「沈まぬ太陽」評
先日、話題の「沈まぬ太陽」を観てきたので、せっかくなのでレポしておこうと思います。
ストーリー
フィクションとされていますけど、日本航空と御巣鷹山墜落事故をオマージュした作品で、原作読んでなかったからなおさら映画を観たときに「国民航空で御巣鷹山墜落!? 大丈夫かこれ?」と思っちゃったんですけど、結構大丈夫ではないみたいですね(苦笑)。ま、大まかな流れとしては、渡辺謙演じる恩地が、国民航空の労働組合委員長として「会社のため」に辣腕を振るうも、海外左遷により不遇の時を過ごすが、たまたま設立35周年記念パーティのため帰国していたなかで、自社飛行機が御巣鷹山で墜落事故を起こして……というストーリーです。
映画館の様子
年配の方が多かったですね、やはり。って、このときはたまたま平日に観に行ったので、特に若い人たちがいなかったのかも知れませんが… でも結構お客さんはいましたね。CMもやっていたし、映画館内でのCFも結構インパクトありましたからね。こういう重厚感あるれる社会派映画が好きなタイプには「外せない」映画です。
印象
にしても長い映画でした(笑)。上映時間3時間22分(苦笑)。しかも途中で10分間の休憩があるんですよ(爆)。休憩時間のある映画なんて初めてだったのでビックリしましたよ、ホント。中身の方は、やっぱり重厚感はたっぷりありましたけど、個人的な見所としては恩地と、同僚である三浦友和演じる行天(ぎょうてん)とのやりとりの移り変わりや、信念を貫いた恩地を演じる渡辺謙の演技でしょうかねぇ。政治と会社との間にある闇の部分なんかもあって、その中で仲間のために信念を貫くと、家族が犠牲になる状況での葛藤なんかの描写は結構惹かれた部分でした。
俳優陣の演技
やっぱり渡辺謙は上手いですよね。文句は無いと思います。三浦友和も良かったと思うし、松雪泰子、鈴木京香はその時代の女性として演じられていたんじゃないかと思います。そうそう、石坂浩二もなかなかでしたね。今回は国民航空の会長なって会社の再建に当たるという重要な人でしたが、すごくかっこよかった。『私は貝になりたい』でも似たパターンで、軍の上官役でかっこよかったですけど、石坂さんの「偉いのに偉ぶらず、下の人たちを思いやる人物」を演じるのははまり役だと思いますね。
音楽
音楽は残念ながら覚えてないですね…(汗) 映像の邪魔をせずに結構良い感じだったかなと思ったことしか思い浮かばない…(苦笑)
…でも、最終的に何を伝えたかったのか、ボクには捉えきれませんでした。この辺はラストの部分を観てもらわないとどうしようもないんですが、日本航空と御巣鷹山墜落事故をオマージュにするような危険を冒してまで描こうとしたものが良く分からなかった。非常に日本的な「組織人」というものを捉えようとしたのか、日本の社会構造などに警鐘を鳴らしているのか。ちょっと、うーん、という感じだったかな。そこはボクの知識のなさを露呈しているだけなのかも知れません(苦笑)。
オーナーのお薦め度
映画「沈まぬ太陽」 ★★★★★☆ 星5つ
(映画撮影にいろいろと苦労をしたんだろうなあと思わされる映画で、「大作」感は十分感じる内容でした。映画を観た直後は「いやぁ、すごかったな」と思ったんだけど、いろいろ思い返してみると「結局何だったんだろうなあ?」といった疑問が出てきちゃたのが手放しで良かったと言えないんですよね…)