人生はメリーゴーランド?(後半)
後半は、前半と較べてスムーズに観客も入場できて、あまり遅れることなく公演再開となりました。最初と同じよりアンジェル・デュボー&ラ・ピエタのみなさんが入場した後、久石さんが入場していました。
人生のメリーゴーランド
今回のコンサートの目玉、「ハウルの動く城」のテーマ曲です。でも、観客の大半の方が曲のタイトルは知らない状況。CDを買ったりして事前に分かっているファンは一部ってわけで、パンフレットに曲目が書かれていても、多くの人が「人生のメリーゴーランド」がどんな曲なのか分からないという状況でした。……でも、やっぱり久石さんの曲の魔力はすごい。曲が始まって、CMで流れていた下りが始まると会場内、演奏中なのにどよめきが起こりました! 「あの曲だよ」「これ、ハウルだよね?」というささやきが会場内に飛び交ってました。メロディは人々に強く印象づけているということが改めて垣間見えた瞬間でした。
曲もアンジェル・デュボー&ラ・ピエタの皆さんと久石さんが楽しげに奏でていました。そうそう、アレンジなんですが、途中で雰囲気が違うような曲調になったりと、いくつかの顔を見せてくれました。聴いた当初は、映画中にもいろんなアレンジでの「人生のメリーゴーランド」が流れてくるので、いくつかのものを組み合わせたのかなと思ったんですが、コンサートで聴いたアレンジがサウンドトラックには含まれていなかったように記憶しているので、コンサート(+アルバム)用のアレンジなんだろうなという風に今のところは思ってます。来年(2005年)のアルバムが今から非常に楽しみになるアレンジでした。
Ikaros
「ハウル」に続いて演奏されたのは、東ハトの「キャラメルコーン」のCMで流れていた曲でした。CMで使われていたモチーフを活用して、この「Ikaros」になったんだと思います。軽快なメロディの中にも、ちょっと寂しさが漂うようなそんな曲だったように思います。Spring
この曲はピアノソロだったんですが、アンジェル・デュボー&ラ・ピエタの皆さんは後半始まる前にステージ上に設置された椅子に腰をかけて、久石さんのピアノソロに注目します。演奏された曲は、これも知っている人が多かったと思いますが、進研ゼミのCMで流されている曲ですよね。あの軽快なメロディが久石さんのピアノソロで奏でられました。さすが「Summer」を意識して作られた曲だけあって、そんな感じがします。「Summer」「Spring」と来て秋と冬は… あ、冬は「Winter Dream」とかがありましたね〜 秋はあったかな?Fragile Dream
続けて新曲が演奏されました。初めて聴いた曲です。特に何かのテーマ曲というわけではなくて、アルバム「Freedom 〜Piano Stories 4」のために書き下ろされた新曲だと思います。しかし良く覚えていません(苦笑)。『fragile』ってのは「壊れやすい」とか「儚い」という意味があるようですが、久石さんは「このアルバムはノリのいいアルバムで聴きやすい曲を集めた」という割にはちょっと悲しげな曲だなあと思ったりしました。Oriental Wind
この曲もファンとしてはお待ちかねの曲でした。サントリーの「伊右衛門」のCMに使われている曲です。……が、違〜う!!(爆) 曲調がまるで違いました。メロディはあのままなんです。でも、リズミックになって、ノリの良い感じに仕上がってました。でもメロディが演歌なんですよね、これが(笑)。個人的にはこのリズミックな感じも良いんですけど、荘厳な方も聴きたかったなぁという感じです。前半はリズミックで、後半は落ち着いて、って感じだと個人的にはもっとはまったんですが。でも、「それ、ありかい!?」っていう久石さんのちょっとした遊びも乙なものですね〜
後半は一気にここまで演奏したあと、久石さんはマイクを持たれてしゃべり始めました。ここまでの曲の説明です。本当はこのコンサートの前にアルバムを発売して、そしてそのキャンペーンも兼ねてコンサートをする予定だったんだけど作曲が遅れてしまって、なんて話をされていました。それと、タイトルの「Freedom」の話もされてましたね。政治的な意味ではなくて、精神的な自由を求めて、軽やかな曲を、すっきりするような曲を集めてアルバムにしたいという話をされていたように思います。
それと、特に「人生のメリーゴーランド」の曲名の由来をおっしゃってました。本当は、この曲は「人生の…」なんて書くと演歌っぽくて好きじゃないんだけど、なんて前置きをされた上でおっしゃってたんですが(笑)、このタイトルは宮崎駿監督が名付け親で、宮崎監督の映画のタイトルは全て「の」が入っている。「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」。「もののけ姫」では2つも入っている。そして、この曲にも「人生のメリーゴーランド」。ちょうどメモ用紙の『の』の部分が、「は」とか「も」とかいろいろ書き直された上で、『の』になったのを見て久石さんは感激し、『監督、映画のタイトルと同じく、「の」が入った「人生のメリーゴーランド」ってタイトル、ありがとうございました!』とお礼を言ったら、宮崎監督が「あれ? 『の』だったっけ? 『は』じゃなかったっけ?」と…(爆) 会場内は大うけでした。そして、続けて3曲の説明をして、プログラム最後になるとのことをおっしゃって、演奏をはじめられました。
Summer
もうTOYOTAカローラのCMでおなじみとなったこの曲。実はもうほとんど記憶がなくて… ソロではなかったはずなんだけど…(苦笑) うんうん、そう、最初はアンジェル・デュボー&ラ・ピエタの皆さんがピチカート奏法でメロディを奏でていたことを思い出しました。この軽快なリズムは、やっぱり聴いていて気持ちが良いものです。もののけ姫
この曲はアンジェル・デュボーさんのバイオリンと久石さんのピアノのデュオで奏でられました。演奏前に、ピアノの右脇に楽譜立てが設置され、デュボーさんがそちらに移動し、他のメンバーは椅子に座って、2人の演奏を聴くという感じ。この「もののけ姫」の演奏は、楽器が少ない方が映えますねぇ〜 今回はデュボーさんのバイオリンの音色が大いに歌ってくれるわけなんですが、照明も落とされて、小さなスポットライトを浴びながら、静かな会場にバイオリンから「もののけ姫」の音色が流されるだけで、その場に幻想的な風景が繰り広げられていくように感じられます。
Asian Dream Song
この曲は、会場に来ていた方で知っている人は多くないでしょうけど、ファンとしてはおなじみ、長野パラリンピックのテーマ曲ですよね。でも、よく考えたら、あれから6年も経っているんですね。早いものです。でも、メロディは全然色褪せていません。思わず、THE BOOMの宮沢和史さんのように歌い出したくなりました(笑)。でも、どんな演奏だったか、よく思い出せない(汗)。ごめんなさい。この曲が終わった後は、盛大な拍手が起こりました! そして、最前列中央の男性2人組がさっそくスタンディングオベーションをされました。早ッ!(笑) と思いきや、徐々に立たれる方が多くなってきて、アンコールが始まる前からすごい状況でした。僕も便乗して立ちましたけどね(苦笑)。