コンサート前半戦
席に着いて、おしゃべりした後、ふと周りを眺めてみました。このすみだトリフォニーホールは初めて来たんですが、広いホールなんですが、さほどステージまでの距離感はそんなに遠くない印象を受けました。でも実際は、2階席、3階席とあって本当に広いんですよ。それと、天井からマイクが下がってました。ステージ上に2本と、よくよく天井を眺めたら、ホール中央付近にも2本下がってました。CD化するんでしょうかね? それとも単なる記録用か… ま、マイク4本もあれば、商品化できるクオリティでしょうし… おっと、おしゃべりはこのくらいにしておいて(苦笑)、もう最初の曲が演奏される時間です。集中しなくっちゃ。
まず新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんが入場されてきました。客席から拍手が送られます。そう、今回の主人公は久石さんではなく、フィルの方々ですからね! その後、久石さんが入場。もちろんフィルの方々同様、拍手で迎えられます。お、久石さん、燕尾服を着て登場です! 紺色っぽい燕尾服だったような記憶があります。燕尾服を着てのコンサートってこれまで観たことなかったなぁ…
Mibu(映画「壬生義士伝」より)
久石さん、会場に向かって一礼をしたあと、さっと指揮台に登りました。最初の曲はコンサートでは本邦初演の「Mibu」でした。壬生義士伝サウンドトラックに収録されている曲をチョイスしての組曲形式でした。パーカッションの一つとして和太鼓が使われて、この曲の最初の部分はサントラ2曲目「壬生の狼」だったんですが、和太鼓の音色がホールに鳴り響いていました。なかなかかっこいい感じになってましたね。あと、印象的なのはラストのトランペットですよね。メロディアスなトランペットの音色。久石さんのアレンジって、大抵弦楽器メインなんですけれど、この組曲に限っていえば、金管の音色が強かったような気がします。アレンジの方向性をちょっと変えたのかなぁ? にしても、この曲、いろんなところからチョイスされてきていたので、バラバラにならないか気になったんですけど、心配するほどのことではありませんでした。綺麗に一つの曲になってました。これは、改めて何かの形でCD化してもらいたいものです。
10分くらいの大曲だった「Mibu」が終わると、一旦久石さんは舞台袖へと戻っていきました。入れ替わりにひとりの男性が入場。会場から拍手が送られるも、その人は単に楽譜台上の楽譜を換えに来ただけでした(笑)。拍手を送られた男性が照れ笑いし、フィルの方々もその様子を見て微笑み、会場内の観客も思わず吹き出してしまった瞬間でした。そして、改めて久石さん登場。今度は指揮の金洪才さんも引き連れて登場です。改めて拍手が起こります。今度は金さんが指揮台に、久石さんはピアノの前の着いて、次の曲に入ります。
あの夏へ(映画「千と千尋の神隠し」より)
宮崎駿監督作品である「千と千尋の神隠し」から、有名なナンバーが演奏されました。そういえば、「千と千尋の神隠し」はJASRAC賞の金賞(要するに著作権料を一番稼いだ曲に送られる賞)に選ばれたので、聴いた人が大勢いるであろう曲が披露されたわけです。曲のアレンジは過去のものと較べてほとんど同じだったと思います。ふたたび(映画「千と千尋の神隠し」より)
同じく「千と千尋の神隠し」から。ラスト近くになって流れる曲です。3拍子のワルツ調になっている曲で、金さん、ノリノリで指揮をしてました。曲のアレンジはこれも過去のものと同じだったと思います。
2曲を弾き終えると久石さんは立ち上がって、会場に向かい一礼をしました。また指揮の金さんや、新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターの崔さんと握手を交わしていました。すると、マイクを手にして、話し始められました。コンバンハ……(笑) (会場から拍手が送られる)
まず最初の曲は、「壬生義士伝」という映画のサウンドトラックから良いとこ取りのアレンジをしたものを聴いていただきました。その後はご存じのとおり、「千と千尋の神隠し」から2曲、お送りしました。
それにしても、今回は新日本フィルハーモニー交響楽団さんのペンジョンファンドコンサートに呼んでいただき、非常に光栄に思っています。過去に2回、このコンサートが行われ、1回目は小澤征爾さん、2回目はいろんな指揮者の方が登場し有名な曲のタクトを振られたということで、少しプレッシャーもありますが、全力を尽くしますので、楽しんでいってください! (会場から拍手が送られる)
この後ですが、3月に「ETUDE」というアルバムを出しました。このアルバムは、心に願いを持ち続けて頑張れば、いつかきっと叶うかもしれない、いつか何かが起こるかもしれないといったことをテーマに作ったピアノソロアルバムです。そちらの曲をオーケストラにアレンジしたものを5曲演奏したいと思います。
そういうと再び演奏が始まりました。
Silence(ソロアルバム「ETUDE 〜a Wish to the Moon〜」より)
ダンロップの高級タイヤ「VEURO」のCMでおなじみの曲ですが、まず冒頭はMoonlight Serenadeから入るという、先日の「ETUDE&ENCORE TOUR」と同じような形で曲が演奏されました。オーケストラでの演奏になると若干テンポがゆったりしているような感じを受けました。また、アンサンブルからオーケストラにアレンジは変わったんですが、この曲に関しては金管が使用されず、あまり大きくアレンジが変わった印象は受けませんでした。月に憑かれた男(ソロアルバム「ETUDE 〜a Wish to the Moon〜」より)
この曲もさほど印象に残ってません(苦笑)。おそらく「ETUDE&ENCORE TOUR」とあまり変わらない印象だったのかも…夢の星空(ソロアルバム「ETUDE 〜a Wish to the Moon〜」より)
この曲はアルバムもコンサートでもピアノソロで演奏されていたので、今回どうなるのか気になってました。もちろん、ピアノソロ部分から曲は始まったのですが、その後ゆったりと、静かにオーケストラの音色が合わさっていきます。弦楽器が主体だったかな。それと木管が少し入ってくるくらいで。まあ、金管が入ってくるような雰囲気の曲ではなかったですね。Bolero(ソロアルバム「ETUDE 〜a Wish to the Moon〜」より)
この曲に入る前、久石さん、手をずいぶん気にされていて、両手をぶらぶらと振られていました。ちょっとつらいのかなあって感じが垣間見えました。まあ、この「Bolero」が殺人的な速さの曲なので仕方ない部分なのかも… 曲に入るとそんなところは微塵も感じさせず、スピーディーに演奏が続いていきます。そして曲の最後は、「ジャン!」の音とともに、指揮の金さんが半身をピアノの方に向けてタクトを頭上に、久石さんは鍵盤に力を込めた両手が勢い余って空中に投げ出される格好で曲が締めくくられました。なかなかかっこいい曲の終わり方でしたよ。a Wish to the Moon(ソロアルバム「ETUDE 〜a Wish to the Moon〜」より)
キリンビール「一番搾り」でおなじみになりつつある曲ですね。聴いているうちにノッてきてしまう楽しげな曲ですよね。指揮の金さんも、タクトを振りながらリズムに乗って、頭も振っていたくらいだし。曲中、サビの部分を口笛で演奏されていたところがありましたよ。ただ、指は鳴らしていなかったようです。この曲の最後も「ジャン!」って感じで、気持ちよく曲が終わりました。演奏が終わると、久石さんと指揮の金さん、そしてコンマスの崔さんが握手を改めて交わされていました。そして前半の演奏は終了と相成りました。さあ、20分の休憩です。
とはいえ、この時体力的な問題で(ちょっと仕事が忙しかったため疲れていたんです)、猛烈な眠気に襲われていました(苦笑)。しかも目が悪くて、ステージに焦点を上手く合わせることができないとあっちゃ、余計に眠くなります(爆)。その上、前半はゆったりとした曲が多かった(核爆)。この3つのボディブローを喰らいながらも、ちゃんと聴いていたんです!(偉そうなことを言うな!) 個人的にはもうちょっとパンチの効いた曲が聴きたかったなあという想いがあったんですが、「壬生義士伝」がなかなかだったので、個人的にはまあこの段階ではプラスマイナスゼロといった感じだったでしょうか。とにかく、眠気を覚まさなくちゃならないってことで、少しガムを噛みました。眠くちゃ話にならないので…(苦笑)