第二楽章 男鹿和雄展
今日は、郡山の「ビックパレットふくしま」で実施されている「第二楽章 男鹿和雄展」に行ってきました。
実は先週の展覧会初日に男鹿和雄さんご本人がいらっしゃってサイン会があったんですが、先週は都響のコンサートだったので、泣く泣く諦めました。っていうか、この展示会自体、先週になって実施されることが分かったくらいのノーマークでした(苦笑)。
郡山青年会議所さんが主催ということからか、あまり大々的な宣伝をしているわけではないのと、ジブリが直接関係していないのもあって、あまりお客さんがいらっしゃってませんでした。ま、終了時間ちょっと前だったので余計だったんですけど。
この男鹿和雄展の趣旨は、吉永小百合さんが行っている広島・長崎の原爆を題材にした詩の朗読をされていて、その後起こった福島第一原子力発電所事故を題材にした朗読もされることになり、朗読を収録したアルバムの挿絵を男鹿さんが担当されており、これまでの男鹿和雄さんと吉永小百合さんのコラボレーションについて、男鹿和雄さんの絵をメインに展示会をされているといった趣旨で良いのかなと。
映画に使われた絵ではないので、大きな絵は無く、小さめな絵ばかりで迫力は無かったんですけど、最初の展示が福島の原発事故を題材にした絵が並ばれていて、楢葉町や富岡町の、黒い除染袋が並んでいる不自然な光景や、バリケードが張られている奥に綺麗に咲いている桜の木々の絵などが描かれていました。絵で描いたものなのに、立体感を感じる絵が多くて、「すごいなあ」と感心するばかりでした。
個人的に印象深かったのは収穫されずに実がそのままにされて残ってしまっている柿の木の絵が2種類あったんですが、人が入れずに収穫が出来ないし、そもそも入れたとしても放射性物質を気にして食べることができない状況で1枚目の絵は柿の実がそのままになって色がくすんでしまい虚しさを感じさせる絵があって、その一方、逆に鮮やかな柿の実が立体的に綺麗に並んでいる美しい様子が、周りの原発災害とのコントラストで鮮やかに映し出されている方向性が真逆の絵が並んでいて、心が引かれました。
男鹿さんも一昨年(平成24年・2014年)に富岡町にいらっしゃっていたようで、ボクも何度か訪れている富岡駅の写真やスケッチが展示されておりました。あと、富岡の桜の綺麗な「夜ノ森」だと思いますが、バリケートが張られていて進入できない夜ノ森の桜の名所の入口当たりと思われる写真がありました。夜ノ森は友人の地元で、桜が綺麗だと聞いていたのでいつか行ってみようと思っていたんですが、こんなことになるとは思わなかったからなぁ… ちょっと残念です。そうそう、男鹿さん、放射線を簡易的に防御する作業服を着られていた写真もありました。
ま、現場を自分の目でも見ているので、インパクトとしてはそんなに感じなかったんですけど、男鹿さんの優しい目線が感じられて良かったです。作品数は多くなかったですけど、1時間弱で鑑賞できました。混んでいないのでゆっくり観ることが可能ですので、ジブリ作品がお好きな方など、足を運んでみていただきたいなあと思います。開催は3月21日(月・祝)までとなっておりますのでお見逃し無く。