ドラゴンクエストの世界 すぎやまこういち 交響組曲「ドラゴンクエストVIII」空と海と大地と呪われし姫君(2023.4.29)

山形交響楽団 特別演奏会
~ やまぎん県民ホールシリーズ2023 Vol.1 ~

去年の4月も山形でドラゴンクエストコンサートを堪能したんですが、「山形」良いなあと思って、再び山形交響楽団のドラゴンクエストコンサートを聴くため、山形に1年ぶりに来ました!

その模様を簡単なレポート、備忘録として記録にとどめておこうと書き記すものです。次の注意事項をご覧の上、お読みいただければ幸いです。

※注意
○このコンサートレポート(備忘録)は記憶をたぐりながら書いていったものであり、記憶が抜け飛んでいるところなどについては、脚色を施している可能性がありますので、完全なコンサートレポートではないことをご了解下さい。
○もし間違いを見つけたり、補記できる項目があれば、コメント欄で書いてもらえると嬉しいです。
日時2023年(令和5年)4月29日(土) 15時から(開場 14:00/開演 15:00)
会場山形県山形市・やまぎん県民ホール
チケット全席指定 S席5,000円(税込) A席4,000円
出演者指揮とお話 大井剛史
管弦楽 山形交響楽団/コンサートマスター 髙橋和貴
その他主催:公益社団法人山形交響楽協会、山形新聞・山形放送
共催:山形県総合文化芸術館 指定管理者 みんぐるやまがた
後援:山形県、山形市、山形県教育委員会、山形市教育委員会
協力:スギヤマ工房、株式会社スクウェア・エニックス

曲目

序曲 Overture
馬車を曳いて Travelling with Wagon
穏やかな街並み~静かな村~錬金がま Peaceful Town ~ Quiet Village ~ Aichemy Pot
広い世界へ~大平原のマーチ Strage World ~ Marching through the Fields
対話 Chatting
ひんやりと暗い道~暗い道の奥で Cold and Gloomy ~ In the Dungeon Depths
讃美歌に癒されて~修道僧の決意 Healing Power of the Psalms ~ Friar’s Determination
つらい時を乗り越えて~急げ!ピンチだ Over the Sorraw ~ Hurry! We are in Danger
神秘なる塔 Mysterious Tower
そうだあの時は~それ行けトーポ Reminiscence ~ Go Topo Go !!
雄叫びをあげて~難関を突破せよ War Cry ~ Defeat the Enemy

休憩

この想いを… Remembrances…
城の威容~王宮のガヴォット~城の威容 Majestic Castle ~ Gavotte de Chateau ~ Majestic Castle
詩人の世界 Poet’s World
海の記憶 Memories of an Ancient Ocean
忍び寄る影 Stalked by Fear
闇の遺跡 Ruins of Darkness
大聖堂のある街 Sanctuary
おおぞらをとぶ Heavenly Flight
終末へ向かう Nearing our Destiny
ドルマゲス~おおぞらに戦う Dormaguez ~ Great Battle in the Vast Sky
空と海と大地 Sky, Ocean and Earth

アンコール
序曲(VIII) Overture(VIII)

屋外特別演奏(コンサート前)

コンサートに先駆けて、13時45分から山形交響楽団の金管メンバーによる屋外特別演奏がありました。それでは2曲お披露目されて、ブラス版「序曲」と、「そして伝説へ…」が演奏されました。撮影OKとのことだったので、それぞれ曲の頭が切れてしまってますが、雰囲気が分かると思いますのでツイッターからの転載をしておきます。屋外での演奏だったんですが、金管楽器の音が周囲に力強く響いていてよかったです。

第一部

屋外演奏が行われた直後の14時に開場されたんですが、屋外演奏の際に「急がずにゆっくりご入場ください」なんてアナウンスをされていました。ホール前では〈おいでよ!青空キッチン〉というキッチンカーでラーメンやコーヒーなどをいただけるイベントが開催されていて、私もアイスコーヒーをいただいたりしたんですが、そんなイベントをやっていたこともあり、屋外演奏では多くのお客さんがホール前のスペースに結構いらっしゃっていました。おそらくドラクエファンじゃない方も結構駆けつけていたのかな?

コンサートの内容がもう覚えていないところが多くなってきてますが、さっそく内容について書いていきたいと思います。

毎度のことながら、定刻を迎えると、山形交響楽団の皆さんがステージ上に入場されるんですが、その際に開場から温かい拍手が。山響さんのコンサートはいつも入場時に拍手が送られていて素晴らしい習慣だと思います。

さっそく「序曲」の演奏が始まったんですが、今回の金管の皆さんの音色がものすごくパワフルで序曲からパワフルに音色を響かせていました。聴きながら思い出したんですが、前半と後半で曲構成が変わっていることを。前半はトランペットがメロディラインを引っ張っていく感じなんですが、後半は低音部が主体になってホルンなどがメインに変わっているのが印象的でした。

「序曲」を弾き終わって、指揮の大井さんがマイクを取られ山形交響楽団の皆さんをご紹介されたんですが、通常のコンサートでは山響さんにはコンサートマスターが3名いらしゃって交代で担当されているそうなんですが、今回はコンサートマスター3名が揃っているとのことで、ソロ・コンサートマスターの髙橋和貴さんに引き続き主席コンサートマスターの犬伏亜里さん、コンサートマスターの平澤海里さんのご紹介をされてらっしゃいました。

そのあと、ドラクエ8は曲が多いため、第一部は残りの曲をすべて続けて演奏するとのことでした。

馬車を曳いて
フルートとストリングス中心のちょっと短めの曲で、嵐の前の静けさを感じさせるような曲ですね。

穏やかな街並み~静かな村~錬金がま
(穏やかな街並み)
出だしの力強いストリングスから、ゆったりとしたフルートに移り変わっていく流れで、フルートと弦楽器の掛け合いが多い曲です。そこにホルンの音色などが加わってくる感じ。パーカッション(あまり使われない楽器「ポコンポコン」という音色)も印象的な曲でした。

(静かな村)
出だしのハープのきれいな音色が今でも記憶に残っています。そのあと弦楽器やフルートにメロディが移っていく曲でした。

(錬金がま)
フルート・オーボエ・ハープ主体だったかな?(ファゴット入ってるかも?) そのあと弦楽器にメインが移っていく感じで、変拍子で不可思議な曲です。アイテムをかまに入れて錬金するので、不可思議でもちろん合っているんですけどね。

広い世界へ~大平原のマーチ
(広い世界へ)
ハープの音色から弦楽器へ移り変わる出だしの曲です。ドラクエ8でゲームスタイルが変わり、レベルファイブが開発に加わり、広大なフィールドを見渡して旅をすることができるような3D化がされて、そのフィールドにすごくマッチするような広大な平原を感じさせる、ゲームを象徴する1曲ではないかなと思います。その後、メインメロディはトランペットからフルート、弦楽器へと移り変わっていきます。

(大平原のマーチ)
ドラムが引き金になって「広い世界へ」が勇壮なマーチへ変わります。ゲーム上だとキラーパンサーと呼ばれる巨大な豹の魔物を仲間にして、その背中に乗って世界を駆け回るイメージだと思います。今回ドラムの方が非常にパワフルでよかったです。オーケストラ全体をドラムで引っ張っている感じがして。金管、特にトランペットはおそらく「音を少しくらい外しても良いからパワフルに行きましょう」と言われていたのでは、ってくらい力強い。実際、ちょこちょこ音を外されるところはあったが、それをパワフルさが補っている感じ。大井さんの指揮もパワフルでした。

対話
出だしからのシロフォンの音色が印象的な楽曲です。スネアがちょこちょこ顔を出すのがまたいい感じです。今回パーカッションが6人体制で、全体的にパーカッション(ドラムを含めて)が大活躍するのがこの交響組曲「ドラゴンクエストVIII」の特徴ではないかなと思います。

ひんやりと暗い道~暗い道の奥で
(ひんやりと暗い道)
弦楽器が主体の曲になってます。途中から「穏やかな街並み」と同じように「ポコン」「パカン」となるパーカッションの音色が印象に残ります。

(暗い道の奥で)
この曲は「ひんやりと暗い道」の変奏曲みたいな感じで、ちょっと音が低いチェロとかホルン、チューバ、コントラバスが主体に変わって、ちょっとドラム(というかスネア)が入る感じの曲です。

讃美歌に癒されて~修道僧の決意
(讃美歌に癒されて)
弦楽器とホルンの荘厳な出だしから、途中からトランペットが入ってきて重厚感が強くなる曲です。今回、金管楽器の皆さんもすごく力強い演奏が印象に残ってます。

(修道僧の決意)
オーボエからクラリネットへつながるメロディ。そこからストリングスがつながってきて金管も加わるなど徐々に力強い演奏へつながっていきます。荘厳ではあるんですが、秘めたる内なる力を表すかのように、弦楽器、ホルン、トランペットなどがメロディを展開していくんですが、微妙なバランスを保ちながら展開しているように感じます。ちょっと不協和音が入っているのかな。「修道僧の決意」からまた「讃美歌に癒されて」に戻るところでのrit(テンポが遅くなるところ)を、見事な大井さんの指揮により綺麗に縦線が揃っていた記憶があります。

つらい時を乗り越えて~急げ!ピンチだ
(つらい時を乗り越えて)
寂しげなフルートの音色にハープが寄り添うような出だし。そのあとメロディラインはバイオリンからオーボエに移っていく。オーボエは山響で随一のドラクエプレイヤーの柴田さんのソロがありました。

(急げ!ピンチだ)
前曲の寂し気な曲から打って変わって、パーカッションとドラムが活躍する曲。中盤と終盤、パーカッションのソロの箇所があって、演奏される方によって若干ニュアンスが変わったりして面白かったです。以前のコンサートで、元々は都響に上手いパーカッション奏者の方がいたため、すぎやま先生がソロ部分を任せたようなことをおっしゃっていたような記憶がありますが、まさにパーカッションの方の見せ場で、今回、良い演奏でした。

神秘なる塔
これも「穏やかな街並み」「ひんやりと暗い道」で使われたパーカッションが印象的に使われてます。民族楽器的な音色のように感じますが、おそらく通常のオケにある楽器を使われているはずです…(違ったらゴメンナサイ)。オーボエやらフルート、ストリングスとメロディが移り替わりつつ、不思議な雰囲気のする曲でした。

そうだあの時は~それ行けトーポ
(そうだあの時は)
オーボエのメロディから始まるこれも不思議な曲。オーボエのメロディを支える弦楽器と、そのあとを引き継ぐクラリネット。これもちょっと荘厳な感じを受ける曲だけど、ちょっと素朴さもある曲でした。

(それ行けトーポ)
「穏やかな街並み」「ひんやりと暗い道」「神秘なる塔」で使われている印象的なパーカッションが鳴り響きつつ、ピッコロやクラリネットの音色が行ったり来たりして、せわしないけどちょっとかわいげのある曲。トーポってリスでしたっけ? ネズミかな? 小動物がぴょこぴょこ飛び跳ねるさまが感じられます。

雄叫びをあげて~難関を突破せよ
(雄叫びをあげて)
本来は金管楽器が主役の曲だと思うんですが、今回の山響バージョンはドラムがめちゃくちゃ音が強く、金管楽器よりドラムの音が強く感じてました。それに引っ張られて金管楽器もフルスロットルで音を響かせている感じ。「大平原のマーチ」でも書きましたが、多少の音ズレは気にせずに強い音を鳴らすように指示が出ていたのではないか、と思うくらい、多少音を外しても、勢いで聴かせるような感じでした。そのパワフルさが今回は際立っていたように感じます。それが良かったと思います。ミスを厭わず、パワフルに振ったのは正解だったと思います。(この辺りは好みもあるとは思いますが。)

(難関を突破せよ)
「雄叫びをあげて」と同じようにリズミカルでパワフルな演奏でした。トランペットのソロ箇所も若干音外しがあったように思いますが、勢いがそれをカバーしていたと思います。

◇◇◇◇◇◇◇◇

以上で第一部の演奏が終了し、15分程度の休憩時間に入りました。

第二部

第二部に入る前に、指揮の大井さんがステージに入場されて、マイクを持って演奏前にお話をされはじめました。その内容は次のようなことだったような記憶がありますが、漏れているものもたぶんあると思います…(苦笑) 順不同なので前後するのもご了承ください。

・ロトシリーズと天空シリーズは人気が高く演奏されることが多いが、そんなに注目されない(苦笑)VIIIの演奏会で満席となったのは大変うれしい。
・山響初のVIIIの演奏会ということで、ドラクエVIIIをプレイし、昨日やっとクリアができた。(会場から拍手)
・ゲームをクリアしただけでこんな多くの2,000人のお客様から拍手をもらえるなんて嬉しいとのお話に会場から暖かい笑いが起こってました。
・山響はドラゴンクエストのナンバリングタイトルはまだコンプリートしていないが、今日の満席でコンプリートも夢ではなくなった。
・そんなことを言いつつ、来年「3」あたりを演奏するかも知れませんが…(笑)
・「ドラクエ8」の音楽を初めて聴いた人を挙手を求められ、結構手を挙げている人がいらっしゃいました。すぎやま先生がドラゴンクエストをオーケストラで演奏する活動をしていたのも、ドラクエをきっかけにクラシックに興味を持ってほしいという思いがあった、なんて話もあったと思います。
・山響さんにもドラクエ通の方がいらっしゃり、8を北米版でプレイされたり、ドイツ版をプレイされた方がいらっしゃるとのこと。
・今年は5月に久慈で、9月に新潟でコンサートがあることを紹介されていました。

洩らしていることはあるかもしれませんが、こんな内容のことを大井さんがしゃべっている中、山形交響楽団の皆さんが舞台に入場されて、おしゃべりが終わるころには皆さんすでに配置についている状況でした。大井さんはお話を終えられ、いったん舞台袖に戻られ、チューニングののちに再び大井さんが登場し、第二部の演奏が始まります。

この想いを…
ゲームで使われている場面を覚えていないんですが、弦楽器の調べからオーボエ、フルートへとメロディをつなぎ、静かな思いを内に秘めている感じのある曲だなあと感じます。途中、ホルンやビオラのソロがあったように記憶してます。ビオラ主席の成田さんのソロ、綺麗にホールに響いていました。ビオラのソロは結構珍しいので印象に残っていました。

城の威容~王宮のガヴォット~城の威容
(城の威容)
この辺りはあまり覚えていないんですが、曲としてはすごく短いんですよね。ホルンの勇ましい演奏が印象的でした。

(王宮のガヴォット)
「ガヴォット」とは何かと調べると、フランス地方のフォークダンスやそれに由来する古典舞曲(wikipedia参照)だそうで、王宮の大広間あたりでダンスをしているイメージなんでしょうか。ピッコロトランペットが吹き鳴らすメロディが印象的でした。

詩人の世界
ハープとビブラフォン、バイオリン(ピチカートも印象的)が活躍する曲でちょっと不可思議な空間にいるような曲ですよね。ゲームの場面を覚えていないんですが、神秘的なキャラが出てくるときの曲のようですね。特にハープとビブラフォンの高い音色が澄み切った空気感を感じさせます。

海の記憶
曲の出だしはバイオリンとハープが厳かな雰囲気を醸し出していますが、すぐに金管、木管が入ってきて、壮大な海原を感じさせるような力強い響きとなります。途中弦楽器のピチカートとオーボエ(かな?)のちょっと楽し気な、もしかすると海鳥のやり取りを模しているかのようなメロディを挟み、また盛大なメロディに戻っていきます。

忍び寄る影
中ボスの「ドルマゲス」のテーマのような曲ですね。弦楽器で出だしに短い象徴的なフレーズを入れた後、おどろおどろした演奏が続いていきます。

闇の遺跡
弦楽器と金管の演奏がメインですが、荘厳な雰囲気がありつつ、不協和音でおどろおどろしく演奏されたり、ところどころで力強い重厚な演奏になったりします。

大聖堂のある街
出だしのトランペット、ホルンのファンファーレが印象的な曲ですね。そのあと、弦楽器が続いていくような流れ。この曲、エンディングでも使われていたり、要所要所で演奏されるため印象に残っていることもあり、ふとプレイしている当時を思い起こしてしまいました。当時の記憶を思い起こしつつ、やまぎん県民ホールでオーケストラの音楽の響きを五感を使って体感できていることのありがたさを感じて思わず涙してしまいました。なんか、VIIIを表している代表曲の1つと言ってもいいんじゃないかなと思います。

おおぞらをとぶ
ご存じの方は多いと思いますが、もともとはドラクエIIIの終盤、不死鳥ラーミアの背に乗って断崖絶壁の山脈の頂上に位置する魔王城に向かうときに流れる曲です。フルートソロ、オーボエソロで素晴らしいメロディラインを演奏してくれます。ソロで演奏された後、弦楽器と木管楽器、金管楽器も加わって力強くも、果てしない壮大な空の旅を感じさせてくれる演奏は毎回、心が洗わされるような感覚になります。伝説の鳥ラーミア(今作はラティスですが。)に乗り、大空を舞うような感覚が、まさにこの曲なんだろうなあと思いながら、さらに涙してしまいます。

終末へ向かう
ラストダンジョンの曲ですね。バイオリンの強いトレモロ(小刻みに演奏する技法)をバックにフルート、ホルンがメロディとは言えないメロディを弾き、怪しげな雰囲気を醸しだしています。途中からコンマス高橋さんの印象的なバイオリンソロが入ってくるなど、表情が結構変わる面白い曲です。

ドルマゲス~おおぞらに戦う
(ドルマゲス)
印象的な中ボス「ドルマゲス」の戦闘曲。ピエロの恰好をしたドルマゲスって、ゲーム中、結構印象的な悪役キャラクターですよね。序盤から何度か顔を出していて、その風貌から印象に残りますよね。ゲーム上も結構倒すのに苦労した記憶があります。第2形態の翼を生やしたヤツが結構強かったですね。って、話が逸れましたが、曲の話に戻すと、シンバルとストリングス、金管が「ドーン」と始まりますが、テンポが若干遅めで、一定のテンポでストリングスが同じようなメロディを繰り返しつつ、ホルンやトランペットがメロディをつないでいく感じです。今回は迫力のある演奏でしたが、個人的に「ドルマゲス」のゲームのオリジナル版が好きだった時期があって、それこそミニマルミュージック(短いフレーズを少しずつズレながら繰り返す音楽)みたいに淡々と演奏したら「おおぞらに戦う」と対比できて面白いんじゃないかと勝手に思いながら聴いてました。どなたかそのパターンで演奏していただけないでしょうか…(苦笑)

(おおぞらに戦う)
「おおぞらにとぶ」をラスボス用に変えた変奏曲ですね。たしか発売されたオリジナルサウンドトラックで一番最初に聞いたときは、「これは反則だろう?(笑)」と思いながら聴いた記憶があります。力強い大井さんの指揮と、ドラムがめちゃくちゃ全体を引っ張っていたのが印象に残っています。トランペットなどが若干音を外し気味のところもありましたが、ドラムのボリュームに圧倒されまいと、負けないくらいに力強い音を響かせていました。個人的にはこのくらいパワフルな演奏が好みでした。振り切っちゃっていてよかった。最後のrit(楽譜記号でだんだん遅くの意)の場面では、大井さんの指揮で全体をコントロールされていて、音もずれずに綺麗にオーケストラがテンポが遅くなっていたのを見て、凄いなあと思いながら観ていました。

空と海と大地
出だしは弦楽器とフルートからでした。エンディング曲なので曲想がいろんな形に変わりますね。ゆったりしたり、勇壮な感じになったり。ゆったりとした気持ちで聴かせてもらいました。この曲、ゲームでのオリジナルサウンドトラックではピアノ演奏が入ってくるですが、2008年2月の『都響スペシャル「すぎやまこういちがやってきた!〜ヒット曲からドラゴンクエストまで〜」』というコンサートで一度だけピアノを入れて演奏されたことがあるんです。もう一度、ピアノを入れたバージョンのものを聴いてみたいなあと思ったりするんですが、なかなか厳しいかなあ、なんて。どうでしょう、イベンターの方。

第二部の全ての演奏が終わり、会場から割れんばかりの拍手が山響の皆さんと指揮の大井さんに贈られます。大井さんがいったん舞台下手に戻られたあと、再入場されつつ、各セクションの皆さんを称えながら拍手を贈り、それに合わせて会場からも拍手を贈らせていただきました。

アンコール

拍手に応えてのアンコールとなるんですが、その際に大井さんがマイクを持たれて少し話されてました。

・実は4/30は大井さんとオーボエの柴田さんの誕生日であるとのこと。なので4/29・30と2回公演にして誕生日にドラクエの演奏ができるとすごく嬉しいというお話をされていた。
・アンコールはすぎやま先生のコンサートに倣って、最後にもう一度序曲を演奏します。(うろ覚えでちょっと違うかも知れません。もうちょっと他にもお話があったような記憶もあります…)

ということで、再び「序曲」の演奏です。

序曲
コンサートの一番初めに聴く「序曲」とはまた違った気持ちで改めて聴き返せてすごくよかったです。もちろん、どちらも全く同じ演奏にはなるんですが、すぎやまこういちファンとしては「序曲」で始まり、「序曲」に終わるって、理由はないんですがすごく心地よさを感じるところがあります。すぎやま先生が指揮をされていた際にも、一時期、コンサートのアンコールで「序曲」が定番になっていた時期もあり、これもこれでよいなあと思って聴いていました。最後の音が締めくくられた後、拍手まで結構な間があったような記憶があります。ボクも含めて観客の皆さん、ホール内の余韻を楽しまれていたのだろうと思います。

あとがき

ツイッターでも書きましたが、山形の皆さん、オーケストラ慣れしてらっしゃって、曲終わりの余韻をじっくり楽しんでから拍手をされているのが素晴らしいなあと思いながら聴いてました。よく音が鳴りやむ前に我先に拍手だったり、ブラボーなどの掛け声をかけてしまう方がいらっしゃったりするんですが、どの曲だったかは忘れてしまいましたが、曲終わりに音が鳴りやんで2拍くらい無音の時間が感じられた曲がありました。会場内に響く余韻を十二分に感じてからの拍手で、「オーケストラの余韻を感じる」のを今回はすごく体感することができて、山形まで足を伸ばしてよかったなあと感じました。やっぱりオーケストラって良いですよね。

そんなところで山形でのコンサートレポートは以上になります。鑑賞から時間が過ぎてのレポートというより備忘録ですが、すでに記憶から離れているものも多く、あまりレポートにはなっていませんが、当日の雰囲気がちょっとでも伝われば幸いです。拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

ツイッターより

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