N響ドラゴンクエストの聴きどころ

5月20日までアーカイブ配信をされているので、聴き返しています。

Xでいろんな方の感想や、それこそ現地で聴かれた方のお話とかも読んで、皆さん、大満足されていたようです。現地で聴いた方が良かったかな、とちょっと思っちゃうくらい。

勝手に「聴きどころ」なんて書きましたけど、いくつかアーカイブ配信を聴く、観るにあたって押さえておきたいところを書いておこうと思います。

・NHK交響楽団がドラゴンクエストの音楽収録をしたのはIII、IV、Vの3作品
III、IV、Vの初出の各タイトルのオーケストラ作品の演奏はNHK交響楽団が最初でした。ボクなんかは初めて買った音楽CDは「交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁」だったので、すごく繰り返しN響のドラクエVは聴きこんでました。

・ストラヴィンスキーを入れたのは意図的
「ストラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」」が選曲されたのは、すぎやま先生はコンサートでもおっしゃっていたことがあったと思いますが、ストラヴィンスキー自身が指揮を振るった火の鳥を聴いたことがあって、会ったことがある、というか握手をしてもらったなんていうエピソードがあるなんて話があったので、意図をもって選曲されたと思います。

・ドラクエIVの「栄光への戦い」のテンポなど
「栄光への戦い」の「戦闘」のテンポがものすごく疾走感がある、というかそもそもテンポが速い! 実はN響盤と都響盤のCDで聴き比べてみたんですが、N響盤の方がやっぱり早くて、最近の演奏ではテンポを遅くしていたようですが、N響の速いテンポが好きだとおっしゃる方が多いです。スコアを見ていないので分かりませんが、すぎやま先生は意図があってテンポを遅くされている可能性があるんですが、先生の年齢の問題もあって若干遅くなってしまう傾向もあったりしたのかな、なんていう邪推もしてみたりしながら楽しんでみるのも良いかも(苦笑)。しかもこの曲、変拍子があって楽しいんですよね。さらに指揮も見ていて楽しい。

それと、終盤の「悪の化身」は後半の低音部が最近の収録では8分音符なのに、N響盤は16分音符になっていて、前半と演奏が違うのでスコアの誤りだろう部分もそのまま演奏されているなんていうのもすごく細かい見どころの一つかも知れません。

・ドラクエIIIの「冒険の旅」の溜め
この曲の冒頭の導入部分がものすごくゆったり演奏していたのが印象的でした。これは指揮の下野さんの解釈なのだろうと思いますが、その後に続くマーチ部を引き立てる溜めだったなあと思って、すごく良かったなあと思います。

・ドラクエIIIの「おおぞらをとぶ」
この曲はどこのオケが演奏しても感動的です。しかもN響の演奏。音に身を委ねて、大きな鳥に乗って雄大な空を飛んでいる感覚を想像してしまいますよね。

………

他にもいろいろあるんですが時間の関係もあるのでこの辺で(苦笑)。

Xにも書きましたけど、N響のドラクエのサウンドは懐かしく感じてしまいます。先ほど言ったとおり、昔から聴きこんでいて耳に馴染んでいたからなのかも知れませんし、スコアが当時と今とではちょっと違うからということもあるのかも知れません。スコア自体はアップデートしているなんて話を伺ったことがあります。「交響組曲ドラゴンクエスト ライヴ・ベスト~音楽の宝箱」のライブ盤で、ドラクエVが発売された2年後の1994年リリースですけど、ちょっとアレンジも変わっていたりして、アップデートを感じることができるライブ盤でもあります。ですので東京都交響楽団の演奏との違いを見つけるのも面白いかも知れません。

…というところでしょうか。ちゃんとした聴きどころのご案内が出来ていないような気もしますが、ご興味のある方は是非ともアーカイブ配信をお聞きになってもらえると良いかなと思います。なお、私はN響さんから一銭もお金はいただいておりません(笑)。

ショー@オーナー
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