第23回ファミリークラシックコンサート ドラゴンクエストの世界
…ということで、8月5日(水)に東京芸術劇場で開催された本邦初演である”交響組曲「ドラゴンクエストIX」星空の守り人”を聴いてきたので、簡単にレポートとしておこうと思います。
日時 平成21年(2009年)8月5日(水) 午後5時開場 午後6時開演
開場 池袋 東京芸術劇場大ホール
指揮とお話 すぎやまこういち
演奏 東京都交響楽団
ソロコンサートマスター 矢部達哉
主催 スギヤマ工房
協賛 スクウェアエニックス、キングレコード
構成
《第一部》
・序曲IX Overture IX
・天の祈り Angelic Land
・宿命~悲壮なるプロローグ Destiny ~ Prologue to Tragedy
・王宮のオーボエ Oboe Melody in the Castle
・来たれわが街へ~夢見るわが街~酒場のポルカ~来たれわが街へ Beckoning ~ Dream Vision of our Town ~ Tavern Polka ~ Beckoning
・野を越え山を越え~仲間とともに~箱舟に乗って~野を越え山を越え Hills and Meadows ~ Together in the Fields ~ Soaring in the Sky ~ Hills Meadows
・陽だまりの村~村の夕べ Village Bathed in Light ~ Village in Darkness
・負けるものか~渦巻く欲望 Build-up to Victory ~ Confused Ambitions
休憩 Intermission
《第二部》
・暗闇の魔窟~洞窟のワルツ~そびえ立つ死の気配 Gloomy Cavern ~ Dungeon Waltz ~ Atmosphere of Death
・集え、者たち~祈りの詩~せつなき思い Gathering Place ~Altar of Change ~ Sadness of the Heart
・サンディのテーマ~サンディの泪~サンディのテーマ Sandy’s Theme ~ Sandy’s Tears ~ Sandy’s Theme
・運命に導かれ~主なき神殿 Pathway to Good Fortune ~ Cathedral of Emptiness
・決戦の時 Final Battle
・星空へ~星空の守り人 Journey to the Star-Filled Skies ~ Defender of the Star-Filled Skies
《アンコール》
・海図を広げて(IV) Sea Breeze
・そして伝説へ…(III) Into the Legend
とはいえ、ドラクエIXはとりあえず購入したものの、自分ではまだちゃんとプレーをしたことがないため、音楽にしっかり入っていけるか若干不安でしたが、結果的には… やっぱりちょっと微妙になってしまいました(苦笑)。
まずビックリしたのが、ホワイエでほとんどの人がNintendo DSを手にすれ違い通信を楽しんでいたこと。ボクはプレーしてないのでもちろん(?)持ってきてなかったんですが、圧巻でした。スタッフの方たちは嬉しかったでしょうね。結構、レアな宝の地図をゲットした人が多かったようですね。
で、早速演奏についてかいつまんで感想を。
「序曲IX」は、ご存じの通りDSに変わったことに合わせてイントロが新しくなりました。変拍子だったのでどんな指揮をされるのかなというのを注目しようと思っていたんですが、ちょっと舞い上がっていたようで記憶が飛んじゃってます(苦笑)。やっぱり金管をメインとしたイントロダクション、なかなか良かったです。ただちょっとだけトランペットの方だったか、ミスってたような記憶も…(苦笑)
「天の祈り」は、IXの中で人気のあった曲の中のひとつですけど、オーボエとフルートの掛け合いから始まる静かなメロディはすごくきれいでした。この曲は天使界で流れる曲だったかな。
「王宮のオーボエ」ですが、今まで「王宮の…」シリーズで言うと、トランペット、ホルンと来ていたんですが、今度はオーボエでした。今回のIXではこのオーボエが多用されていたように感じました。IXのイメージが確かにオーボエと一致するんでしょうね。なんか「天使」っぽい無邪気な音色ですもんね。この曲ではソロでオーボエが活躍してました。オーボエ協奏曲みたいな感じ。
第一部で一番盛り上がったのは「酒場のポルカ」でしょうね。途中で手拍子がされるんですが、それとパーカッションの方たちとともに、すぎやまさん曰く「手が空いていて「やるッ!」と言ってくれた金管楽器」の皆さんが立ち上がって笑顔で手拍子をしていたのが微笑ましかった。結構リズムが早いので難しそうなんですけど、やっぱりそこはプロなんでしょう。金管の皆さんもきれいなリズムを刻んでくれてました。そうそう、「野を越え山を越え」の曲の締めには… あれ、ど忘れしちゃったな。冒険の書を記録するセーブの曲だったかな…(誰か補足よろしく!)…が織り込まれてました。なかなか憎い演出です。
「負けるものか」は通常の戦闘の際の曲ですが、事前に動画サイトでオケアレンジされているものを聴いていたせいもあってか、あまり意外性が無いように感じちゃって(汗)、普通に聞き流してしまいました…(汗) その後に続く「渦巻く欲望」は、すぎやまさんの指揮がものすごく印象に残ってます。出だしの8分音符で徐々に「ジャジャジャジャジャ…」って音程が上がっていくところを、1音ずつ両手で拍を取っていて、ちょっとビックリ。
そんなところで第一部は終了しました。第一部が終わって「来たれわが街へ」と「陽だまりの村」の音楽を全く混同していたことに気づきました…(汗) 「来たれわが街へ」のアレンジだと思ってました。全然違ったんですね(汗)。
そうそう、すぎやま先生は、曲間でクリエイターの堀井雄二さんに対して拍手を求められていましたね。すばらしいゲームを作ってくれた堀井さんにって。会場からも割れんばかりの拍手が送られていました。それと、コンサート中はすれ違い通信はしないでねって話をされてました。
第二部は、「暗闇の魔窟」から。この辺から、全くゲームを遊んでいなかった影響もあって、良く分からない曲が続きます(苦笑)。洞窟とかに入ってないし…(汗)
「集え、者たち」はダーマ神殿の曲ですね。序曲のストリングスアレンジってことで、原型はマティアス・ムジクム・カルテットの弦楽四重奏によるドラゴンクエストに収録されているやつが元になってます。こうしてナンバリングタイトルで曲が使われるのもなかなか良いものです。これは流用とかそういうものじゃないですね。
後半になるとホント覚えてない… けど、この曲は忘れる訳もなく。「サンディーのテーマ」。今までのドラクエのタイトルで「○○のテーマ」なんて、序曲くらいしか聴いた試しが無いような… あ、いろいろあった…(苦笑) 「戦闘のテーマ(III)」「さすらいのテーマ(VI)」「王宮のテーマ(III)」…(苦笑)
この曲が大迫力で演奏されるのはビックリですね。明るい曲調がオーケストラによってさらに力強さが加わって、思わず微笑んでしまうくらい。この曲は、やられたなぁ~って感じがしましたね。
「決戦の時」は、英語題だとその名の通り「Final Battle」。今作のテーマとも言える「天の祈り」の曲をモチーフに、序曲のメロディを取り入れながら、ハイテンポで曲が繰り広げられていきます。ただ、思ったほど金管が強く出ているわけでもなく、ドラムスにアレンジが入るかなあと思っていたんですけどそんなに入ってないみたいで、個人的にはもうちょっと力強さが欲しかったかなあと。でも、曲のラスト、静かに曲が終わるところはきれいだったなあと思います。オーケストラアレンジでは、やっぱり曲の締めとか、曲と曲のつなぎ目とかがどんな感じになるのかなあと思って聴くのもひとつの楽しみですよね。
コンサートの最後の曲目を飾る「星空へ~星空の守り人」は、特に「星空の守り人」の出だしのところが力強さと、ストリングスがその裏で速いパッセージを弾くところが目を引きますね。
最後の曲目が終わって会場から大きな拍手が送られ、そのままアンコールへ。
アンコールは… すぎやまさん曰く「みんなが予想していた曲」ということで、「海図を広げて(IV)」がまず演奏されました。IXの船の曲がこの壮大な曲でしたからね。なぜ流用されたのか分かりませんけど、個人的には最初、アクションRPGとして作っていたことから、そもそも船に乗らないゲームにするつもりだったんじゃないかなと勝手に思ってます。真偽のほどは分かりませんけどね。
もう一曲アンコールということで、「誰も予想していなくて、最後に盛り上がる曲」ということで、IXとは関連がありませんが、「そして伝説へ…(III)」がコールされると、会場から「おぉ-!?」と歓声の声と拍手が! この曲は名曲として語り継がれているし、聴けると思っていた人も少ないでしょうし。出だしのトランペットのメロディが流れてきて、あっという間に曲が終わっちゃいました、ホント。
…曲が終わったときには拍手の雨あられです。ものすごい盛り上がりようでした。ブラボーの声が掛かったり、一部でスタンディングオベーションをしている方もいましたね。ステージで何度も歓声に応えているすぎやまさんでしたが、最終的にホールのライトが点されコンサートは終了となりました。せっかく本邦初演ですごく盛り上がったから、「序曲IX」をもう一回演奏して欲しかったなあとボクとしては感じてました(苦笑)。…1回聴くだけでは覚えられないというのが本音ですが…(苦笑)
すぎやまさんも、ある程度観客が退場した後も舞台袖から出てきて歓声に応えられていたりで、成功裏に終わったコンサートでした。
レポお疲れ様です。
サンディのテーマ大好きなんですよ、僕。
狙い澄ましたような曲じゃないけど、どこか耳に残る感じ。あと和声の進行もちょっと意外な感じがしてよいですね。
サンディ嫌いの人がやたらいっぱい居て、この曲も嫌がる人が散見されるので哀しい……
ギャル口調の人がみんな性格悪いってことはないんですよぅ……
それと、詰まらんことを言うな、という感じですが……
3は王宮のロンドですね。
○○のテーマっていうと、ガッチャマンのサントラでジョーのテーマと総裁Xのテーマが(マニアック)
サンディが嫌いな人、確かに多そうですね(苦笑)。
ま、「ギャル口調」はドラクエの世界観を壊すという意見も多いし、
その意見は分からないことも無いかな…(汗)
でも、曲はポップ調がものすごくかっこよくなりましたよね。
これは恐れ入りました、ホント。
…あ゛、「王宮のテーマ」、間違いですね(苦笑)。
ボクのiTunesの曲目データが間違ってました…(汗)
にしてもガッチャマンはマニアックだ…(笑)
>>ま、「ギャル口調」はドラクエの世界観を壊すという意見も多いし、
>>その意見は分からないことも無いかな…(汗)
なるほど。
雑誌のインタビューなんか読んでると、堀井さん自身が一番気にしてないみたいでしたけどね。携帯小説にはまっているときに思いついたキャラだそうで。
作者が決めたことに対して読者側が「世界観が違う!」なんていうのも翻ってみれば変な話ですけれど……
ドラクエって昔から、ぱふぱふだのメダル王だの5のプサンだのと野放しな印象だったので、僕は特に気にしてませんでした(笑)ファンの方が拘ってたんでしょうね。
余談ですがミニマリズム手に入りましたよ。田舎ですが、近所のTSUTAYAに売ってました。仕入れ担当者が凄い(笑)僕が買い取ってよかった。あと数日聞き込みます。
ショーさんもレビューなど是非。
長文失礼しました。
ま、ボクはドラクエやれていないので何とも言えないとこ
なんですけどね(苦笑)。「ゲームとして楽しければOK」
なんですけど、サンディに拒否反応を起こす人が思いの外
多い……(苦笑)
ミニマリズム、レビューを書こうかなと思ったんですけど、
難しくて書き切れなさそう(音楽の知識もないし…)なので
二の足を踏んでます。たぶん来月のコンサートに合わせて
コンレポとして書くかも…