東京家族

ストーリー
 瀬戸内海の小島から東京に出てきた子供たちに会うために東京に出てきた両親たち。子供たちはそれぞれの都合や思いを抱えながらも両親を迎え入れるが…  …って、これ以上書いちゃうとネタバレになっちゃう。ただ、ネタバレしてもそんなに影響しない作品だとは思いますが。

映画館の様子
 封切り日の夜の回だったんですが、満員ではなくそれなりに入っていた印象。年配の方が多かったかな。

印象
 序盤の家族の演技がなんかわざとらしく感じてしまい、正直、「?」って感じでした。でも、わざとらしいというか東京の家族は「無機質」っていう感じを出していたのかなと振り返ってみてます。無機質っていうか、事務的になっちゃったりするのかなぁ。おそらく、自分の家族、肉親でさえ、日々の仕事に忙殺されちゃうとそうなってしまう現代ってのを映しているのでしょうか。  

原作との比較
 原作というか、元々、小津安二郎監督の「東京物語」っていう作品のオマージュということです。小津監督の作品は一つも観たことがないので、いずれ観てみたいなと思ってます。

俳優陣の演技
 先ほども書いたように序盤の演技が全体的にわざとらしく感じてしまってました。特に、これは個人的な先入観の問題なんですが、西村雅彦さんの役が町医者なんですが、これまでの演じられた役のせいでどうしてもうさんくさく感じてしまって…(苦笑) 決して西村さんの演技が悪かった訳じゃなく、ボクの受け取り方の問題なんですが(汗)。
 でも、先にも書いたように序盤はどうも表面的に繕っているような感じに思わせる演技をさせていたのかなとちょっと感じました。後半は、東京に出てきた両親が宿無しになってしまうんですが、そのあたりから表面的な感じではなくて、気持ちが画に出てきてるような感じに写りました。たぶん、これが山田洋次監督の計算なのかなという感じがします。
 
音楽
 パンフにもかいてあったんですが、今回の映画の音楽はものすごく少なく、ふと気づいたら音楽が鳴っているなという感じでした。山田洋次監督から「空気のように、劇を邪魔しないものを」との注文があったそうです。確かに基本的には役者さんの演技を見せる映画なので、音楽をつけるのが難しかったんだろうなあと素直に思いました。そのため久石さんには珍しく、ものすごく引いた音楽になってます。
 
 
 この映画、東日本大震災を受けて、クランクインを1年伸ばしたそうです。監督いわく震災後の東京を、或いはこの国を描くためとのこと。確かにこの東京家族は、「東京」というより、今の現代日本の家族像をとらえたような作品であるような気がします。
 そこで、昨日の日記にも少し触れましたが「生き死に」の部分が出てくる。正直、そういう展開があるだろうなとあらかじめ思ってはいたんですが、大事にしたいけど煩わしさもある部分の葛藤というかなんというか、でも家族が居なくなってしまった時に改めてありがたみを感じるような。
 あまり自分の中で消化できてなくてうまく説明できませんけどね。すごくインパクトのある作品でもないけど、ちょっと笑いもあり、ちょっとほろりとさせられた映画でした。
 

〔オーナーのお薦め度〕
東京家族 ★★★★★☆ 星5つ
(自分の中ではすごく評価が高いわけでは無いんですが、なんかいろいろと考えてしまいました。タイミングもあったんだと思います。小津監督の映画を観たこと無いので、そのうち観ておきたいなと感じた作品でした。)

〔オーナーの評価点〕
東京家族 64点(100点満点中)

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