サリン事件 Charity Concert Report (from Be HISAISHIST!! Volume.2)
記念すべき2000年の最初のコンサートは、なんと地下鉄サリン事件で被害に遭われた方を支援しようというチャリティーコンサートを、久石さんがプロデュースするというものでした。今回、私ことショーもそのコンサートのチケットを手に入れましたので、コンサートレポートシリーズ「Be HISAISHIST!!」の第2弾として、書いてみようと思います。
日時 | 2000年3月20日(月)春分の日 15時から |
会場 | 東京国際フォーラム・ホールC JR東京駅から徒歩5分、有楽町駅から徒歩1分 |
チケット | 全席指定 5,500円 1階席から3階席まで一律料金 |
総合プロデュース | 久石 譲 |
出演者 | 久石 譲(ピアノ) 本田美奈子(ヴォーカル) 藤原真理(チェロ) 金洪才指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 |
曲目
水の旅人メインテーマ / 水の旅人 For You / チェロとオーケストラのためのナウシカ組曲(「風の伝説」「はるかな地へ」「レクイエム」「遠き日々」「谷への道」…編曲 千住明)
INTERMISSION
つばさ / ヴォカリーズ Op.34 No.14 / ミス・サイゴンより「生命をあげよう」…以上3曲 歌…本田美奈子 / アシタカせっ記 / Gene…以上2曲 指揮…久石譲 / Sonatine / HANA-BI / Madness / Asian Dream Song (encore)
今日は彼岸ということで、朝早くにお墓に行って拝んできました。今後もいいことがあるように、という感じで… ま、久石さんのコンサートってのもいいことなんですけども、ま、人生いろいろありますからね… さて、今日は家を10時ごろ出てきて来ました。僕のいるところは、なんとも閑散とした雰囲気があって、人があまり歩いていません。で、今日、東京に出てくる際、僕の友達も仕事などの関係で東京に行くということを聞いて、時間を示し合わせて一緒に行こうという話をしたんですが、なんと残念なことにその友達が寝坊をしてしまいました(笑)。自由席で座席を取っておくという話だったのですが、結局一人になってしまったため、指定席の往復特急割引券を買い、一人、東京国際フォーラムへと目指すことになりました。
途中で、外の景色を撮ったりもしていました。太平洋沿いを通っていたので、海岸線なども見えていましたよ。そういえば、海岸線をなかなか見ない方もいらっしゃるかもしれませんので、写真がまともだったら、アップしておきたいと思います。
車中では、僕がMINOさんから送ってもらってダビングした「醍醐寺音舞台」を編集した、特製CDを聞きながらボーっとしていたんですが、何か列車のスピードが特急にもかかわらず、鈍行列車と較べても遅いくらいでした。何事かと思いきや、「強風と電線のビニール付着のため、列車が遅れております」ということでした。いやあ、次の列車に乗っていたらアウトでしたね。ホントに一本前の列車に乗っていて正解でした。結局、上野駅についたのが30分遅れの午後12時過ぎでした。
ちょうど、もう少しで上野につくというところで渋谷さんから携帯電話が来たんですが、あいにくまだ車中だったため、とりあえず保留ボタンを押し、後で電話をかけようとその時は思いました。すると逆に僕が上野に着いた時に渋谷さんへ電話をかけたら、今度は渋谷さんのほうの都合が悪かったらしく、「出られない」というメッセージが入ってきました。ま、こんなのはよくあるんでしょうが、やっぱり列車とかの中であまり大声でしゃべれませんしね… とりあえず、最終的には連絡がつき、有楽町駅にて落ち合おうということになりました。
で、渋谷さんと落ち合う約束をした有楽町まで、いつも乗りなれている山手線で向かいました。途中何のこともなく、有楽町までやってきました。改札口に渋谷さんがいるのを見つけ、改札を通って挨拶をしようと思ったら、切符が自動改札にはじかれてしまいました(笑)。間違って僕は往復割引切符の「かえり」の方を出していたんです(笑)。かなりそそっかしいことをしてしまいました。で、歩きながら、渋谷さんからの現状の報告をお聞きしました。
「思ったより、報道陣が多いですね。これでは、直接久石さんに手渡しできないのも分かる」
ということでした。国際フォーラムの様子を僕は少し見ていたんですが、どうもどこかの学校の卒業式が行われているらしくて、それらしき人たちが大勢いるくらいで、僕の目にはまだ報道陣の姿が入っては来ませんでした。とりあえずホールCの方に回ってみると… 渋谷さんのお話どおり、脚立とカメラを抱えた多くの報道陣の方が行ったり来たりしていました。とにかくサリン事件から丸5年ということと、オウム真理教関連の出来事も最近、いろいろ話題になっているため、かなり報道関係の方たちが興味をもたれていたようです。一般の客の方にインタヴューを行ったり、あるいは僕の見た感じなんですが、事件で後遺症を受け車椅子で来られたと見受けられる方もインタヴューをしていたりという感じでした。ま、そんな中、僕と渋谷さんは早めにホールCの方に着き、皆さんの到着をお待ちしながら、募金などの関係の準備をしていました。
徐々にnezさんのフォーラムで知り合った仲間の皆さんも集まり始め、みんなで挨拶などを交えたり、久石さん関連の話題を話しながら時間が過ぎていきました。今回は、久石ファンが集まって、みんなで募金を出そうという目的がありました。当初は久石さんに直接手渡す予定でしたが、残念なことに久石さんのスケジュールが合わず、直前でキャンセルになってしまいました。もちろん募金は予定通りに集め、代わりに久石さんにみんなのメッセージを色紙に書き込んで伝えようということになりました。
しかし、時間的にコンサート前に全てのことを終わらせるには時間が足りないということで、とりあえず募金の集金と久石さんにお渡しする色紙等の作業を中断し、ホールの中へと団体で進んでいきました。それにしても、あの集団は他の方から見ると、本当に訳のわからない集団だったと思います。年齢も違うし、男女入り乱れているし、何の集団だろう、そう思われていたかもしれません。写真なども人の目をはばからずに取っていたし。また、あの時、写真を撮るのに協力していただいた男性には、3つも4つも写真を撮っていただいて、本当に申し訳ございませんでした。
そして、中に入った瞬間、テレビカメラが結構ありました。とりあえず、数えては見たんですが、1階席後方の中央にカメラ一台とミキサー、2階席の左右の端に1台ずつ、そして舞台袖に1台、とりあえず計4台は確認できました。どうも話によると、「BS7でやりますよ」とスタッフの方がおっしゃっていたので、今回のコンサートの模様をNHK衛星放送で放映するようです。とりあえずメールで確認を取ってみようと思っています。今年(2000年)からデジタルBS放送を民放各社がそろって始めるので、これをきっかけにBSアンテナを導入してみられては?(笑) ただ、舞台袖のすぐ前に日本テレビ系列のテレビカメラが備えつけられていました。あれ、おかしいなあ… 確実な情報が入り次第、報告したいと思います。
そんな中、皆さんがそれぞれの席に落ち着きました。僕の右となりにHARUHIさん、そのとなりにみせす ちゃいるどさんとその後家族の方が勢ぞろい。そして、僕の前にはgrandisさんという面々で、nesさんの「久石譲・宮崎駿フォーラム」の人々のほとんどが前の方にずい分固まっていました。NANAさんがちょっと後ろの7列目だったくらいで、2列目から4列目に一堂に会するといった状況で、誰か計ったのかと思われるくらいです。そして、時間が過ぎ、始まりのチャイムの音が聞こえてきました。さあ、まもなく開演です!!
15:04
会場に入ったときから東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の皆さんが舞台裏で練習されていて、その音が私たちにも聞こえていたのですが、その中にも、私たち久石ファンにはおなじみの「Sonatine」など、披露される曲目のメロディーが時折聞こえてきていましたが、程なく時間が経つと音あわせをする楽器の音も無くなり、しばし静寂の時を迎えました。ただ、皆さんちょっと浮き足立っているのか、ちょっとざわついた感じもありました。
15:05
そんな中、会場の照明が少し暗くなりました。本当に始まる、そんな感じを観客の全員が持った瞬間だと思います。会場が完全に静かになりました。
15:06
すると、舞台にサリン事件共助基金の副委員長であり弁護士の木村晋介さん、そして今回の司会を務めるテレビ朝日のアナウンサー、堀越むつ子さんが出てこられました。会場から拍手が巻き起こりました。まず、今回のチャリティーコンサートの『サリン事件から丸5年、基金活動を知ってもらおうとチャリティーコンサートを開いた』という目的を話され、その後、堀越アナウンサーより、サリン事件共助基金で集めた、被害者の方々のアンケートの結果について話されました。事件の被害を受け、今もめまいや精神的な苦痛などの後遺症に苦しんでいる様子などが切々と語られました。また木村弁護士も、通常病院のカルテは5年保存が原則ということですが、サリン事件の被害に遭われた方のカルテはそれ以上の期間を保存して欲しいということを話されていました。また、今回のチャリティーコンサートの会場には麻木久仁子さんや、今回のコンサートの呼びかけをした永六輔さん、松本サリン事件の被害者である河野義行さんなどが来られているということです。会場で手渡されたパンフレットによると、今回のチャリティーの呼びかけ人は21人もの方がおり、それだけ「サリン事件」の重大さみたいなものを感じます。そして、今回の収益金の使い道についての話をされると、木村弁護士と堀越アナウンサーは退場されました。
15:13
すると音楽の準備が始められ、照明も明るくなり、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の方々が入場してきました。その中のヴァイオリン奏者の中に外国人の方がお一人いて、白髪の姿がかなり目立っていましたが、そんなことは特に関係ないですね(笑)。で、東京シティ・フィルのヴァイオリン奏者のお一人(たぶん、フィルのキャプテンみたいな人だと思います)が立ち上がり、ピアノの鍵盤を弾いて、それに合わせて一斉に音あわせが行われました。それも30秒くらい経つと音あわせも終わり、会場が完全なる静寂に包まれました。本当に物音がしません。
15:15
全く音の無い会場に、「コツコツ」と足音が舞台袖から聞こえてきました。久石さんと指揮者の金洪才(キム・ホンジェ)さんがやってきました。会場中から盛大な拍手が送られます。久石さんは舞台中央で、真正面を見ながら深々と一礼をされました。そうするとすぐにピアノの前に座りました。いよいよ一曲目です!
「水の旅人メインテーマ(作曲・編曲 久石譲)」が始まりました。よくよく聞いてみると久石さんのソロアルバム「地上の楽園」の『HOPE』という曲が、この水の旅人のテーマだったんですね。水の旅人のテーマは一度、98年の日本テレコムのコンサートをラジオで聞いただけだったため、メロディーは頭に残っていたのに何の曲なのかそれまで全然思い出せませんでした。どこかで聞いたメロディーだなあと思い、ずっとなんだろうなあと思っていたんですが、この日をもってこの疑問は解消しました。で、肝心の曲の方は、出だしがゆっくりとやさしい入りでした。徐々に演奏にも力が入ってきて、オーケストラならではの迫力のある演奏に変わってきました。ただ残念なことに、このときのピアノに備え付けてあったマイクのヴォリュームが低かったのか、ちょっとピアノの音が弱めでした。ただ、久石さん自身は東京シティ・フィルの奏でる音を非常に気に入っており、演奏中にちょっと手を休める場面でも笑顔でオーケストラに聞き入り、また音楽の抑揚を身体で表現していました。もちろん、ピアノを弾く場面でも、曲に入り込んでエモーショナルに弾くというスタイルは何ら変わりありませんでした。演奏が終わると椅子に座りながら、観客に向かい一礼し、また東京シティ・フィルの方々にも拍手を送られていました。
水の旅人 大林宣彦監督の映画作品。一寸法師がタイムスリップして現代にきてしまい、偶然あった子供とさまざまなことに遭遇するという話。
地上の楽園 久石氏のソロアルバム。1994年の作品で非常に制作に苦労したもの。ダーク感のある作品で、氏の中では異色の一枚。
1曲目が終わると間髪いれず次の曲が始まりました。「水の旅人 For You(作曲・編曲 久石譲)」です。フルートとチェロのソロがかなりある楽曲で、久石さんのピアノは出だしで伴奏に徹し、中盤では「WORKS I」とアレンジを変えてピアノがソロで出てくる場面もありましたが、最後はフルートとチェロで終わるといった感じになっていました。この曲でも久石さん、満足のいく表現が出来たようで、椅子から立ち上がり、ソロを披露したフルート奏者の方、チェロ奏者の方に拍手を送っていました。ソロのお二方も立ち上がり、客席に向かって一礼をされました。もちろん会場は拍手のあらしです。
水の旅人「For You」 本文中に書いたように、1997年に発売された「WORKS I」に同曲が入っています。
そうすると、司会の堀越アナウンサーが舞台袖からあらわれ、演奏が終わったばかりの久石さんと並んで話を始めました。最初に、堀越アナウンサーから久石さんの説明がなされました。宮崎駿監督や北野武監督の映画音楽のことや、長野パラリンピックのプロデューサーをしたことなどなどこれまで久石さんがやってきたことを話されました。
そして堀越アナウンサーが久石さんに地下鉄サリン事件について、どのように感じたかと聞かれました。
「5年前のことは他人事(ひとごと)ではありませんでした。いつ自分に降りかかるか分からないですし。例えば、ある中年の男性がいるとします。もし結婚しているとすると奥さんがいます。そうすると子供もいる。おじいちゃん、おばあちゃんもいる… 一人の人間にそれだけの人間関係があるんです。一人の人間にそれだけのつながりがあり、いつ自分の事になるか分かりません。とても他人事ではないです。」
そう話されました。そう、いつ自分の身に降りかかるか分からない。そう考えるととても他人事とはいえませんよ。続けて堀越アナウンサーが久石さんに「チャリティーコンサートは今までやったことがありますか?」と聞かれました。
「ないです。私にチャリティーをして欲しいです(笑)。」
このひと言で会場には笑いが起こりました。ま、コテコテのジョークなんですが(笑)。「とにかく、今回のコンサートを楽しんでいただければと思います。」とそれに続いて話されました。今回、久石さんはパンフレットにも『チャリティーコンサートを決起集会とはしたくない。被害に遭われた方に、少しでも心休まるひとときを提供できれば、と思っています。』というコメントにもあるように、チャリティーコンサートだからといって肩肘を張らずに普段と変わらないコンサートとして楽しんで欲しいという考えが久石さんのお話から感じて取れました。と、ひと通り話された後、久石さんと堀越アナウンサーは退場されました。
久石さんが話をされていた最中、舞台の配置換えがされており、ピアノが奥に片付けられ、椅子が一つ用意されました。そうすると、緑のドレスを身にまとったチェロ奏者の藤原真理さんと、指揮の金洪才さんが舞台にやってこられました。もちろん、またまた拍手でお二方は迎えられました。今度の曲は「チェロとオーケストラのためのナウシカ組曲(作曲 久石譲/編曲 千住明)」です。久石さんのピアノはなく、藤原真理さんのチェロのソロを楽しむといったおもむきの計5楽章の組曲になっています。
チェロとオーケストラのためのナウシカ組曲 これは、1998年の日本テレコム「Super Sound of Joe HISAISHI」で披露されたものです。このコンサートは東京・福岡・名古屋を回線でつなぎ3会場をやり取りしながらのものでした。もちろんプロデュースも久石氏でした。
最初に「風の伝説」、そして「はるかな地へ」、「レクイエム」、「遠い日々」、「谷への道」との順で演奏されていきました。で、よくよく見てみると藤原真理さんは楽譜なしで演奏をしているんですよ。全て頭にインプットをされているようで、さすがプロだなと感じました。普通、楽譜がないと少し不安を感じるのではないかとシロウトなりに思うんですが、そんな不安なんて全然ないのでしょうね。で、藤原真理さんの演奏は本当に抑揚のある音色を醸し出しており、柔らかい音色だなと感じ入っていると急に攻撃的で荒々しい音に豹変したり、またやさしくなったりという感じで、非常に音楽の表情が豊かでした。また、藤原真理さんも久石さん同様、曲に入り込んで身体を前のめりにしながら、あるいは身体を左右に揺らしながら演奏するというのもしばしばでした。何かこう表現したら失礼かもしれませんが、ヨーヨー・マをほうふつとさせるような感じがありました。それにしても、今回の『ナウシカ組曲』の編曲はドラマなどの作曲で知られている千住明さんが行っていて、非常に曲調がソフトで藤原さんのチェロの音色とマッチしており、とても良い感じでした。久石さんのはもっとアグレッシブで、かつハッキリとした曲調で、僕はそっちが好きなんですが、千住さんのもそれはそれで素晴らしいものだったと思います。5楽章の演奏が終わると、藤原さんは指揮の金洪才さんと、東京シティ・フィルのヴァイオリン奏者の方と握手を交わし、客席に向かって頭を下げて退場されました。もちろん、会場の拍手は最高潮に達し、なかなか鳴り止みません。その拍手に答えるように藤原真理さんは再び舞台に現れもう一度深く一礼をして退場されました。
15:50
ということで、以上が前半の曲目でした。これから休憩に入ります。休憩の間、nezさんのフォーラムに来られている方々(渋谷さん、NANAさん、icemanさんなどなど)と舞台そでのすぐ下のところでお話していました。ま、今回のチャリティーコンサートでの目的(募金を渡すことと、久石さんに色紙を渡すこと)に関する話とか、コンサート前半に関する感想などを話していたと思います。とまあ、いろいろ話していると時間があっという間に過ぎ去り、すぐに後半の始まりを迎えることになりました。
16:09
さて、開演を知らせるチャイムの音が会場に鳴り響いてからずい分立ってから東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団の方が入場してきました。全ての方が入場し終わると、前半の時と同じようにヴァイオリン奏者の方が、今度は立ち上がってヴァイオリンの音を出し始めました。それにしたがって他の皆さんが音あわせをし始めました。その後、徐々に会場が暗くなってき始め、それに伴ってオーケストラの音あわせの方も徐々にヴォリュームが下がっていきました。またやってきた静寂の………「はくしょん!!」…(笑) 静かになってきたときに、思いっきりくしゃみをされた方がいました。静かな時にくしゃみをするとかなり目立つんですよね(笑)。やっちゃった方、かなり恥ずかしかったんじゃなかったでしょうか。
16:12
そんなことも一段落し、改めて会場が静寂を取り戻した時、今回ヴォーカルを担当されている本田美奈子さんと、指揮の金洪才さんが舞台に入ってきました。本田さんは真紅のドレスを身にまとっていました。もちろん、盛大な拍手がおふたりに送られました。本田さん、軽く会釈した後、早速1曲目を始められました。「つばさ(作詞 岩谷時子/作曲・編曲 佐藤俊彦)」という曲です。確か出だしの歌詞が”太陽にきらめいて 夢おいかけたとき……”っていう感じだったと思います。途中、ヴァイオリンのソロ部分もあったんですが、何と言っても本田さんの歌は、華奢な身体に似合わず大声量で、それであって非常に歌も上手い。こんな方がなぜメジャー級の方ではないのか、また僕自身存じ上げなかったことが非常に恥ずかしいなあといった思いが僕の中に起こりました。そして、最も驚いた瞬間が、本田さんが声を張り上げ、その声を長く伸ばす場面があったのですが、何とその声が信じられないほど続く、続く!! 舞台で活躍されているということでヴォイストレーニングはされていると思うんですが、それにしてもあの安定した音量が、何と30秒ほど続いたのです! これは何と言っても僕の中では驚きでした。今、テレビで人気がでているアーティストで、こんなに声が出る人がいるのでしょうか? 生半可なアーティストが多い中、僕の中で「この人は『プロ』だな」と思わせるテクニックの持ち主でした。あの腹の底から声を出すような感じの声はホントにすごかったです。コンサートに来られなかった方にもこの部分だけでも生で聴かせたい、それほど価値のあるものだったと思います。また、これも舞台活動をされていることからだと思いますが、かなり大きなボディランゲージを交えながら歌を歌い上げるといった感じでした。もちろん、歌が終わった後には盛大な拍手が送られました。僕の近くに本田さんファンと見られる人がいて、手を頭上に挙げながら拍手をされている方も見受けられました。
そして2曲目「ヴォカリーズ Op.34, No.14(作曲 S.ラフマニノフ)」です。この曲は歌詞がなく、本田さんは「Ah….」と歌うのみ。何か物悲しげな曲で、その曲を本田さんは朗々と歌い上げました。曲中では、今度はものすごく高くあがっていく音があったのですが、やはりプロは違いますね。力強くも綺麗な声が出ていました。そして2曲目が終わると、本田さんはマイクを取って話し始めました。
「緊張しているんですけど…(笑) 最初、事件をニュースでみた時、ビックリしすぎて嘘ではないかと、とても信じられませんでした。被害に遭われた方にどうすれば協力できるかを考えて、今回、このようなことに参加できて、嬉しく思います。今回のコンサートでわずかながら被害者の方の力になれればなと思っています。」
と言葉じりとかが微妙に違うとは思いますけど、このようにおっしゃっていました。それにしても、普通に話す声と、歌を歌っている声が全然違いますね。普通の声はとてもかわいらしい声と言いますか、普通の女性って感じなんですが、歌を歌うとなぜこうも変わるんでしょうね。アイドルだったという時代の面影が残っているのでしょう。それはそれでまた良い事だと思います。
続けて、本田さんお話をされます。
「最近あった嬉しいことを話したいと思います。ミス・サイゴンの舞台をやったときにもらった花がなかなか咲かなかったのですが、私の母がその花に向かって毎日呼びかけていました。呼びかけたことによって、頂いた花が花を咲かせました。それが最近の嬉しいことです。今度は私の歌で、ちょびっとでも元気になる人がいれば嬉しいなっと思います。」
そう話された後、「ミス・サイゴンより『生命をあげよう』(作詞 RICHARD MALTBY, JR&ALAIN BOUBLIL/訳詞 岩谷時子/作曲 CLAUDE-MICHEL SCONBERG/編曲 WILLIAM B.BROUN)」が始まりました。全く普通に話されているときの人格とは違う、別人格の人が乗り移っているのではないかと思われるほどの力の入った歌声で、マイクがあるとはいえ、オーケストラの音が本田さんの声に負けているようなそんな感じを受けました。オーケストラをバックに歌を歌っているのではなくて、まるで一舞台女優として”演技”をしているかのようでした。そして音楽が終わると一斉に拍手が起こりました。なかなか拍手が収まりません。一度本田さんは舞台袖に下がりました。icemanさんのお話だと、この時本田さんは感極まって舞台袖で泣いていたそうです。その後、拍手が鳴り止まず、スタッフの方に促され、涙を拭いてから舞台にもう一度出てこられました。客席に頭を下げて、また東京シティ・フィルの方々にも感謝し、指揮者の金さんと一緒に舞台袖に下がっていきました。
さて、次の曲は「アシタカせっ記~交響組曲もののけ姫より(作曲・編曲 久石譲)」です。ところが、まだピアノが舞台の奥の方にあって、前の方に出てくる気配がありません。これから久石さんの曲が目白押しなのに、おかしいなあと思っていたら…… 久石さんが出てきた姿を見て、本当に「へ!?」と驚きを禁じ得ませんでした。久石さんが、手に「白い棒」を持って出てきたのです。もしや、あれは…タクト(指揮棒)!? 何と久石さん、指揮者として登場してきました。今までのコンサートで指揮をやったことなんて聞いたことなかったので、本当に驚きました。一度見たことがあるといえば、NHKでの「人体3」の紹介番組で鉛筆を持って指揮をした久石さんくらいです。そう、オフィシャルのダイアリーで「渋谷へ買い物に行く久石さん。『ついに買ったぞ!』と手にしてきたモノは…。値段を聞いたらアララ、700円とずい分リーズナブル。ちなみにソレを入れるケースは3,000円もするとのこと。 」とあり、また音の出ない楽器というのは、そう、タクトのことでした! でも指揮棒って700円で買えるものなんですか~ もう少し高いような気もするんですけど、ま、そんなに使わないので(笑)、安いものでも良いと思われたのかも知れないですね。それにしても、久石さん、この指揮に向けてずい分練習をしたようです。オフィシャルのダイアリーを見ているとそんな感じがします。で、実際の指揮の方なんですが、指揮初心者とは思わせないほど上手い! ピアノ同様に非常に力強い指揮でした。演奏も同様に力強く、本当に素晴らしかったです。特に僕が感じ入ったのが、曲の最後。徐々にオーケストラの音がヴォリュームダウンしていくところが、こんなに綺麗に、しかも安定した音を保ちながら消えていくのか、とその東京シティ・フィルのテクニックに感服していました。これまでオーケストラなど生で聞くことなんてなかったので、これほど綺麗な音色を奏でるとは全く知りませんでした。もちろん、演奏が終わった後は拍手のあらし。久石さん、指揮台から一度降りて客席に向かって一礼をされるとすぐに次の曲に入ります。
アシタカせっ記~交響組曲もののけ姫より~ ご存知の通り、1997年公開の宮崎駿監督作品「もののけ姫」のエンディングテーマです。監督曰く「(エンディングの)スタッフロールは見なくてもいいので、目を瞑りながら聞いて欲しい」という曲です。「交響組曲もののけ姫」はCDが徳間書店より出ています。演奏はチェコ・フィルです。
「Gene NHKスペシャル『人体III』メインテーマ(作曲 久石譲/編曲 三宅一徳)」です。そう、この曲も指揮が久石さんです。CDに入っているこの曲の出だしはもちろんピアノから入っているんですが、今回はピアノではなく(というより、ピアノはこの曲には使われていない)、フルートから入りました。この曲、編曲が久石さんではなく、他の方がされていたんですが、特に久石さんのそれとは変わりなく、非常に力強い演奏がなされました。オーケストラから発された音が身体に響いてくるのがひしひしと感じていました。曲のラストも非常に綺麗で、本当に素晴らしい演奏でした。そして久石さんの指揮も素晴らしかった! これでは指揮の金洪才さんも顔負けです。演奏が終わった後、久石さんは私たちに向かって一礼をし、マイクを取って、舞台むかって右側に立ってお話を始めました。
Gene ~NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体III」遺伝子・DNAより これはNHKで1999年に放映された、NHKスペシャル人体シリーズ第3弾のテーマ曲です。これまでのシリーズも久石氏が担当されており、非常にファンにとっても注目されていました。今回、初めてコンサートで演奏されました。
「えー、舞台変換のため、ちょっと話をしようと思います。」
久石さんが話される間、ピアノが舞台中央に用意されたり、マイクが用意されたりとスタッフの方々がいそいそと準備をされる中、久石さんは話されます。
「まず、指揮者の金さんをお呼びします。」
すると、金さんが舞台そでより来られました。拍手で迎えられます。
「今までレコーディングの時に少しだけ指揮をやったことはあったのですが、このようなコンサートでオーケストラの指揮をしたというのは初めてです。」
そうおっしゃる久石さんに、金さんが「どうでしたか?」と聞かれました。
「本番前に、トイレに2回行きました(笑)。」
と話され、会場に暖かな笑いが起こりました。確かに緊張するでしょうね。初めて本職ではない指揮を披露するわけですから。何か、指揮って誰にでも出来そうな感じがありますよね。僕にも出来そうな感じもあるんですが、やっぱり奥深いものがあるんでしょうね。そして、久石さんは逆に金さんに一つ質問をされました。
「みんな、音の出る楽器を持っている中で、1人だけ音の出ない棒を持つというのはどのような感じなんですか?」
その答えに金さんがこう答えました。
「これだけのプロの方がいて、僕は300円くらいのこれ(タクト)で交通整理をするだけですね。」
そうすると久石さんは、
「東京シティ・フィルの皆さんが上手いから、僕の指揮でも上手く聞こえますよね(笑)。」
と話されました。また久石さんが話を続けます。
「指揮者と映画の監督は似ていますよね。リュック・ベッソンもこの間会って話したとき、『自分は何も出来ないから監督をやるんだ』と言っていました。でも、監督も指揮者も最後にはどうするかといった判断をしなければならないんですよね。」
との話に金さんもうなずきながら、
「タクトを振っているというだけでも、結局最終的には僕が決めていかなくちゃいけないんですよね。」
と話されました。
そろそろ舞台転換も終わり、話も次の曲の振りになってきました。
「えー、3曲目の『Madness』は紅の豚で飛行機が飛び立つシーンで使われており、非常に前向きな曲ですので…」
と非常に苦し紛れの説明(笑)をされていました。この曲については、コンサートの始まる前に、nezさんのフォーラムに来られ、僕がメールを良くやり取りさせてもらっている渋谷さんと話している最中、「今回のコンサートで『Madness』はさすがにやらないでしょうね。」「いや、もっとやらないのは『DEAD組曲』ですよ(笑)。」と話していたんですが、何とまあ、久石さんは思い切って『Madness』を曲目に持ってきていたんですね。ま、「チャリティーだからといって肩肘張らない」といった久石さんのスタイルが出ていると言っていいのかもしれません。また、久石さん、話を続けました。
「これからの3曲は、(指揮は)初めてでしたっけ?」
「いや、『Sonatine』と『HANA-BI』は初めてですが、『Madness』はソロアルバムの方(Joe Hisaishi Symphonic Best Selection)でやっていますよ。」
とのやり取りがありました。確か、CD「Symphonic Best Selection」は8年くらい前のものなので、すっかり忘れていたんでしょうね(笑)。
ということで、話が終わり、「Sonatine(作曲・編曲 久石譲)」が始まりました。やっぱり何度聞いてもパワフルな曲です。簡単なメロディーであるのに、それが複雑に絡み合いながらも抑揚のついた非常にいい曲でした。ただ、今までCD化されているものとはちょっとピアノのメロディーが変わっていたようです。といっても微妙にですけどね。演奏が終わった後、久石さんは椅子に座りながら、客席に向かって一礼をしました。
Sonatine(ソナチネ) 北野武監督作品「Sonatine」のメインテーマです。同じメロディーをいろんな形で繰り返され、非常にパワフルな曲です。
続けて「HANA-BI(作曲・編曲 久石譲)」です。非常に気持ちの入ったピアノを見せてくれる久石さん。最初の出だしから自分の世界に入り、頭を上下に揺らし力と感情を込めながら、ピアノを打楽器のように扱う。ホント、ファンにはたまらないアクションですね。ただ、この曲で弾き違いがちょっとありました。かなりハッキリとメロディーのズレを感じたんですが、これまで全然弾き違いはほとんどなかったのでちょっと気になりました。でも、パワフルな演奏も無事に終わって、もちろん会場から非常に大きな拍手が送られました。久石さん、また椅子に座りながら客席に頭を下げたあと、椅子の高さを調節して、プログラムでは最後である次の曲に入っていきました。
HANA-BI これもご存知、北野武監督作品「HANA-BI」のメインテーマです。ヴェネチア映画祭グランプリを取ったことで非常に有名な作品です。フランスでは非常に評価が高く、久石氏の音楽も有名です。フランスの記者の方には「(氏の)音楽はフランスの情景を表している」と評されたりしています。
「Madness(作曲・編曲 久石譲)」です。この曲の最初、「ジャン!!」といきなり一斉に入るため、その部分が難しいと思うんですが、やっぱりプロですね。東京シティ・フィルも久石さんのピアノも寸分たがわぬ音をはじき出し、綺麗に合った音色を醸し出していました。この曲でもそうだったんですが、今回の久石さん、スタッカート(音を短く切ること)の部分を弾いた後、ピアノから思い切り手を引くというアクションがかなり多く、非常に目立っています。何か熱いものを触って、反射的に手を引っ込めているという表現がかなり合っているような感じです。またそれと共に、この曲に関してはかなり強くピアノのペダルを踏みつけていました。これは車を急ブレーキでとめる時に思い切りブレーキペダルを踏むような感じという表現が合いますね。これを目の前で見ていたので、「ピアノが壊れるのではないか」というものを身体中で感じました。ホントに何度も言うようですがパワフルでした。すごかったです。もちろん、曲が終わると会場全体からものすごい拍手のあらしが起こりました。プログラムの最後の曲と言うこともあるんですが、久石さん、指揮の金さん、そして東京シティ・フィルに向けられた拍手は全然鳴り止みません。一度は客席に向かい頭を下げ、舞台袖に下がった久石さんと金さんですが、三度、舞台袖と舞台中央を行き来して、私たちに向かって何度も深々と頭を下げられました。
それでもなかなか拍手は鳴り止まず、やがて拍手が、アンコールを望む手叩きへと変わってきました。そうすると舞台袖から、久石さん、藤原真理さん、本田美奈子さん、そして指揮の金洪才さんがやってきました。もちろん、盛大な拍手が送られます。藤原真理さんは衣装替えをしており、最初は緑のドレスだったのが、今度は黒のカジュアルな服で登場されました。さあ、アンコールです。舞台ではピアノの両脇に椅子が備え付けられ、準備万端整いました。アンコールは、もちろん忘れていけないこの曲です。「Asian Dream Song(作曲・編曲 久石譲)」です。出だしは久石さんのピアノソロから入るという、ちょっと静かな感じでした。そうするとやがて、藤原さんのチェロと久石さんのピアノのデュオの部分がありました。そうするとまたまた久石さんのソロ部分がやってきました。今回、藤原真理さんと本田美奈子さんがいらっしゃるということで、ずい分アレンジが施されていました。途中、久石さんが手を休める場面があったのですが、どうも先ほどから椅子の高さが合わないらしく、曲中にあわただしく椅子の高さを調整していました。そうこうしているうちに、本田美奈子さんの歌が入ってきました。ところが… どうも歌詞をちょっとだけ間違われていたようです。歌詞の中盤、「旅立ちの勇気を 地平線の光と分かち合うこの時 微笑みながら ふりむかずに」という場面を「旅立ちの勇気と 地平線の光と…」と歌われていました。でも、この時点ではもう、そんなもの全く関係なしです。それほど素晴らしいかったのです。本田さんは、とりあえず歌詞の1番を歌われ、後は「ラー…」という感じでメロディーを声で表していました。本当に本田さんの声はマイクなしでも響きますね。そして、最後はやはりピアノとチェロで曲がしめられました。大迫力の演奏でした。もちろん、演奏が終わった後は盛大な拍手が起こったことは想像に難くないと思います。今度も全然拍手が鳴り止みません。皆さん、客席に向かって一礼したあと、一度は舞台袖に戻ったものの、もう一度舞台に戻ってきて、また私たちに向かって深々と頭を下げられました。その時、本田さんのファンと見られる方々が本田美奈子さんに花束を渡されました。4人ほどの方から受け取った花束を抱え、また頭を下げられる本田さん。またまた皆さんで頭を下げられて、舞台袖に戻ってもぜんぜん拍手は止みません。また皆さん出て来られます。何度も久石さんたちは頭を下げられ、チャリティーコンサートは終焉を迎えました。今回のパフォーマンスは本当に素晴らしいものだったと思います。皆さん、このチャリティーコンサートを楽しまれたと思います。おそらく、「チャリティー」という意識なしで楽しまれたのではないでしょうか。久石さんも特にチャリティーだからといって特別な意識を持たずに今回のコンサートに望んだのだと思います。それがすべて今回のコンサートで出し尽くされたと思います。本当に素晴らしかった、今回コンサートに来られた方にとってそれ以外の言葉は不要だったでしょう。また、会場から出て行くとき、ニュースでも取り上げられていた、事件で被害に遭われ、今でも車椅子で生活されている女性の方をお見受けしたのですが、その方も笑いながら知り合いの方と話をされているのを見て、心なしかホッとしました。
Asian Dream Song(エイジアン・ドリーム・ソング) これは久石氏が1998年の長野パラリンピックのプロデュースをされた際、テーマ曲として作られた「旅立ちの時 Asian Dream Song」です。また日本テレビの24時間テレビでも障害者の方がこの曲を演奏され大絶賛されました。
コンサートが終わった後、その余韻に浸りながら他の仲間の皆さんとちょっとお話をして、その後、とりあえず会場内から外に出ました。その時、松本サリン事件で、被害を受けたのにも関わらず、当初容疑者としてマスコミから疑われて精神的な苦痛も遭われた河野さんがいらっしゃいました。いろんな方と会場出口でお話されている様子を拝見しました。
ところで… そう、今回の目的の中に募金をお渡しするという重大なことがあったのです。残念ながら、久石さんにお渡しできないということで、どなたかサリン事件等共助基金の代表の方とかに渡せないものかということを渋谷さんが主催者側にお伝えしました。待たされている間、nezさんのフォーラムで集まった久石ファンの皆さんで写真を撮ったりしていました。ベルタさん、渋谷さん、でぶトトロさん、そして僕のカメラでの記念撮影をコンサートスタッフの方にお願いしてしまいました。ずい分と待たされたのですが、今回のコンサートの最初に挨拶をされた、共助基金の副委員長であり弁護士の木村晋介さんが走って駆けつけて来られました。「えー、何かあるの?」と最初はそっけない言葉だったんですが、僕らの代表である渋谷さんが、今回の趣旨である「久石さんの音楽とインターネットを通じて知り合った仲間で募金をしたい」ということを伝え、募金を快く受け取っていただきました。ちなみにこちらから募金させていただいたのは57,000円と赤いポストの貯金箱1つ。ずい分目立っておりました(笑)。僕はとりあえず今回の募金の会計を務めていたので、皆さんからお金を預かっていたのですが、nezさんのフォーラムで書き込みされている七重さんからいきなり赤いポストの貯金箱を受け取った時はさすがに面食らいました(笑)。でも、結局はお金が大事なのではなくて、「手助けになれれば…」という心だと思います。そして、募金を受け取っていただいた木村弁護士さんにも、写真の撮影をこれもまた快諾してくださり、本当にありがたかったです。これで少しでもサリン事件などで被害に遭われた方々のお役に立てればと思います。
失礼ながら、最初、木村晋介弁護士といわれた時はさっぱり誰だか分かりませんでした。顔を見たときに「あ、見たことのある顔だ!」という始末です(笑)。もう少し、行く前に勉強していくべきでした。あ、そうそう、この木村弁護士、スタッフの方々と話をされている中で、「今日の打ち上げは…云々」ということをおっしゃっていました。スタッフとか、久石さんとかいろんな方で打ち上げをされたんでしょうね。
また、この募金を渡す前に久石さんへお渡しする、みんなのメッセージが書かれた色紙と、今回参加した人々の本名やメールアドレスを載せたリストをスタッフにお渡ししました。「ちゃんとお渡しします」ということで、実際に手渡されたのかは確認は出来ませんでしたが、後日メールが届きまして、
久石譲ファンの集いご一同 様
先日の3月20日「サリン事件チャリティコンサート」では募金をはじめ
厚いご支援をいただき、ありがとうございました。
おかげさまで久石が音楽プロデュースをお引き受けさせていただきました
コンサートも無事に終了することができました。
皆様の言葉が盛り込まれた色紙もいただき、感謝しております。
今回のコンサートでは、久石個人としては今までのシンフォニックコンサート
とは違い、指揮&ピアノという形で皆様に音楽を楽しんでいただきました。
初めてのパターンになりましたが、大きな反響をいただき、今後のコンサート
ツアーに向けて、新たな可能性が出て参りました。
今後ともご支援の程よろしくお願い申し上げます。
取り急ぎお礼まで・・・・。
という返事を頂きました。本当にお返事を頂きありがたいです。ただ、ちょっと気になるのが、「今後のコンサートツアーに向けて、新たな可能性が出てまいりました」というコメント… ツアーでも指揮をやるのかなと匂わすようなコメントですよね。非常に気になりました。
今回の目的を全て果たし、あと残るは… そう、オフ会です。東京国際フォーラムの中にあるカフェテリアのようなところでオフ会は開かれました。もちろん、久石さんの話などで話は盛り上がります。何か一部で盛り上がっていたという感じもありましたが(笑)、食事をとりながらnezさんのフォーラムのこと、コンサートのこと、CDのことなどいろいろ話していました。特にNANAさんなどは、この間の久石さんが2年連続5度目の最優秀音楽賞を受賞した日本アカデミー賞で久石さんとのツーショットを撮った写真を見せていただき、非常にうらやましかったです。僕なんかは、他の人と久石さんについての話なんてほとんどしたことがなかったため、非常に楽しめました。といっても、さほど覚えていないんですよ… うーん、渋谷さんが「TK」という以前のハンドルネームから今の「渋谷 智陰」というハンドルネームを変えた直後にあらわれた新しい「TK」さんはどこに行かれたのだろうかとか、マニアックな曲で好きだなあと感じている曲の話とかいろいろだったと思います。皆さん、本当にありがとうございました。あまり話せなかった方もいらっしゃいましたが、また今後もよろしくお願いします。
えーと、で、このコンサートレポートを書く際に、謝らなければならないことがあります。その場ではあまり謝ってはいませんでしたが、HARUHIさんにはお隣りと言う事で、僕が「カリカリ」とノートにメモ書きしていたのが非常に気になったことと思います。それでも音を出さないようにとシャーペンではなくボールペンを用意しておいたのですが、それでもかなり気になったと思います。本当に申し訳ありませんでした。また、僕のもう一方の隣にいた男性の方にもご迷惑を同様におかけてしていたと思います。このコンサートレポートをご覧にはなられていないかもしれませんが、お詫び申し上げます。どうもすみませんでした。
帰りは無事、家に夜の11時過ぎに帰る事が出来ました。でもむちゃくちゃ疲れました。思い切り次の日の仕事にも影響が出ていましたが、ま、それはそれで構いません。それにしても、やっぱりコンサートレポートを本格的に書くのが2回目ということになりますけども、もうだめです(笑)。今回は特にコンサートをサッパリ楽しめませんでした。書いてばっかり。次回のコンサートの時には、今回のように文章をだらだらと書くレポートから脱却しようかなと思っています。やっぱり、今度はベルタさんのようにデジカメですね。どうも文章で書くと、どうしてもマンネリ化してしまいますし。何か、この件でご意見があれば、メールで送ってください。お待ちしています。
ということで、以上2000年3月20日のサリン事件チャリティーコンサートのレポートでした。この長い文章をお読みいただきまして、ありがとうございました。とりあえず、次回は6月のツアーのコンサートのレポートを予定しています。が、まだどんな形になるかは未定です。
(2000年3月25日 17:00 初校アップ)
(2000年3月26日 18:15 2校アップ)
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