バッテリー

 最近、「バッテリー」というあさのあつこさんという方が書いた小説を読んでいます。

 読んだ方とか、評判などを聞いた方もいらっしゃるかなと思います。なかなか売れているという話らしいですし。

 タイトルどおり、野球の話なんですけど、今、読んでいる中では(今のところ、シリーズ二作目の後半まで読んでます)、野球の技術的な話はさほど出ていません。そういう話では無くて、何というか、メンタル的な部分や、人間の関わり合いの部分などを主眼に置いた小説だと思います。元は児童文学というスタンスで書かれたものだそうですが、大人が読んでも素晴らしい小説だと思います。

 ピッチャーの「巧」と、キャッチャーの「豪」という二人の少年を中心に描かれるストーリーで、読み始めたらなんだか分からないまま、小説に引き込まれていってました。

 なぜだろう、とふと考えたんですが、おそらく主人公の「巧」という少年とちょっと僕が似ているところがあるからなのかな、ということに気付きました。

 この「巧」は、自分のピッチングに絶対的な自信を持っていて、例え大人でも三振に切って落とせるくらいの気持ちを持っています。そして、それだけの実力を小学校卒業時に持っている。ま、この自分に自信を持っているというところは僕とは正反対なのですが(笑)、その部分ではなくて、この「巧」、性格が非常に不器用なんです。そこが似ているなぁと思います。

 まず、真正直で妥協は好まない性格なんです。そして、素直になれば良いのに素直にモノが言えない頑固者。この辺、非常に似ているなぁなんて思いました。

 「それがどうした!」なんて言われそうですが、なんだか野球モノの話にしては、気持ちの通い合いや葛藤、そして少年たちの気持ちを上手く描いていて、サッと読めるところが非常にお勧めだなあと思います。しかも、野球の描写なども、女性の方が書いているとは思えないほど、非常に自然に表現されています。二度ビックリする作品だと思います。

 気になったら、本屋にて手にとって少し読んでみてください。

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