うつくしまナイトファンタジアに入る前に…

    「ナイトファンタジア」が開演される前に、アナウンスが2度ほどありました。

    『「うつくしまナイトファンタジア」を上映します前に、プロデューサーの久石譲さんからの演出意図をお伝えしようと思います…』

    「ナイトファンタジア」が公開された当初、『怖すぎる』とか、『子供向きではない』といった批判がかなりあったようです。ヤフーの掲示板を見たんですが、『ナイトファンタジア中止の署名活動を…』なんていうようなちょっと過激な書き込みがあったりもしましたし。いろんな意味で注目をされているのかなあという感じはしますけど… そんな中、とりあえずは演出意図を知ってもらおうと、放送で久石さんの演出意図を伝えたり、リーフレットを配ったりしていたようです。

これが会場で配られたリーフレット

    ただ、リーフレットが配られても、会場は暗いのでサッパリ内容が読めません(爆)。メインゲート前でも配っていたようですが、突然夜の暗い会場で配られてもサッパリです(笑)。とりあえず、久石さんの演出意図をそのまま載せておきます。

    「真夏の夜にちょっと怖いファンタジーを…」
    最初にこの話が来たときに閃いたアイディアである。単に口当たりの良いものではなく、15歳から25歳くらいの人が何度でも見に行きたくなるような大スペクタクルを… そんなことを考えた。
    1970年、戦争映像を含めて人類への問いかけをショッキングに展開した大阪万博が行われた。作り手と見る側の真剣勝負がそこにあった。そして、何時からか博覧会はマシュマロのような、フワフワとした口当たりの良いものだけになっていった。僕の中に、そういったものへのアンチテーゼもあったのかも知れない。
    物語は、主人公のミオが5歳・10歳・15歳・20歳と成長していく、4つの楽章(MOVEMENT)から成り立っている。
    ミオの中のもう一人の自分、その葛藤などを縦軸に物語は展開されていく。とは言え、約30分の中では強いメッセージやストーリーの展開は無理である。ひたすら、大自然の中で3面のスクリーンとライブの出演者、炎などのスペクタクルを楽しんでいただきたい。それからひと言。大音響と迫力のある映像に、小さなお子さまは驚かれるだろう。ぜひ、後ろの方で見ていただきたいと思います。

ナイトファンタジア総合プロデューサー 演出・音楽  久石 譲

    子供が驚くというのはねらいだったんでしょうね(笑)。この演出意図で一番、なるほどなと思ったのは、「作り手と見る側の真剣勝負があった」「何時からか博覧会は……口当たりの良いものだけになっていった」っていう言葉です。その通りなのです。僕が昼間の未来博が面白くない、あるいは祭りのようだったと断じたのは、この真剣勝負が無かったためです。企業パビリオンなんかは「とりあえず出展して、とりあえずやっておくか」というような感じで、全然熱気が伝わってこなかったのです。これだったら、よく幕張メッセなどでやる東京モーターショーの方が熱気があって断然面白いと思います。とにかく、「これでどうだ!?」っていうような意気込みが伝わってこなかったのです。そこをついた久石さんの演出意図は、うつくしま未来博に対しての批判でもあるのかも知れませんけど、強い思いが感じられました。
    また、「とは言え、約30分の中では強いメッセージやストーリーの展開は無理である」とハッキリと言ってしまっているのには逆に笑ってしまいました(笑)。久石さんは正直ですね〜 確かに30分ではとてもじゃないけど無理でしょうね。変に感動的なものを求められても困ってしまいますからね。その辺は矛盾するかも知れませんが、映像を単純に楽しんでもらいたい、そういう思いもあるのでしょう。

    これから見に行かれる方にはそういうことを頭に入れて、観てきてほしいです。それでは、これから内容のレポートに行きたいと思います。

前のページへ

表紙へ戻る

次のページへ