映画『違国日記』を観て
先日、星野源さんと新垣結衣さんの騒動をネットで見かけて、その時に映画『違国日記』のことが目につき、配給と製作が「東京テアトル」であることに気がついて、ちょっと観てみたいなあと思っていたので観に行ってきました。
「東京テアトル」は、アニメーション映画『この世界の片隅に』の配給をしていた会社だったのでちょっと親近感があったってところなんですけどね。結構、骨のある映画を配給するイメージがあって、それこそ『この世界の片隅に』を本拠地で観るため、新宿テアトルに行ったことがあります。
約半年ぶりの映画館だったんですが、お客さんがおそらくボクも入れても4~5人くらい…(苦笑) 地方は仕方ないのかも。新垣さんが主演っていうのはキラーアイテムではあるものの、やっぱり地味っていうのはあると思います。
でも、映画自体はラストにほんの少しかも知れないけどみんなが前に一歩、歩みを進むことを感じさせ、それを観客に委ねる感じの描かれ方をしていてそこがすごく良かったと思います。
小説家の女性・槙生(まきお)のもとに、中学生の姪、朝(あさ)が来ることになった。槙生の姉夫婦が突然交通事故で亡くなってしまい、朝がたらい回しにされるのを見かねて勢いで引き取ることとしたからだ、っていうあらすじになります。あまり単純な言い方をすると誤解をされそうですが、主要人物が女性ばかりなので、この頃の女性の生き方に注目したような作品かなとボクなりに解釈してます。
新垣結衣さんがキレイなのはもちろんですが、ダブル主演の朝役の早瀬憩さんもすごく良かった。小動物的にかわいかったのもあるし、演技も良かったんじゃないかと思います。他にも若い女優さんが学生役で4名出てくるんですが、それぞれのエピソードも軽くではあるけど、うまく描かれていたと思う。
下の予告編で流れている、十明さんが歌う『夜明けのあなたへ』がなかなか良い曲だなあと感じました。たぶん、映画本編では使用されていない宣伝時の時に使用される「インスパイアソング」のようですが。本編にも流れていたような気がして。そこまで気にせず鑑賞したので、よく覚えていないところです(苦笑)。
音楽は高木正勝さん。ところどころ、気づいた時にピアノの音色が流れているんですが、BGMは気づいたときにピアノオンリーの音色が流れていました。サウンドトラックがほとんどピアノのみで構成されているような印象でした。サウンドトラックは配信のみのようなのでちょっとどうしようか検討中ですが。
そうそう。朝の振る舞いや発言から、若い人たちの考え方、疑問の持ち方って、現代の独特な感じがするよなあっていうことを感じました。大人と子供は違うってデジタル的に切り分けちゃう感覚だけど、すでに大人になっている側からすると、子供のころから今まで連なっていて、子供のころと実はさほど変わっていない大人もいる、みたいなことが、朝がいまいち理解できずにいるような感じがあって、その反応に対して目から鱗でした。ボク自身、心の中は10代、20代のころと変わらない感覚でいたつもりでいるんですが、周囲の環境が変わってくると、感じ方も少し異なってくるのかなということを感じました。
〔オーナーのお薦め度〕
映画『違国日記』 ★★★★★☆ 星5つ
観る人を選ぶ映画だと思います。たぶん、女性向けの映画なんだと思います。監督さんも女性の方ですし。でも男性も観て良いと思う。画のつけ方が一部わざとらしいところはあるようにも感じましたけど、違和感なく観ることができて、正直に言えば、なんか良く分からないけど、多くの人に観てもらいたいなあと素直に感じた作品でした。映画ってこの「良く分からない」部分がたぶん重要な気がする。