久石譲 Orchestra Concert 2009 Minima_Rhythm tour

日時 平成21年(2009年)9月3日(木) 午後6時30分開場 午後7時開演
開場 東京 サントリーホール
指揮・ピアノ 久石譲
演奏 新日本フィルハーモニー交響楽団
ソロコンサートマスター 崔 文洙(チェ・ムンス)
コーラス 栗友会合唱団
主催 ニッポン放送
特別協賛 AIGエジソン生命
企画 ワンダーシティ
制作 PROMAX
協力 ユニバーサルミュージック

ちょうど衆議院議員総選挙が行われ、民主党が大勝し、政権交代が目前に迫っている2009年(平成21年)の夏、久石さんのコンサートツアー『ミニマリズムツアー』のファイナルを飾るサントリーホールに出向きました。

現場に早めに着いてしばらくまったりとしていたんですが、すでに秋風が吹いていて少し肌寒い感じがする状況で、天気もちょっとぐずついていたせいもあって、6時前にすでに薄暗くなってきてました。

今回もエジソン生命の特別窓口があり、おそらくは生命保険等の保険商品を購入のお得意様がご招待されているんだろうなあと思います。金融危機により経営危機に瀕しているアメリカ・AIGの影響からか、いつも頭に記載されている「AIG」の文字は今回は無し。ま、そんなことはボクら観客には関係のない話ではありますが。

開場時間は6時30分でしたが、サントリーホール入り口上部からからくり時計のようなものが動きだし、10分ほど早めの開場を伝えてくれました。


会場内に入ると、スタンド花が多数見受けられます。宮崎監督、サントリー伊右衛門チーム、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、作詞家の森雪之丞さん、二ノ国のレベルファイブ日野さんなどなど。そういえば休憩中に日野さんと麻衣さんを見かけました。二人で何かお話をされてたようです。

また、ツアーパンフは例のごとく1,500円で売られていました。が、大きくて鞄に入らないサイズ(汗)。ま、これは仕方ない。それと、ツアーファイナル前日・当日のサントリーホールでは養老先生との対談の本「耳で考える-脳は名曲を欲する」が先行発売されてました。思わず買ってしまいました。

そういえば、ホール内で気づいたのは設置されているマイクが多かったこと。記録用にしてはちょっと多すぎる。天井から吊されているやつだったけど、合唱団向けのもの、ピアノ用もあったし。ライブ音源化されたりするんだろうか。ま、それは今の段階ではハッキリしませんけどね。

自分の座席を確認したり、会場でお会いした皆さんと話をしていたらいつの間にか開演の時間に。

ふと、ホール内の照明が落ち、ステージが明るく照らされると、まず最初、グレーのスーツを着た久石さんがマイクを持って一人で入場してきました。会場から盛大な拍手が送られます。

最初に挨拶した後、これまでの自身の歩みを説明。

20代から30歳に掛けてミニマルミュージックをやってきて、ふとした切っ掛けから映画音楽をやり始めたけど、ここのところ指揮をやったりクラシックの曲をやる機会があって、「作品」としてしっかりしたものを作りたいという思いがあったとのこと。

原点であるミニマルミュージックの集大成として、ロンドンのアビーロードでロンドンシンフォニーとともに、今回自分の夢でもあったアルバムを作り上げることができた。それが今回のミニマリズムであるんだと続けて口にされた。

その後、コンサートの曲順に沿って、楽曲を説明していきます。

最初の曲『Links』は2年前に作った曲で、依頼を受けて作った曲。

その後『MKWAJU』は30歳の頃作った曲。東アメリカの木をモチーフにしたもので、オーケストラに新たにアレンジした。

『DA・MA・SHI・絵』も若い頃に作ったミニマルミュージック。

その後、『Sinfonia』以降のすべての楽曲について、ひと言、ふた言の説明をされていきました。ミニマルが主体で難解なため、はじめに説明をしておきたかったんでしょうね。お客さんが置いてけぼりにならないようにという配慮なんだろうと思います。

ひとしきり説明した後、久石さんはいったん退場し、代わりに新日本フィルハーモニー交響楽団の皆さんが入場、ソロ・コンサートマスターの崔文洙(チェ・ムンス)さんが客席に向かって深々と一礼をされました。このときにビックリしたのが、チェさん、アフロヘアーにしてたんですね! ビックリしました。何か心境の変化でもあったんでしょうか。

…とまあ、気持ちの中が脱線しつつも、演奏は待ってくれません。いよいよ演奏が始まります。

Links
中盤あたりのヴィオラ、チェロ、第2バイオリン、第1バイオリンに扇状に音色が移りわたっていくところが印象的。同じ音型が繰り返されるものの効果的に金管や、木管が入って全然飽きさせず、逆に音の迫力に圧倒された。変拍子で4拍子と4拍子の間に1.5拍子入ってる感じなのかな。ラストはかっこいいよなぁ。

MKWAJU
出だしのマリンバとサクソホンが印象的。サクソホンはいつもの林田和之さんでした。客演かな? 徐々に指揮と演奏があっているのか分からなくなりますが、要所であっているので合ってるんでしょう(笑)。Linksもそうだけど全体的にすごく迫力があって、CDと印象が違う。

DA・MA・SHI・絵
最初は弦の響きから始まるけど、ずっとピアノの一定の音色が刻まれている。古くからのファンにはなじみ深い曲。

ミニマルとして作曲された曲はラストがかっこいいなぁ。ボクが勝手に感じるだけだろうか。

Sinfonia
元々曲が難解なので、細かいことはさっぱり覚えてません… 曲間に毎度のことながら拍手が起こってましたね。楽曲自体は良かったと思います。やっぱり生の迫力にはただただ圧倒されるだけ。久石さんは指揮がいっぱいいっぱいのようで、各楽器に対してはタイミングの指示だけに絞っていたような感じに見えました。この曲も変拍子なので、間違えるとスコアの位置も分からなくなっちゃうのかも。

前半戦終了。20分の休憩。舞台配置換え(ピアノを持ち出すから)の関係でちょっと長めの休憩です。

この休憩の時間を使って、手洗いの後、会場内のスタンド花の写真撮影を敢行しました(笑)。そういえば、一番端っこに飾られていた「エンジンネットワーク」ってところから送られていましたけど、何の会社なのか気になってました。今、調べたら映画制作会社なんですね。新しい映画の音楽を担当しているのかな?

そんなこんなで後半の準備が整ったようです。ステージ中央に漆黒のグランドピアノが設置され、久石さんの弾き振りに備えられています。そして、ステージ奥上部の客席には栗友会合唱団の方々がスタンバッていました。すぐ真横に客席があるんですが、真横からはどんな光景だったんでしょうか。

新日本フィルのメンバーがまず入場し音あわせを終えてから久石さんが入場し、早速演奏が始まりました。

The End of the World
やっぱり小編成のアレンジとは違いますね。最近オケの編曲が多かったこともあってか、オーケストラアレンジに厚みが増した気がします。さらに自分のフィールドであるミニマルと来たら鬼に金棒かも。2楽章のイスラムチックなメロディもハッキリ分かるし。

3楽章から栗友会合唱団の方たちが立ち上がり、譜面を見ながら合唱で演奏に花を添えてくれてます。いつもの栗友会合唱団の方たちだと心配無く聴けて良いですね。

そういえば、最初の説明の時に話があったんですが、この楽曲では、ピアノやらハープ、チューブラーベルなどで、「タンタンターン・タンターン(四分音符・四分音符・四分音符・(八分休符)・四分音符・付点四分音符)」という音がベースになって、3楽章のほとんどに流れていました。

ちなみにこの曲では、久石さんが1つの楽章が終わったあと間髪を入れずに次の曲に移っていたので、曲間の拍手は無かったですね。

崖の上のポニョ
『深海牧場』から『海のおかあさん』への流れは神! ってくらい良かった。深海牧場、武道館は短かったけど今回はフルサイズだったと思います。『海のおかあさん』はちょっとアレンジを壮大にしつつ、栗友会合唱団の皆さんががきれいなハーモニーで歌を聴かせてくれる。ちょっとウルッと来てしまった。この曲も好きなんですよね、個人的に。

個人的に好きな曲である『発光信号』がなかなか出てこないなぁと思ったら、久石さんのピアノ『宗介のなみだ』の後に入ってきた、かな。記憶違いかも。他にも『ポニョの飛行』『波の魚のポニョ』などが含まれていたと思う。順不同です。もしかしたら間違ってるかも。ごめんなさい、ハッキリ覚えてないんです(汗)。

最後はやっぱり『崖の上のポニョ』。合唱隊の方たち、英語版の歌詞で歌われてました。個人的には日本語歌詞も歌って欲しかったなぁ、なんて。でも楽しい演奏でした。

プログラムが終わり盛大な拍手が。
何度かステージを行き来して、アンコールの演奏に。

風の谷のナウシカ
『鳥の人』の演奏。途中、久石さんが指揮台から降りて、久石さんがピアノソロを演奏していました。アンコールでナウシカの曲をやるのは結構、雰囲気が締まってよかったですね。

ここでも盛大な拍手。でも花束の贈呈や、スタンディングオベーションはこの段階ではありません。

新日フィルの方たちも足を鳴らして盛り上げてくれます。久石さん2回ほど退場を戻ってきて、久石さん、新日フィルの皆さんににスタンドを要求しますが、コンマスのチェさんが『いえ、まだまだステージで皆さんの拍手を受けてて下さいよ』と顔を振って足を鳴らし続けます。さらにもう一度退場した久石さん。もう一度戻ってきたとき、さすがに促されて新日フィルと栗友合唱隊のみなさんが退場されます。でもその退場の間、まだまだ拍手が続きます。

いったんステージから全員掃けた後、拍手の中、再度久石さんが登場。

ここで花束を持ったみなさんが登場。一部の方がスタンディングオベーションをしてる状況。

その後、一度退場し戻ってきた久石さんがちょっとおどけて『ちょっと弾いちゃおうかな』っていう仕草を見せて大歓声。そのままピアノ前に着席し静寂の時へ。

WAVE
宮崎監督に誕生日プレゼントとして送った曲でしたよね、この曲。あまりメロディアスな曲じゃなく、一定の音型を元にしながらのどちらかというとクラシカルな曲だと思います。テレビでも一回演奏したようですね。今までピアノソロ曲でこういうものは無かったので逆に新鮮でした。

この曲が終わったときに、周りにつられてスタオベしました(苦笑:オイッ!)。最終的にかなり多くの人がスタオベに参加。でも残念ながらもう一曲はありませんでした。ラストなのでもう一曲、期待してたんですが、スタオベが遅すぎたのか…… 残念。

ということで、コンサートレポートは以上でした。なかなか文章では実際のコンサートを伝えることが出来なくて、ほんのちょっとでも味わってもらえたらと思います。ご覧いただきありがとうございました。なお、間違いがあればご指摘いただければと思いますよろしくお願いします。

iwanaさん、ベルタさん、NANAさん、七重さん、takoさん、みせすさん、ほのかさん、HeeFooさん、NITOAさん、当日、会場ではお世話になりました!!(誰か忘れてないよね?)

3件のコメント

  • レポートお疲れ様です。
    行けなかった組としては、WORKSIVを信じております(笑)
    ポニョの組曲はどうしても欲しいですね~
    宗介の涙とか好きなんですけど、サントラは短いので……もう一つのプログラムの中からCD未収録曲を組み合わせて出る、と期待します。

  • ま、見た感じだとライブ盤を出しそうなマイクの数でした。
    WORKSシリーズで出すのかな? 個人的にはWORKSは途中から
    趣旨が変わっちゃっているから「?」って思っている
    ところがあるんですけどね。
    どっちかというと「シンフォニックベスト2」かな?
    ポニョ組曲、おくりびと組曲とかは入れて欲しいですね。
    あとWAVEも初音源化を期待しちゃいます。
    でも、あまり期待しないで期待しましょう(苦笑)。

  • 情熱大陸

    今日、ふとテレビを眺めていたら、TBSの「情熱大陸」にレベルファイブの日野さんが…

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