山形県総合文化芸術館オープニング事業 合唱の祭典 山形県合唱連盟 創立70周年事業(2022.4.30)

前日に山形交響楽団さん演奏の「ドラゴンクエストV」の公演があってそれを聴くために山形市に来ていたんですが、ちょうど翌日に久石さんが作った「I want to talk to you」が合唱として初演されるのが同じ会場であることをすっかり忘れていたんですが(苦笑)、せっかく会場まで来ているので、良い機会だと思い「合唱の祭典」を見てきました。備忘録として簡単にレポートしてみようと思います。メインは「I want to talk to you」ですけどね(苦笑)。

※注意
○このコンサートレポート(備忘録)は記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施している可能性がありますので、完全なコンサートレポートではないことをご了解下さい。
○もし間違いを見つけたり、補記できる項目があれば、コメント欄で書いてもらえると嬉しいです。
日時2022年4月30日() 14時から(開場 13:00/開演 14:00)
会場山形県山形市・やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館) 大ホール
チケット全席自由 2,500円
出演者指揮 山田和樹
東京混声合唱団
山形県合唱連盟
(山形木曜会合唱団、合唱団じゃがいも、天童混声合唱団、合唱団Pianeta、寒河江混声合唱団、河北町混声合唱団、東根混声合唱団、合唱団キャッスルサイド、鶴岡土曜会混声合唱団、村山市立楯岡小学校合唱部)
山形県アマチュアオーケストラ連盟
(山形フィルハーモニー交響楽団、米沢フィルハーモニー管弦楽団、酒田フィルハーモニー管弦楽団)
その他主催:山形県総合文化芸術館オープニング事業等実行委員会
共催:山形県合唱連盟 山形県アマチュアオーケストラ連盟
制作協力:山形県総合文化芸術館 指定管理者 みんぐるやまがた
後援:山形県

曲目

第1部

東京混声合唱団のステージ
■追分節考 作曲:柴田南雄
■混声合唱組曲「ジャポニズム&ジャズ」より 編曲:森田花央理
  最上川舟歌
■混声合唱のための「五つの日本民謡」より 作曲:三善 晃
  五ツ木の子守歌
■汽車ぽっぽ  作詩・作曲:本居長世  編曲:篠原 真
■混声合唱とピアノのための「鉄道組曲」より  作曲:信長貴富
  上野ステエション  作詞:室生犀星
  恋の山手線  作詩:四代目・柳亭痴楽

第2部

I Want to Talk to You(委嘱作品・初演) 作曲:久石 譲
 1.I Want to Talk to You  作詞:麻衣 久石 譲
 2.Cellphone  作詞:久石 譲

~休憩~

第3部

混声合唱と管弦楽のための組曲 蔵王 作詩:尾崎左永子  作曲:佐藤 眞
   序奏
 1.蔵王賛歌
 2.投げよう林檎を
 3.苔の花
 4.どっこ沼
   間奏
 5.おはなし
 6.雪むすめ
 7.吹雪
 8.樹氷林
 9.早春

アンコール

故郷(観客のハミング合唱とともに)

初めて合唱コンサートを体感した

久石さんの「I want to talk to you」を目当てに来たんですが、合唱の良さを再認識しました。最初に歌われた「追分節考」が本当に素晴らしかったです。ステージ上に女性の方が10数名、うちわのようなものを持ち、コーラス用のちょっと縦長いマスク(Twitterではコーラス用のマスクの存在を分からず、ナウシカのミラルパ(マンガ原作に出てくる土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国神聖皇帝のこと。)のマスクと言っておりました。)を着けられて、皆さんちょっと距離を取りながら配置されていました。一方男性の方が1階客席の上手と下手の通路壁際にそれぞれ8名くらいずつ距離をとって配置しておられました。

指揮の山田さんがステージに来られて、合唱が始まりましたが、指揮をされるそぶりはあまり見せずに、コーラスの女性の方たちが持っているうちわのようなものに「お」「い」「わ」「け」「ぶ」「し」「こ」「う」と書かれており、それを指をさして掲げさせて、それによってハーモニーが変わるというもので、その都度都度の合唱で異なる合唱になるそうです。まず、女性の皆さんのハーモニーがすごく神々しくて美しいなあと感じ、改めて「声」の良さを感じました。その後、男性の皆さんが客席左右から歌われるんですが、途中から客席内の通路を歩きながらの合唱となりました。途中、2名ペアで一緒に移動されていて、2名で一つのハーモニーが作られていて、それが場所場所でタイミングがズレることにより、その都度変わるハーモニーが生まれているんだろうなあと感じました。そんな合唱だったので、指揮の山田さんはコントロールをするより、変化のきっかけを与えているって感じのことをされていたんだろうと思います。

参考動画です。大分市民合唱団の方のパフォーマンスが当日のそれに似ていました。

「追分節考」のインパクトが強かったので、第1部の他の曲はあまり覚えていない(苦笑)。ただ、指揮の山田和樹さんは結構お話が上手で、曲ごとにいろんなお話を聞かせていただきました。東京混声合唱団の方に、「東北出身の人」や「山形出身の人」と聞いてみたり、山形のイメージが「おしん」などで表現される『貧しさ』があって、なんて話が合った記憶があります。

そんなこんなで「I want to talk to you」になります。ピアノ2台とビブラフォン、ドラムセットなどなどのセッティングの時間中に山田さんからお話がありました。

久石譲さんの曲と言えば「となりのトトロ」などのジブリの曲を想像する方が多いと思うが、これからやる曲は全く違う。”ミニマル・ミュージック”というやつだという話があったと思います。で、題材が「I want to talk to you」、『私はあなたと話したい』で、また「Cellphone」いわゆる「携帯電話」が大事な素材で、皆さんがお持ちの携帯電話で着信音を鳴らす実験をしてみたい、なんて話をされて、客席からいろんな呼び出し音がなる状況となりました(笑)。

「Cellphone」はケータイの着信音が必要な場面があるものの、せっかくだったら客席の皆さんにも参加してもらいたいという意図が山田さんにはあったそうで、合図を送るので着信音を鳴らして欲しいというお願いがありました。普通の音楽の演奏会だと「携帯電話の電源は切ってください」と言われるけども、本日の演奏会は携帯電話の音が鳴った方が良いというお話をされて会場からの笑いを誘っていました。

そうそう。この日は「I want to talk to you」の作詞をされた麻衣さんがいらっしゃっていて、山田和樹さんから紹介を受けてらっしゃいました。麻衣さんも合唱をやられている方ですしね。その後、久石さんのスペシャルメッセージが流されました。

当日のコンサートパンフからの曲目紹介抜粋

久石さんのスペシャルメッセージ(抜粋)
・本当は参加したかったが、今、チェコのフィルハーモニーブルムの定期公演に出演するため参加できず残念だった。
・「I want to talk to you」はコロナのパニックになる前に作り出した曲で、どこを見てもみんな携帯を見ていて、コミュニケーションのあり方としてどうなんだろうと問いかけてみようと思ったが、人との接触ができなくなってしまって、携帯が唯一のコミュニケーションツールになってしまった。今の世の中の状況を表すタイムリーなことをテーマにできたのではないかと思っている。
・最終的には日本語で、弦楽オーケストラなどで進化した形で皆さんに聴いていただきたいと思っている
が、今日は山田さん指揮で、皆さんの素晴らしい演奏を心から期待しています。

メッセージが終わった後、山田さんが久石さんへの依頼された時のことを振り返っておりました。4年くらい前に直談判をされに久石さんの元へ訪れて、山田さんは初めて久石さんにお会いしたそうで、「断られるだろうなあ」と思ってらっしゃったそうなんですが、「うーん、忙しいんだけど、なんとかなんとかなんとか…」というお返事をいただいたなんて話をおっしゃっていたそうです。

…肝心の曲はあまり覚えていないんです。確か最初は女性のコーラスの方のみで「I want to talk to you」と歌いはじめ、それがミニマル的にちょっとズレながら、他の歌詞も入りながら、ビブラフォンを弓で弾いたり、ピアノが単音(?)を奏でたりしていたような… 「I want to talk to you」の歌詞が分解されていて、歌われていたような感じで、めちゃくちゃ合唱が難しそうな曲だなあと感じました。(語彙力や知識が不足して表現できず…)

Cellphone」も、ケータイの着信音がなったり、電話で良く使われるような言葉「Hello」「Cyao」などの単語は入ってきて非常に面白い曲でした。ケータイの着信音は、指揮の山田さんが指揮棒をステージの上手から下手に流しながら「シー」と言って音が消えるなんていう演出なのか、作曲の指示なのかは分からないのですが、ものすごくコミカルな感じの曲だったと思います。その一方、手拍子や足の踏みならしをしながら、ちょっと民謡的なメロディを感じる箇所もありました。曲の最終盤にはまた、ケータイの着信音が鳴って、コーラスの方が電話に出て「もしもし?」となぜか日本語だったのがちょっとビックリしました。指揮の山田和樹さんのところに電話ですとスマホが渡され、山田さんもその電話に出て「Hello? ….I’m in Yamagata. ….Yes, Yes….Oh, Sorry!!」と会話しながらステージ下手に退場し曲が終了となりました。なかなか楽しい曲だったです。久石さんの合唱曲なんて初めてだと思いますので、どこかで音源化して欲しいなと個人的に願っております。

これで前半の第1部と第2部が終わって、後半は第3部で、「混声合唱と管弦楽のための組曲 蔵王」を聴いたんですが、この曲ではステージ前のオーケストラピットの場所をステージと同じ高さまで上げて、その場所にオーケストラの皆さんが配置され、ステージ後方には合唱の皆さんがいて、「蔵王」が演奏されました。これは山形では有名な曲なんでしょうね。合唱とオーケストラの共演が良かったです。

やはりこの曲もあまり覚えていないんですが(苦笑)、4曲目の「どっこ沼」でバスソロの方が指揮の山田さんの脇に確か蓑をかぶりながら独唱しつつ、1階席の前方真ん中あたりに小学生(後ろから見てたんですが、みんな女の子だったような…)が合唱されていてかわいい合唱だったなあという印象がありました。また、7曲目の「吹雪」が蔵王の厳しい吹雪を洗わすかのような力強い曲で、指揮の山田さんが力を込めて指揮棒を振っていたせいか、指揮棒を折ってしまい、この曲が終わった後に指揮台の上に落ちている折れた指揮棒を拾い上げていたのを興味深く眺めてました(苦笑)。

アンコールは「故郷」。作詞をされた高野辰之さんは久石さんと同じ長野県出身というのはたまたまだろうと思うんですが、この曲で客席にも参加してもらいたいと、コロナウィルス対策の観点から客席側は「ハミング」で合唱することとになり、コンサートにちょっと参加できた気分になってすごく良い体験ができたなあと思いました。

このコンサートの前日の夜に雪が降っていたのを見たときはちょっと焦ったなんていうトラブルも実はあったんですが(苦笑)、山形でコンサートを堪能し、山形は音楽愛があるなあと感じる2日間でした。山形には気になるホールもあるので、また来たいなあと思ってます。

【道中の記録を追加 2022.6.26】

コンサート前、山形ではラーメンの消費量が日本一で、「冷やしラーメン」が有名だと聞いていたので、ラーメン好きの僕はぜひ食べてみようと思って冷やしラーメンの有名店に行ったんですが、最初に行った有名店は「子供の成人式のため休みます」と書かれていて、『それは仕方ない!』と納得して、もう一つの有名店の栄屋本店さんに開店時間少し前に行ったら、すでに店を開けられていて、すんなり店に入れたものの、入店直後、お客さん並び始めてて、ものすごい良いタイミングで入れました!

コンサートの後、実は何店舗かレコード店やハードオフに行って、愛知和男版「この道わが旅」を探してみたんですがありませんでした。どこにもなさそうですね、ホント(涙)。

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