場し、チューニングが始まりました。東京ドーム公演の時にも気になっていたんですが、最初にコンマスが音を出してチューニングして、弦楽器の皆さんが音合わせをし、ひと段落した後、オーボエの方が音出しをして木管・金管楽器の方が音合わせをするという流れでした。国内のオーケストラは、コンマスの合図で最初にオーボエに音を出してもらって、バイオリンが音を同じ音に合わせていくスタイルだったので、海外はちょっとやり方が違うのかな、なんて思いながら聴いてました。

チューニングが終わると久石譲さんが入場してきました。もちろん盛大な拍手が送られたのは言わずもがなですが。

Metaphysica

ということで、新日本フィルハーモニー交響楽団の創立50周年のために委嘱された作品「Metaphysica(交響曲第3番)」で、2021年9月に初演された曲で、ボク自身、おそらく初の生鑑賞だったのではと思います。(違ったかな?)

…が、かなり現代音楽寄りで、ミニマル・ミュージックなんでしょうけれど、とにかく難解で、拍子も久石さんが何拍子を振っているのか、さっぱり分からないところもあって… 体力が消耗していたボクにとっては、あらかじめコーヒーがぶ飲みをしていったんですが、大変な眠気に襲われました…(苦笑)

全体で約30分強の演奏でしょうか。各楽章にはタイトルがあり、和訳すると第一楽章「existence」は『存在』、第二楽章「where are we going?」は『私たちはどこへ向かうのか?』、第三楽章「substance」は『実体』と、すごく難しそうな印象が…(苦笑)

久石さんのパンフレットのコメントには「構成はマーラーの交響曲第1番とほぼ同じであり、それと一緒に演奏することを想定して書いた」と書いていて、2023年9月に開催された新日本フィルの定期演奏会で演奏された「Adagio for 2 Harps and Strings」と「マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調」を思い出しました。思い出しておいてなんなんですが、その時のコンサートは地元で線状降水帯の直撃を受けてしまって、直前で行くのをキャンセルしコンサートに行けなかったんだったなあ…なんてことを後から振り返りました。

…なんて、まったく楽曲のお話をしないまま…(苦笑)

Harp Concerto

休憩を挟んでの後半。指揮台の左脇、木製の敷板の上に金色に輝くハープが設置されていました。

この「Harp Concerto」はパンフレットにも記載があるとおり、ロサンゼルス・フィルハーモニック(LAフィル)とボルドー国立オペラ、フィルハーモニー・ド・パリ、シンガポール交響楽団の共同委嘱された曲で、LAフィルに在籍するハープ奏者のエマニュエル・セイソンさんが演奏する前提での依頼ということで、まさに今日演奏されるエマニュエル・セイソンさんのために書かれた曲です。

エマニュエル・セイソンさんは、まず男性の方であることに驚きました。身体を鍛えられており、背も高くてがっちりとした体格の方でした。ハープ奏者は女性がされているイメージを持っていたんですが、先日、ハープ王子さんの演奏を鑑賞したこともあって、男性でも弾く方はいるよなあとは思ってましたけど。

全体的な印象としては、ハープの音量が圧倒的だったという印象が強く残りました。もちろん、主役がハープなので、ハープの音が聞こえるような編曲がされていると思うんですが、第1楽章、第3楽章なんかは結構金管楽器などもかなり使われていて、ハープの音が消えてしまいそうな気もしますが、それでもハープの力強い音色がしっかり響いていました。この曲を弾きこなすのは、エマニュエルさんしか弾きこなせないのではと思うほどでした。

そうそう。事前に3楽章構成だということを確認し忘れていて、1楽章が終わったタイミングで拍手をしてしまいました…(汗) 大変失礼しました。

第2楽章では、コンサートマスターのバイオリンとハープの掛け合いの場面もありました。ハープの力強い演奏に挟まれ、2楽章は少し優しい雰囲気のメロディだったように感じました。ハープのエマニュエルさんは、時折手に何かを持ちながらハープの音色を変えていたりもしていたし、さまざまな音色を聴かせてくれていたのではないかと思います。そして、久石さんともコンタクトを取りながら終始、パワフルな演奏を披露していただきました。演奏終了後、スタンディングオベーションを送っていた観客の方もいらっしゃったようですね。

楽曲終了後、久石さんとエマニュエルさんが何度かステージと舞台下手を何往復かしていましたが、拍手がなかなか鳴りやまず、最後はエマニュエルさんおひとりが出てきてカーテンコールを受けてらっしゃいました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 

舞台転換のために、小休憩に入りましたが、ステージ左奥にずっと佇んでいたピアノがようやく登場します。いや、右手にもピアノが配置されていて、そちらはロイヤル・フィルの方が演奏するものですが、左奥のピアノは久石さんが演奏するであろうピアノです。客席に背を向ける形になりますが、ピアノが配置される、完全に“弾き振り”スタイルの配置になっていました。オーケストラ演奏でこのスタイルを見るのは、初めてだったかもしれません。

ステージ転換でもう一つすごく気になったのは、先ほどまでエマニュエルさんが演奏していたハープ。スタッフの方が抱えて舞台下手へ運ぼうとしていて「えっ!?」と少し驚いてしまいました。落としたらどうするの、と思っちゃって…(苦笑) すぐに移動用の台車が運ばれてきて、事なきを得ましたが、勝手に肝を冷やしていました(笑)。

そうそう。もう一つ、あまり関係ないところですが、弦楽器、バイオリンを演奏する皆さんの椅子に、人によって前傾姿勢にさせるように椅子の脚に木片のようなものをかまして、前傾にしている方がいらっしゃいました。全くやっていない方もいれば、やっている方もいてそれぞれバラバラ。前傾の方が弾きやすいという方もいるんでしょうね。今回、配置変更になったときに若干かましている木片の位置が変わっていて、奏者の方が「ん? 木はいらないなあ」なんて木片を移動させたりしていて、2階席から演奏とは関係ないことを人間観察的に眺めていました(笑)。

交響組曲「君たちはどう生きるか」

この曲では、ロイヤル・フィルのメンバーは厳選された編成となっていて、やや小編成のオーケストラになってました。

4月にインスタグラムなどで何らかの曲を収録している写真が出ていたんですが、何を収録しているんだろう、なんて話題がファンの間でささやかれていたんですが、Metaphysicaとともにレコーディングしたそうで、早いリリースを心待ちにしているところではあります。

先週、ジブリフィルムコンサートが開催されたばかりで、「Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra」で名実ともに“完結”ということになるだろうなあと思い、久石譲ファンであり、宮﨑駿ファンであるボクにとって大注目の交響組曲でした。

久石さんが背を向けて、ピアノに向き合い、ひと呼吸おかれたでしょうか。「Ask me why」の出だし、ピアノの和音から組曲がスタートしました。

間違えているかもしれませんが、見返し配信で確認したところ、曲順は「Ask me why(疎開)」⇒「青サギ III青サギの呪い?)」⇒「ワナ」⇒「ワラワラ」⇒「火の雨」⇒「祈りのうた (産屋)」⇒「大王の行進」⇒「大崩壊」⇒「Ask me why」だったかな? 間違いがあったらコメント欄などで教えてください。

もう細かくは覚えていないですが、「ワラワラ」では鳴き声を金管楽器のマウスピースだけで鳴き声を表現していて聴きながらちょっとほっこりしてました。「祈りのうた」は、久石さんのピアノ、コンマスと第2バイオリン首席の方とのトリオで演奏をしている場面もありましたっけね。

そうそう。出待ちの時に久石さんがおっしゃっていましたけど、久石さん、右肩を痛めていらっしゃって、「Ask me why」の時に楽譜がうまくめくれずちょっと遅れちゃったよ」という感じのことをおっしゃってました。確かに譜めくりがぎりぎりになっていたような感じが現地の記憶でも残ってます。

音楽自体は基本的には映画の流れどおりに進んでいって、コンサートでは15分くらいの演奏時間だったんですが、ボク個人的には現地でも、正直少し曲が短いな、と感じてました。すごく良かったし「Ask me why」のピアノを久石さんの演奏で聴けたのも良かったんですが、東京ドームで「Ask me why」の感動を覚えてしまったので、この日の公演では気持ちの高ぶりは控えめで、少し落ち着いて聴けていました。そんなことを言いつつ、それでも収録音源の早いリリースを楽しみにしています。

『交響組曲「君たちはどう生きるか」』が終わると盛大な拍手が久石さんをはじめ演奏者の皆さんに送られます。一度舞台袖に戻られ、ステージに再登場し、奏者の皆さんを客席にご紹介などをされ、舞台袖に戻られていきます。すると舞台袖から再びあの黄金のハープが再登場してきました。今度はピアノの右脇にセッティングされて。

アンコール

実は、前日のコンサート関連のツイートを目にしてしまって、アンコール情報を見てしまっていたんですが、皆さん、最後のアンコール曲ばかりツイートされていたようで、あまり1曲目のアンコールは目に入っておりませんでした(笑)。

1曲目に、ハープがやってきて、それとともに久石さんとともにエマニュエル・セイソンさんがステージにやってきたわけですが、「何をやるのだろう?」と思っていたら、『One Summer’s Day(あの夏へ)」が、久石さんのピアノと、エマニュエル・セイソンさんのハープによるデュオ演奏で披露されました。

2022年のWDO公演でもアンコールでピアノとバンドネオンで演奏されていて、とても盛り上がる曲のひとつだと思います。ピアノがメロディを弾いたり、ハープがメロディを弾いたりと交互にメインを交代し、演奏される『One Summer’s Day」はやっぱり素晴らしかったですね。ややハープのメロディが聴きづらい場面もありましたが、こういった二人の掛け合いってなかなか見られないので良かったと思います!

続けてアンコールをされるのかなと思ったら、ハープの撤去をされ、小編成だったため席を外していたロイヤル・フィルのメンバーが戻ってきて全員、着席されました!

またピアノの前に座って久石さんがピアノを弾き始めました。「Merry-Go-Round(人生のメリーゴーランド)」です。

東京ドーム公演の時にも言ったんですけど、この『ハウルの動く城』の雰囲気がすごくロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団にとても雰囲気が合っていて、演奏も非常に優雅でした。何が違うのかは全く分からないんですが、やっぱりヨーロッパを舞台にしているから、ヨーロッパの方々の演奏が合うんでしょうか。

久石さん、ピアノタッチに多少ミスはあったものの、その場で立ち上がって楽しそうに指揮をされている久石さんを観ることができて良かったです。

曲が終わって、客席から「ブラボー」の声と、ほとんどの方がスタンディングオベーションをされていたと思います。ステージ反対側の席の人たちもスタンディングだったので、久石さんとロイヤル・フィルの皆さん、ステージ逆側の客席の方にも身体を向けて一礼されてました。

たぶん、盛り上がりとしては24日(木)の公演の方が盛り上がってたようです。ずーっとスタンディングオベーションが続いていたようだったので。結構初めていらっしゃったお客さんが多かったのかな? 久石さん、ステージに戻ってきてくれましたが、皆さん座ってしまって、立っている方がほとんどおらず(苦笑)。代わりに盛大な拍手が送られていました。

…そんな感じのコンサートとなりました。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の皆さんは、日本、アジアでの公演はこれで最後になるのかなと思うので、一部の奏者の皆さんが記念にステージ上で写真を撮っていらっしゃいました。微笑ましい光景でした!

あとがき

夏の公演は、あとは日本センチュリー交響楽団の「祈りのうた2025」を残すのみとなりました。楽しい時間は、本当にあっという間に過ぎていきますね。コンサートレポートが続いてしまい、文章のクオリティは正直イマイチかもしれません。少しでも雰囲気が伝わればうれしいな、なんて思っております。本来の目的は自分の備忘録ではあるんですが…(苦笑)

また、8月・10月にも公演が控えています。今回、久石さんは右肩を痛めていらっしゃったようで、終演後には、右肩をアイシングされていましたので、久石さんには、短い時間でもしっかり休んで英気を養い、8月・10月の公演に臨んでいただければと、心から願っています。

2025.07.27 21:40 掲載
2025.07.27 22:00 画像追加
(※画像はパンフの画像を追加しましたが怒られたら消します…)

関連ツイート

コンサートパンフレットより

配布チラシ

備忘録的写真集

ショー@オーナー
  • ショー@オーナー

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