プログラム終了、そして大予想外の出来事が!
「Kids Riturn」の演奏が終わると、久石さん一同が一礼をし、舞台そでに退場。観客みんな、拍手拍手の連続で、全然鳴り止みません。そうすると、久石さんがひとりで戻ってきました。…と、なんとアンコールの前に花束を持った女性たちが… いや、男性もかなり多い! やはりファイナルのことだけあります。久石さんは手に持ち抱えられないほどの花束とワイン(NANAさんと七重さんが一番最後に手渡して、ワインを渡した時にドッと沸きました)を受け取り、ちょっと苦笑いをしながら、バラネスクさんを呼び戻してアンコール1曲目「もののけ姫」が始まりました。舞台上のパイプオルガン(?)が青色に染まるイルミネーションの中で、おふたりが楽しそうに演奏していました。澄んだきれいな音色が会場に響き、切ない曲を表現されてました。もちろん演奏後、盛大な拍手が起こったのは想像に難くないと思います。観客に向け一礼をした後、バラネスクさんが足元に用意してあった、黄色いチューリップの花1輪を手渡し、2人で熱い抱擁を交わしました。舞台下では、今度はバラネスクさんへ花束を届けるために女性2人が待っていました。バラネスクさんが花束を受け取り、またまた盛大な拍手。そしてひと段落がついて、両氏が舞台そでに戻ろうとした時、ものすごい勢いで花束を持った女性が僕の脇を通り過ぎていく… ところが久石さんも、バラネスクさんもそれに気付かず、退場されちゃいました… むなしく、舞台すぐ下に一人で立ち尽くしている女性。もちろんその間、拍手が鳴り止まずに続いているんですが、その女性は仕方なくちょっと後ろに戻ってきて、僕のすぐそばでやっぱり立ち尽くしていました。そんな中、久石さん達全員が戻ってきました。また拍手が大きくなります。でも花束を持っている女性が花束を渡す間髪を入れないで、スタッフ紹介が始まってしまいました。一人ずつ、久石さんから名前を呼ばれ、それぞれに拍手が送られてます。…と、ひと通り紹介が終わると、アンコール2曲目「MADNESS」が! (このとき、花束を持って立っていた女性は、僕の前の空いていた席に座り込んで、演奏を聞いていました。)この曲もかなり定番の曲ということで、やっぱり迫力がありますね。ものすごい力がこもった演奏。バラネスクさんも小気味いい動きをしながらヴァイオリンを弾いています。そして、最後のフィニッシュは、やはり力のこもった手を鍵盤から解き放つパフォーマンスで観客を酔わせてくれました。「もののけ姫」 宮崎駿作品『もののけ姫』の主題歌。米良美一さんのカウンターテナーが魅力でした。
「MADNESS(狂気)」 宮崎駿作品『紅の豚』の挿入曲。宮崎さんが、久石さんのソロアルバムの収録されているこの曲を聴いて「これ、『豚』に使いたい」と言って挿入された曲。久石さんお気に入りの曲。
そして、そして… なんと、いままで東京ではなかった(渋谷さん談)というスタンディング・オベーションが起こりました。そういえば、おそらく観客の方だったと思いますが、客席のC〜D列にいた真ん中あたりの人に「今回がツアーの最後なので、久石さんをねぎらうためにスタンディング・オベーションをお願いします。アンコールは2曲なのでその後にお願いします。」と言っていた女性がいたことを思い出しました。どうしようかと考えていた僕も、少し反応が遅れましたが、スタンディング・オベーションに参加しました。拍手続きだったため手が痛いというより、疲れて手が動かなくなってくるほどでしたが、それほど素晴らしい演奏でした。
……!?? スタンディング・オベーションに久石さん、痛く感激したようで、笑みをこぼしながらピアノの前に座り、「本当は今ので最後だったんですが… DEADの2曲目をもう一度演奏します。」とおっしゃってくれました! てっきり最後だと思ったため(他の会場は「MADNESS」で終わりだった)、ものすごい驚きと感謝の念でいっぱいでした。しかも、僕が一番感銘を受けた曲、「DEAD組曲 -Movement 2-」を演奏してくれるなんて… 久石さん、チェロの方と音を合わせて、いざアンコール3曲目へ。
この様子は、1階席2列目にいて、久石さんの表情がはっきり見えたみせす ちゃいるどさんの言葉を借りた方が良いかもしれません。なので、掲示板に書き込まれたものをちょっと加工して書かせていただきます。(みせす ちゃいるどさん、許してね。)
この曲を最初に弾いた時の様子と全くちがっていました。
顔はこわばり、苦痛にも似た表情で、ほとんど目はつむっていたと思います。
みるみる、鼻が赤くなり、ほほに涙が筋を付けました。
演奏の合間に手の平でほほを下から上にふきあげました。
その直後からピアノを弾く指先が大きくふるえはじめたのがはっきり見て取れました。
鼻は益々赤くなり、久石さんの目に涙がこみ上げているのがわかりました。
でも演奏はすばらしく、ミス無く、終了しました。
両手で頬をふき、次に赤いハンカチが顔をごしごしっとふき上げました。(Written By みせす ちゃいるど)
僕の席からははっきりと確認することは出来なかったんですが、確かに演奏し終わった久石さんは涙ぐんでおり、手で目をぬぐって、僕たちに向かってまた一礼をしてくださいました。やはり予想外のスタンディング・オベーションに感激、感動した感じで、僕にとってそれは非常に驚きと感動に満ちたものでした。久石さんが涙した姿なんてテレビでも見たことはありませんでしたし。
で、忘れていました、花束を持って立ちすくんでいた女性のこと。この女性、演奏が終わった後にまた出て行ったのですが、久石さん、またもや気付かずに退場。ですがその後、三度、久石さん登場。やっとその女性に気付き、花束を受け取りました。久石さんはその花束を頭上に高々と上げて、観客に答えます。もちろん拍手は鳴り止みません。演奏者全員が舞台に出てきて、久石さんの礼に合わせて、全員が一礼。ものすごい拍手です。2000人の拍手が久石さんに向けられています。再び、久石さんたちが一礼。拍手の中、久石さんたちは舞台そでの中へ退場されていきました。これにて素晴らしいコンサートは終わりを告げ、やっと拍手は鳴り止みました。
21:30頃 コンサート終了
ふと、渋谷さんたちとの帰り際、ピアノの上を見てみると、久石さんがバラネスクさんから貰った黄色いチューリップの花1輪がのせられているじゃないですか。チューリップがピアノからちょっと頭をたらしているその光景は、コンサートが終焉した切なさとマッチしていて、本当に写真として取りたい一枚でした。宴の後、という感じで本当に切なかった。あの光景は、今後、僕の心の中に焼け付くような、それほどのものでした。
コンサートが終わり、ホテルに帰った直後に紙切れに忘れないうちにかいた絵です