おまけ(東京公演1)

今回は本当に堅苦しい文体で書いていたので、徐々にわけが分からなくなって手が進まなくなっちゃってました(苦笑)。これで良かったのかなあと思いつつ…(苦笑)

それで、おまけとして、ツアーのファイナルである東京公演についても軽く触れておこうと思います。今回は郡山と東京の二公演に行ったんですよ〜 お金はかかったんですけれど、聴き較べるのもなかなか乙なものだと思いますねえ。

それで、東京公演の舞台となった東京の初台にある東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアルなのですが、人がごった返してます。人がいっぱいです。始まる前に、オペラシティ内の軽飲食店にいて、その時は全く気づかなかったのですが、ホール内に入ると、人ばかりですね。いつものようにパンフレットを買って、ホール内になだれ込みます。

僕は前から2列目に陣取っていたのですが、ホール内には見える範囲内で10台ほどカメラが設置されていました。配置図は下の図のとおりなのですが、本当にカメラが多くてビックリしました。2000年の時のコンサートでもCS放送でコンサートの模様が流され、この時は4台ほどだったように記憶しているんですが、今回はその倍以上ですから。しかもマイクロソフトなどとの協力により、この日の模様はネット配信もされました。だから、非常に力が入っていたのだと思います。

カメラの配置図

実際の演奏の方なのですが、この日は10人のチェリストがそろわず、結局9人になってしまったようでした。急遽、何か発生したのかも知れません。そんな中、演奏されたのですが、1曲目の『KIKI』の演奏が非常に素晴らしく、演奏最後の音の響きが心地よく響き、音が消え入るまでの時間が非常に長く感じました。静かな音色が微妙に、消えるか消えないかという感じで続く。切なく儚い音色なんですよ。それが、ホールが良く、そしてチェリストのみなさんの腕が良いのできれいに響いて、そのために観客の僕らは拍手のタイミングを失い、次への『谷への道』へ拍手無しで続けて演奏されました。

久石さんのコンサートでは、曲ごとに拍手されるのがほとんどでした。クラシカルな演奏会の場合は、組曲と言われたら、組曲が一通り終わるまで拍手はしないし、「続けて演奏します」と言われたら、その間は拍手しないというのが基本らしいのですが、久石さんのコンサートはとにかく1曲ごとに拍手、というスタイルでこれまで来ていました。そういうことで、僕がコンサートに参加した中では、初めて拍手無しで次の曲に移ったんじゃないかと思います。

そして、コンサート中の久石さんのMCなのですが、非常に少なかったです。郡山公演であった「4 MOVEMENT」のDVDの話や、他にもコンサートのDVD収録の話などあまり出てきませんでした。曲の説明もあまり無かったです。インターネット上でストリーミング生中継をされているためなのかも知れませんが、余計なことはあまり口にされていませんでした。

後半のソロアルバム『ETUDE -a Wish to the Moon-』の演奏では、郡山公演では無かったのですが、『月に憑かれた男』の後に、『impossible Dream』が演奏されました。コンサートパンフレットにはちゃんとプログラムとしてこの曲は掲げられていたのですが、演奏された公演とされなかった公演とがあったようです。

・impossible Dream 〜ソロアルバム『ETUDE -a Wish to the Moon-』より〜
この曲は静かなピアノのソロから始まった。ピアノがメインメロディを奏で、ついでリレーのようにチェロがメインメロディを引き継いだりと、流れるように演奏は続くが、徐々にその演奏は熱くなって行く。ホール内に響くピアノの低音部が、リズム良く鳴り響く。それにあわせ、チェロも力強くそれぞれの音を醸し出している。曲のラストは、激しかった曲調が静かになり、密かに終演を告げる。久石譲その人は、響く音が鳴り終わるのを待つかのようにピアノの前で目を閉じ、音が消え入るまで身動き一つしなかった。

(曲紹介だけコンレポ本文の文体に戻してみました…汗)

…そうそう、『夢の星空』での演出は本当にきれいでした。郡山でも照明を落として、星をイメージした青白い照明で幻想的にホールを演出していたんですが、オペラシティでも、全ての照明を落とし、ステージ上の久石さんを中心に青白い光で浮かびだし、また現代調のパイプオルガンも同じように青白くライトアップしていて、その光景が非常にきれいでした。これはDVDで是非とも観ていただきたいなと思います。

『a Wish to the Moon』ではもちろん、口笛を吹く場面がありました。チェリストのみなさん、非常にノリノリでしたよ。

『la pioggia』では、今ツアーの正コンサートマスターである近藤浩志さん(この近藤浩志さんは久石さんと過去のコンサートでよく演奏されている方で世界各国を渡りその演奏を絶賛されて、評価の非常に高いプレイヤーのお一人です。ちなみに、本文中でも書きましたが、郡山でコンサートマスターを務めた近藤貴志さんは浩志さんのお兄さんで、海外で活躍されているチェリストの方です)のソロがあったのですが、これがまた非常に素晴らしかった。久石さんと近藤浩志さんは長いつきあいだそうですが、呼吸がピッタリ合っていて、非常にパワフルな演奏でした。ピアノ1台とチェロ1台で、ものすごく迫力のある音が発せられており、「こんなに大きな音が出るものなのか」と圧倒されるほどでした。

そして、『Tango X.T.C.』では、郡山と同じようにハイハットシンバルが演奏されていましたが、今回は第1セクションの方が演奏されていました。東京では第1セクションには2人(うち一人は郡山コンマスの近藤貴志さん)と今回のコンマスの近藤浩志さんのあわせて3人だったので、1人余裕がある状態だったのかも知れません。

 

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