真夏のオリオン
せっかく観てきたのでちょいと感想を書いておこうと思います。
【iTuneStore】真夏のオリオン オリジナルサウンドトラック
実は「ハゲタカ」をメインに据えていたので、観ようと思って観に行った作品ではなかったんですが、なかなかどうして良い映画でした。監督は篠原哲雄監督で、久石さんが音楽を手がけた「はつ恋」の監督さんでした。
ちなみに「真夏のオリオン」の音楽担当は岩代太郎さんで、『真夏のオリオン』と題された曲がいろんな場面で使われていて効果的だったと思います。すごく簡単で素朴すぎるメロディなんですが、ハーモニカで吹いたりトランペットで吹いたり、場面場面で感じ方が変わって、逆に印象に残るような音楽だったと思います。
映画の内容は、簡単に言い表しちゃうと玉木宏が演じる潜水艦の艦長・倉本がリーダーシップを発揮しながら難局を乗り越えていく、と書いてしまうと全然面白みのないような映画に感じちゃいますかね…(苦笑) 太平洋戦争を描いた映画にしては珍しく、というか、あまり多くの映画を観ていないので間違いかも知れませんが、艦長が乗組員とともに生き抜こうとすることを描いた作品でした。
若い艦長が多くの人たちを率いて必死に生きようと、あるいは生かそうとしているところは、「こういう人が現代社会を引っ張ってくれればなぁ…」と思わされる感じでしたね。
そうそう、主演の玉木さんは、ボクの中では”のだめカンタービレ”の千秋真一のイメージがかなり強かったんですが、「千秋」のイメージが全然無くって、すごく賢く冷静な艦長像を表していたと思います。他にもケミストリーの堂珍が俳優に初挑戦ってことで、違う潜水艦の艦長役をそつなくこなしていたし、吉田栄作が無骨な機関長を演じていてなかなか良い感じでした。
ただ、北川景子さんがヒロインで一人二役(倉本艦長の恋人?役と、戦後の倉本艦長の孫役)を演じているんですが、戦後の場面がわざとのような気もするんですけど、棒読みっぽい感じがしてちょっと気になりました。すごく丁寧に戦争当時のことを、祖父の同僚だった人に話を聞いている場面の言葉遣いがものすごく丁寧過ぎて棒読みに感じたんですが、北川さんの演技ってよりも、その演出がボクには不自然に感じただけなのかも。
ただ、先のブログにも書いたんですけど、映画館で結構すすり泣く声が聞こえてきたんですけど、ボクのコンディションの問題からなのか、感動して泣くってことはありませんでした。いや、もちろんジーンとくる場面はいくつもあったんですけどね。
そんなことを良いながらもなかなか良い映画だったと思います。観ておいて損はないと思いますので、機会があったら観てみてください!
…ひとつ書き忘れた…(汗) ちょうどこの映画を観る直前、仕事中になぜか「回天(人間魚雷)」の話が出て、地元に回天が搭載された駆逐艦がいて、駆逐艦を隠せるようにと岸辺を削っていたなんてことを耳にしていたので、この映画で「回天」が出てきたときに、『ありゃ? つい最近聞いたことのあるフレーズだな…?』というジャストタイミングな映画だったんです。
でも、戦争中の地元の話もなかなか伝わる機会が無くて、ボクら以降の世代で知っている人や興味のある人は少なくなる一方だし、こういう映画でちょっと日本を振り返ってみるってのも良いことですよね。
オーナーのお薦め度
真夏のオリオン ★★★★★★ 星6つ
(岩代太郎さんは金曜ロードショーのテーマといい、レッドクリフのテーマといい、メロディが栄える曲を書く方ですね! 真夏のオリオンのサントラが欲しいくらいなんですが、金欠で無理…(苦笑))