コンサート後半

    さて、後半開始されました。後半、久石さんは服を着替えられ、紺色のジャケットを着てました。おそらく汗だくだったんでしょうね。

・007 Rhapsody (作曲:モンティ・ノーマン、ジョン・バリー)
・The Pink Panther (作曲:ヘンリー・マンシーニ)
・風のささやき (作曲:ミシェル・ルグラン)
・Iron Side (作曲:クインシー・ジョーンズ 編曲:山下康介)

    CDと同じアレンジで演奏がされました。ただし、やっぱり生演奏だと感じ方が全然違ったりします。ただ、個人的には「Iron Side」がなかなかだったように感じました(久石さん編曲じゃないですが…爆)。サックスやドラムス、その他もろもろのソロ場面があって、なかなか良い感じでした! やっぱり会場で実際に聴くと、それまで抱いていた考え方が一変されてしまいます。ファン歴の長い久石ファンだと特に、「久石さんの作品じゃないしなあ」というところが手伝って、最初はこう言ったら変だとは思いますが、聴く側も「手探り」やら「様子見」やらをするわけです。でも、やっぱり"生"に勝てるものはありませんでした。「良いじゃん!」とただただ感心させられてしまう自分がいました。

    そうそう、後半、ティム・モリソンさんはフィルの金管セクションの一員に入って、演奏されてましたよ。もう一つ思い出しました。007 RhapsodyからThe Pink Pantherの曲間に「ワッ」と拍手が起こったんですが、それを遮るように、久石さんはドラムスに指揮を振り、ドラムスがなり始めて、曲間取らずに演奏されてました。おそらく、曲間を明けずに演奏をされたかったんでしょうね。

    ここでまた久石さんのMCが始まりました。
    この時のMCはあまり覚えていないんですが、この後、演奏される楽曲の説明をされていたはずです。「China Town」の音楽は素晴らしくて、いつか自分もこのようなスコアを書いてみたいと言われたり、「Mission Impossible」は5拍子だけど心地よいアレンジだとか。

    もし思い出したら書き足します(苦笑:誰か情報求む)。

・China Town (作曲:ジェリー・ゴールドスミス)
    これもCDと基本的に同じ。この曲の作曲をされた、ジェリー・ゴールドスミス氏はやはりハリウッドの映画音楽の第一人者のひとりとして活動されてこられましたが、この今回のコンサートの翌々日(2004年7月21日)に訃報が入ってきました。偉大な作曲家が亡くなられ、久石さんもこの後のツアーにて、ゴールドスミス氏について、触れられていたそうです。ゴールドスミス死すとも、そこから生まれ出でたものは死せずという感じでしょうか。楽曲は、今後ずっと誰かに演じられていくだろうと思います。

・Raging Men〜HANA-BI (作曲:久石譲)
    北野武監督作品「HANA-BI」からの曲です。アレンジはアルバムと一緒でしたが、大変な事が起こりました。Raging MenからHANA-BIに曲が移り変わる、ピストル2発がなる場面。2発目が「カチッ!」と空砲になってしまったんです。心の中で思わず、「うわっ!?」と叫んでしまいました。実は、このコンサート直前に、ピストルの火薬が湿気って音が鳴らなかったりすることないのかなと仲間内でちょうど話していたんです。それが現実となってしまいました。あまり変なことを口にするものじゃないですね(苦笑)。何ともフィルのメンバーがちょっと笑っていたらしい(笑)。ま、銃声が1発でもそのまま演奏は進みます。HANA-BIではコンサートマスターの豊嶋さんのヴァイオリンソロがありました。そして短めながら久石さんが途中で指揮台から降りてピアノを演奏する場面がありました。弾き振りではありませんでしたが、サッと身を翻してピアノに向かわれて、短いながらもピアノ演奏が楽しめました。この時は、手の震えは止まっていました。今日の久石さんのピアノはこれにて終了でした。
    この曲の時にちょっと気になったんですが、Raging Menの時に金管と弦楽器が盛り上がるところがあったんですが、金管が音を張り上げすぎて、音のバランスがかなりおかしくなって変な音になっていたのが残念でした。この公演で残念な点はこの点だけでした。

・Misson Impossible (作曲:ラロ・シフリン)
    久石さん、指揮がノリノリでした。ぴょんぴょん跳びはねながら指揮を振られていました。5拍子って、指揮が難しいはずなんですが、上手く拍子を取られていたのが印象出来でした。もちろん、演奏は非常に良かったですよ。


    ここでまたMCが入ります。久石さんがマイクを持たれて、この後のプログラムを変えると言われました。前日のリハーサルの時に考え直し、ワールドドリームオーケストラとして何を伝えたいのか、何をやりたいのかと考えたときにこのクラシックの2曲をという話をしてました。それぞれの曲のことも説明されてました。ショスタコーヴィッチの曲はスタンリー・キューブリック監督の遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」で使われたとか、スタンリー・キューブリック監督はクラシック曲を用いるのを好んで、使い方が素晴らしかったとか。プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』はいろんな映画で使われているんだとか。そんな話があったように記憶してます。


・ジャズ組曲第2番〜ワルツ〜 (作曲:ショスタコーヴィッチ)
   
スタンリー・キューブリック監督作品「アイズ・ワイド・シャット」で使用されたことで有名なクラシック曲だそうです。僕はオーケストラとか弦合奏など、アコースティックな曲が好きなんですが、実はクラシックはてんで疎くて、サッパリ曲を聴いても分からなかったんですが、クラシックからの選曲と言うことで、かなり落ち着いたワルツでした。

・ロミオとジュリエット(作曲:プロコフィエフ)
   
僕はこの曲自体知らなかったですが、物々しい雰囲気の音楽でしたよ。クラシック音楽にもいろんな曲があるなあと感じさせる曲だったように思います。

 

    という感じで予定楽曲が終了しました。開場から盛大な拍手。何度か久石さんがステージを行った来たしていました。そんな中、Misson Impossibleの後に密かに退場していたティム・モリソンさんとともに入場。会場の割れんばかりの拍手とともにアンコールへ続いていきます。

 

アンコール
・「ハウルの動く城 イメージ交響組曲」より Cave of Mind (作曲:久石譲)
    また、ティム・モリソンさんが中央に置かれた楽譜立ての前で、確か最初はメガネをかけずに演奏されてました。完全なティムさんのトランペットソロから始まるなか、楽譜に全く目もせず、官能的なトランペットの音色を吹かれるのに圧倒されました。アルバムと全く同じアレンジですが、ティムさんの素晴らしい演奏をひしひしと感じる事ができる演奏でした。ミスがないのはもちろんのこと、それで、やっぱりその音色の柔らかさにつきます。この演奏に何かある、そう感じさせるものがありました。ティムさんのトランペットソロで演奏全体がググッと引き締まりました。

・となりのトトロ (作曲:久石譲)
    言わずもがな誰もが分かる宮崎駿監督の同名作品の楽曲です。ティムさんの退場後、フィルのメンバーでトトロが演奏されました。アレンジは、「オーケストラストーリーズとなりのトトロ」のものから来ていたようです。最後も久石さんは指揮に徹してました。

終演後のステージ上の様子。指揮台の真後ろにピアノの椅子が配置

    そういうことでひと通り演奏されたあと、拍手はかなり凄かったです。スタンディングオベーションは最初はちらほらとだったんですが(僕はすぐに立てませんでした:苦笑)、徐々に立たれる方が増え始め、東北でのコンサートでは珍しく(?)、少なくても1階席のお客さんはほとんどスタンディングされていました! これには驚きました。久石さんも驚いただろうなあと思われます。東北ではスタンディングオベーションするほど盛り上がらないだろうと思っていたんですが、それだけに驚きです。今回の演奏に観客の皆さんが非常に満足されたんでしょう。そういえば、休憩中に女性の方が「素晴らしかったよね!」とご友人と話されていたのを小耳に挟んで、内心ほくそ笑んだことを思い出しました。

    そんな会場が盛り上がる中、久石さんが舞台袖に向かって「ティムさんは?」とひと言。舞台袖の反応を見ていたんですが、どうも「Cave of Mind」を演奏されたあと、早めにティムさん、会場を出ちゃったのか着替えられちゃったのかで、再度ステージに立つことができなかったらしく、スタンディングオベーションをティムさん、拝めませんでした(苦笑)。久石さんは時より会場に向かって、手を組み合わせてました。いわゆる拝むような感じ。何かなぁと思ったんですが、「ありがとう」というジェスチャーと一緒に、「アンコール用意していない」ってことのようでした(涙)。もう1曲、期待していたのになぁ〜 盛り上がったから、何か弾いてもらってもって感じでしたけど、残念ながらそれまででした。それでも拍手はかなりの間、流れていました。

    っていうことで、仙台公演の模様をお伝えしました。ちなみに他の公演ではハウルのサントラから1曲「人生のメリーゴーランド」という、協賛しているハウス食品のCMで流れている曲が演奏されたようです。東北で珍しく盛り上がったのに、そりゃないよ、久石さん(涙+爆)。

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