マリと子犬の物語
まだ前に観に行った映画の感想を書いていないのに、新しいヤツを観て来ちゃいました。これから年末土日は忙しそうなのでたぶん今年は見納めかな。
今日観たのは「椿三十郎」と「マリと子犬の物語」の2本。今日は幸せな1日でした(笑)。
ということで、本日の目的だった「マリと子犬の物語」。
ひと言、「良かった」と言える作品かと思います。実話から創り出したフィクションということだそうですが、犬の「マリ」と子犬3匹は実際にいたわけで、旧山古志村に取り残されるという肝心な所は一緒で、あとはいろんな登場人物がプラスされているような感じ。
でもその前に劇場の人だかりはすごかったです。一番広いシアター(たぶん200人以上は入るところです)がほぼ満席でした。ちょっと甘く見ていたので前から3列目くらいの首が痛くなりそうなところで観ちゃいましたよ。
映画自体は… 前半から見事にやられてしまいました(苦笑)。ま、実際に起こった事なのでだいたいストーリー構成は察しが付くと思うんですが、のどかな村の風景からあの大地震。犬たちと離ればなれなったところからのいろんな葛藤。そして…って感じなので、中盤に掛かる前のところであの忌まわしい「震災」の様子が映し出されます。
観ていて、万が一の事があったら自分に何が出来るのだろうと考えて、「でもほとんど何も出来ないんじゃないか」と感じて胸がいっぱいになりました。一匹の犬が人間を支えるように、人間がどのくらい人間を支えてあげられるんだろう、なんてことを感じました。犬と人間の物語なんだけど、それを越えた部分があったように思います。
だから動物好きの人向けってわけではない映画です。子犬たちとかが本当にかわいいですけど(笑)、動物映画っていうレッテルを貼って観ちゃうのはちょっともったいない気がしますよ。ちょうどボクもいろいろ個人的にリンクしているところがあって、どうしても自分と映画の状況をダブらせちゃうところがあって。犬と人間だけじゃなくて、親子との絆、兄妹の絆といろんな形で「つながり」が表現された映画なんだと思います。
で、この映画は久石さんの音楽なんですよね。事前にサントラを買っておいて、ずいぶん聴いていたので出だしとかは音楽を楽しみながら観ていたんですが、途中から映画に見入ってしまって、中盤以降は全く音楽のことは気にせず、号泣してました(爆)。ただ、最初は「オーケストラじゃなくて、アンサンブルとかでも良かったんじゃないのかな?」とも思ったんですが、パンフレットの久石さんのコメント「王道を行くオーケストラで正当な映画音楽をつけたい」っていう話を目にしてなるほどなあと納得。山古志村の自然や、震災の自然の驚異を表現するにはやっぱりオーケストラになっちゃうだろうし。珍しく映画にピッタリ寄り添った曲を創られていたように思います。
ってことで、是非とも多くの人に観てもらいたい映画です。犬嫌いでもOKだと思うんだけどなぁ(笑)。
にしてもせっかく今年はずいぶん映画を観たので、アカデミー賞みたいな感じで勝手に観た中でのベストを近いうちに書ければなあなんて考えてます(笑)。
オーナーのお薦め度
マリと子犬の物語 ★★★★★☆ 星5つ
(個人的に大好きな映画だったので星6つでも良かったんですけど、その前に観た『椿三十郎』もかなり面白くて、「感動するのが良い映画なのか?」とちょっと考えてしまい、星が5つに。その影響で『ALWAYS』もさかのぼって星の数を直してしまいました(爆)。)