「ドラゴンクエスト」~ウインドオーケストラコンサート~ 吹奏楽による「ドラゴンクエストⅠ,Ⅱ,Ⅲ」(2025.6.7)

2025年6月7日、水戸市民会館グロービスホールで行われた「吹奏楽によるドラゴンクエストⅠ・Ⅱ・Ⅲ」のコンサートに行ってきました。オーケストラ(管弦楽)コンサートで何度もドラゴンクエストのコンサートを楽しんでいましたが、実はウインドオーケストラ、吹奏楽でコンサートを聴くのは実は初めてとなりました。今回はその様子を記録しておこうと思います。

○このコンサートレポート(備忘録)は記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施している可能性がありますので、完全なコンサートレポートではないことをご了解下さい。
○もし間違いを見つけたり、補記できる項目があれば、コメント欄で書いてもらえると嬉しいです。
日時2025年(令和7年)6月7日(土) 15時から(開場 14:15/開演 15:00)
会場水戸・水戸市民会館 グロービスホール
チケット全席指定 S席5,500円、A席4,500円
出演者指揮 大井剛史
吹奏楽 東京佼成ウインドオーケストラ
その他主催:キョードー東京
協力:スギヤマ工房有限会社/株式会社スクウェア・エニックス

曲目

すぎやまこういち作曲、真島俊夫(吹奏楽編曲)
吹奏楽による
『ドラゴンクエストⅠ,Ⅱ,Ⅲ』

第一部

『ドラゴンクエストⅠ』
♪ 序曲
♪ ラダトーム城
♪ フィナーレ

『ドラゴンクエストⅡ』
♪ 遥かなる旅路~広野を行く~果てしなき世界
♪ 恐怖の地下洞~魔の塔
♪ 聖なるほこら
♪ この道わが旅

(休憩 20分)

第二部

『ドラゴンクエストⅢ』
♪ 世界をまわる(街~ジパング~ピラミッド~村)
♪ 冒険の旅
♪ 海を越えて
♪ おおぞらをとぶ
♪ 戦闘のテーマ~アレフガルドにて~勇者の挑戦
♪ そして伝説へ

<ENCORE>

『ドラゴンクエスト』によるコンサートセレクション

初めてのドラクエ吹奏楽!

これまで、すぎやま先生がこだわって作ってこられたドラゴンクエストの「オーケストラ」をコンサートで味わってきていたんですが、地元の近くの水戸で、吹奏楽の名門である「東京佼成ウインドオーケストラ」が来られて演奏されると知ったときにせっかくだから聴いてみたいと、今回チケットを取らせていただきました。

吹奏楽自体は、金管楽器に代表されるようにものすごく力強い音色が出せるものと、木管楽器のようにちょっと温かみがある音色が出せるもので構成され、基本的には迫力のある演奏を聴かせてくれる形態であるというようにボク自身は捉えています。

そんな中で最初の曲「序曲」が始まったんですが、ドラクエIの序曲なので、中間部があるちょっと珍しい「序曲」となります。出だしのホルンから、オーケストラだとバイオリンなどの弦楽器が音を響かせるところをクラリネットが担う感じとなってました。…と思ったら2周目は金管楽器が入ってきてものすごく華やかな感じになって思わずにっこり微笑んでしまいました。

「序曲」後に、指揮を務められる大井剛史さんがマイクを持ってお話をされはじめました。

大井さんご自身が栃木県生まれだそうで、自己紹介で栃木生まれの話をすると「水戸」のあるところだね、とよく言われてしまい、北関東を一緒くたにされてしまうなんてエピソードをお話されていました。さらに、この水戸市民会館 グロービスホールは座席数が2,000席あるんですが、この日満員になっていて、「水戸で2,000席埋まったのが凄いこと」のようなことを言われていて、茨城以外から来られた方に挙手を求められ(一応挙手しました…笑)、結構県外の方が多くいらっしゃったようで、「水戸市」でも演奏会開催してもらえないかな、なんてボソッと大井さん、おっしゃってましたね(笑)。

そうそう。水戸に聴きにきた理由がもう一つあって、ちょうど2年前にそばの水戸芸術館でテリー・ライリーさんのバースデーコンサートが開催された時に、水戸市民会館がこけら落とし直前で、新しいホールがどんな感じなのかなとずっと気になっていたので、ようやく訪れることができた、という感じです。

建物内をちょっとうろついてみたんですが、結構木材をふんだんに使われていて、木の温かみを感じられる建物に感じました。で、1階フロアは催し物などが開催できるスペースがたくさんあって、作りが福島県の須賀川市にあるtette(テッテ・須賀川市民交流センター)に似ているなあと感じました。設計者が同じなのかも。

話が逸れました。その後、「ラダトーム城」「フィナーレ」と演奏が続きました。あまり、コンサートでドラクエ1のエンディングである「フィナーレ」って聴く機会が少なく、久しぶりに聴いた印象があります。にしても、吹奏楽の演奏のベースはこの日、10人いらっしゃるクラリネットだなと思いましたが、印象的なメロディラインを務められるのはオーボエが多かった印象がありました。独特な音色がありますからね。

ドラクエ2の演奏前に、また指揮の大井さんがマイクをもってしゃべられましたが、『ドラゴンクエストⅡ』では、遥かなる旅路の冒頭でソプラノサクソフォンが使用されており、大井さんがその楽器の持ち替えについての裏話を披露されました。次の曲(恐怖の地下洞)に入る前に、ちゃんと「アルトサクソフォン」に持ち替えていることを確認しないと大変なことになるんですよ(笑)、というお話をされて会場を和ませていました。

また、ドラクエ1と2の音楽の収録と発売の時期のお話をされ、1と2の音楽収録や発売はあまり間を置かれなかったことをお話され、元からサウンドトラックとして発売を考えられていたかは分からないものの、1970年代から1980年代の時期はアニメーションのオーケストラ演奏がされることが多くなってきた時期だったからなのかなという話もあったと思います。また、「果てしなき世界」ではタンバリンのリズミカルな演奏が入るなど、元々すぎやま先生がポップス(GSサウンド)で有名だったから、ドラクエ2のサウンドトラックはポップスっぽい編曲をされているようなお話をされていたと思います。(※ドラクエ2の舞台は、ドラクエ1の100年後をお話であるという設定だったため、「それでは音楽はちょっとポップス寄りにしましょう」と作られたものだったので当然といえば当然のアレンジでした。)

それと、すぎやま先生はドラクエの音楽を入り口に、クラシック音楽に興味を持ってほしいという思いを持って活動されていらっしゃったなんて話もあったかなと思います。なんていう指揮の大井さんのお話の後、ドラクエ2の曲、4曲を続けて演奏されて休憩となりました。演奏自体については、おぼろげに覚えているのは、目の前にハープの方がいて、「この道わが旅」の出だしの音色にうっとりさせていただいたことを覚えてます。コンサート前にも何度も練習されていたのを聴いていて、さらに、いろんなことを思い出させてくれて、ちょっと目頭が熱くなりました。それと「遥かなる旅路」も、オーボエなどの奏でる静かなメロディラインが格別で。この曲もコンサートで聴く機会が少なくて、貴重な体験をさせていただいているのだなあという気持ちでした。

第1部が終了し、休憩に引き続き第2部が始まります。

開演時、指揮の大井さんがひとりでステージに来られます。

7月に宇都宮で公演があるという話。車で20分(冗談でおっしゃってました…笑)でつけるのでぜひというお話と、東京佼成ウインドオーケストラでクリアファイルとメモ帳のグッズを作ったお話をされてました。合わせるとちょうど1,000円というお話をされ、話に乗って終演後に買おうとしたらメモ帳は完売しておりました(笑)。

「さて」と大井さんが話題を切り替えられると、ステージ両袖から東京佼成ウインドオーケストラの皆さんが入場されて来られながら、大井さんは話を続けられます。今度はドラクエ3の話。昨年発売されたリメイクの3をプレイしたかどうか会場のお客さんに挙手を求められ、約半数の方は手を挙げられていたようでした。大井さんもボチボチやらないと、というお話をされてました。

もう一つ、肝心なお話を忘れていました。真島俊夫さんのドラクエの編曲はIX(9)まであるというお話をされてました。残念ながら真島さんがお亡くなりになってしまって、X(10)、XI(11)はないのだということ。その後、「吹奏楽によるドラクエはIX(ナイン)までしかナインです」と言いたかっただけです、というお話をされて、会場の笑いを誘ってました(笑…IX=ナインにかけたダジャレですね)。

そんなお話をされつつ、チューニングの後、『ドラゴンクエストⅢ』の演奏が始められました。「世界をまわる」でオーボエがさらに活躍してました。オーボエはアラビアの民族楽器を改良された楽器だそうで、アラビアだったりアジア系の匂いを感じさせる楽器のようで、「ジパング」では篳篥(ひちりき)的な使われ方、「ピラミッド」ではそれこそアラビア的な音色が印象的だったように感じました。

おおぞらをとぶ」では、出だしのハープの音色とそれにつなぐフルートとオーボエのメロディが秀逸だったと思います。「戦闘のテーマ」などはものすごく力強い演奏でさすが吹奏楽だなと感じたところです。個人的に気づいた点としては「勇者の挑戦」での演奏で、ハープの方が弦をかき鳴らす時にギターの「ピック」みたいなものを使われていたのを見て、「ピック」があるんだ、と思ったのが発見でした。手でやっていると思ってました。そして、この「勇者の挑戦」で、メインの活躍をする管楽器、トランペット、ホルン、トロンボーンなどですが、指揮の大井さんがわざわざ左手で制して、「音を抑えろ」という指示を出していたのは、すごく興味を惹かれました。力強く音を響かせるところかなと思ったんですが、たぶん全体の演奏を聴かせることと、メリハリをつけるためなのかなと思いました。「そして伝説へ」は、出だしのトランペットが印象的で、これまで結構強いパッセージを演奏されていたんですが、ラストもきれいに締めていらっしゃいました。

プログラムはすべて終了し、「そして伝説へ」の終了後、ちょっとした間があって盛大な拍手が送られました。指揮の大井さんは一度舞台袖に戻られた後、再度登場し、演奏された楽団員の皆さんを称え、会場にそれぞれ拍手を促しておられました。

その後、マイクを取られて、この吹奏楽ドラゴンクエストは基本的に、すぎやま先生のオーケストラに忠実に再現するように真島俊夫さんが編曲し直しているんですが、1曲だけ特別に編曲を変えて、少し華やかにアレンジされた「コンサートセレクション」をアンコールとして1曲演奏されるというお話があって、アンコールが演奏されました。

ChatGPTで調べたところによると、この「コンサートセレクション」には『序曲(I)、遥かなる旅路(II)、広野を行く(I・II)、果てしなき世界(II)、広野を行く(リプライズ)、勇者の挑戦(III)、そして伝説へ(III)、序曲(リプライズ)』が含まれているようで、ほとんど繰り返しになるわけですが、アレンジが華やかになって、特に「勇者の挑戦」「そして伝説へ」が全然違うことに気づきました。「勇者の挑戦」は本編ではメロディラインの金管楽器が少し抑えめだったのが、アンコールでは抑えが解放されて全開の演奏を聴かせてくれて、パーカッションが結構追加になっていてすごくリズミカルで力強いものとなってました。そのためもあってか、「そして伝説へ」の出だしは印象的なトランペットではなく、その後にいったん落ち着くフルートとグロッケン、そしてクラリネットの音色からのスタートとなってました。続けざまにトランペットが続くのは息が続かないでしょうし。なんて感じでしたが、最後に大迫力のブラス・ドラゴンクエストを聴かせていただき、満足のコンサート鑑賞となりました!

最後のまとめ

吹奏楽のドラゴンクエスト、なかなか良かったです。

吹奏楽は「9」までということで、どなたか「10」「11」を作られても良いのではないかなと個人的に思ってます。吹奏楽版が出来れば、学校の吹奏楽部などでも演奏ができるでしょうし、どなたか許可をとって編曲されてみてはいかがでしょうか?(…非常に無責任な言い方…汗)

オーケストラでの鑑賞がメインではありますけど、吹奏楽も機会を捉えて引き続き聴いていきたいと思わせてくれたコンサートでした。指揮の大井さん、演奏をされた東京佼成ウインドオーケストラの皆さん、素晴らしい演奏どうもありがとうございました!!

2025.06.08 03:05 仮掲載(ChatGPT校正のみ…画像は後日追加します。)

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