コンサート開演(お待たせしました、ここより本編が始まります)
18:00 開演のアナウンス
これはいつもの如くのようですが(僕は初コンサート)、誰も出てこられません。しばし待つ…。
18:05 バラネスクカルテットの方々入場!
おお、バラネスクさんだ! 「醍醐寺音舞台」と同じだ、と感慨にふけっていました。おなじみのハットをかぶって、出てこられました。ところが… 拍手なし… うーん、いくら脇役だったとしても、今回の題名に『with Balanescu Quartet』とあるように、今回のコンサートの目玉なんだから拍手があっても良かったと思うんですが…(そうそう、やっぱり醍醐寺のときにいた、第2バイオリンだったバラネスクさんの奥さんがやっぱり来られていなかったですね) このあと、マリンバの方やウッドウインド(サクソホン、フルートなどを吹く人)の方々が出てこられ、音あわせをしておりました。…と、音あわせが終わると、会場が静寂に包まれ、徐々に照明が落ちていきました。そろそろかな…「醍醐寺音舞台」 京都の醍醐寺で行われたJAL主催のコンサート。久石さんが総合演出をし、バラネスクカルテット、ディープフォレスト、ニューヨークシティバレエ団などが出演。
「バラネスクカルテット」 1987年に結成。ヴァイオリン奏者アレクサンダー・バラネスクを中心に活動を行っている。ジャンルにとらわれない演奏で世界的に注目を浴びている。
18:07 久石譲 登場!
久石さん登場。うおお! 本物、本物! ありゃ、もうちょっとすらっとした体型の方なのかなと思っていたんですが、そうでもなかった(笑)。スポットライトを浴びた久石さん、舞台中央でじっとまっすぐ前…でもなく、前方ちょっと斜め上を見つめ、非常に緊張した面持ちで一礼。会場から大きな拍手が。
とりあえず、ここで位置関係を言っておきますと、手前左側からウッドウインドの方が2人(金城寛文さん、高野正幹さん)、そして中央にはもちろんピアノの久石さん、右側にはバラネスク・カルテットの方々4人(右端からバイオリン×2、ビオラ、チェロ)。後方左側にマリンバの神谷百子さん、久石さんの後ろにコントラバス(曲目によってはベースを弾いてました)の斎藤順さん、そして右側にマリンバ&パーカッションを大石真理恵さんという面々。
僕が書いた舞台図です。見づらいですが勘弁してくださいね。
久石さん、会場の拍手の中、ピアノの前につきました。汗をかいた手をハンカチーフで拭きつつ、気持ちを整えてました。そうすると会場の拍手もいつの間にか止み、また静寂の一瞬。「794BDH」が始まりました。コンサートがはじめての僕には、興奮の極みでございまして、すっかりこのときのことが思い出せなくなっております(苦笑+悲)。忘れないようにとメモを取っていたんですが、そのメモには「途中、久石さんは手を休める場面があり、そのとき楽しそうに笑っていた」とありました。やっぱりバラネスク・カルテットと演奏をするっていうのは楽しいんでしょうね。続いて「Sonatine」を演奏。このときは久石さんはバラネスクさんを見つめながらピアノを弾いていました(というか、僕の席からはそのように見えていました)。普通、ピアノってスコアをスコア立て(?)に立てかけて演奏するものだと思っていたんですが、久石さんってスコアを立てかけずに、そのままピアノの上に広げておいたものを眺めながら演奏するって感じでした。曲が長いので立てかけられないんでしょうね。「794BDH」 マツダのファミリア4WDのCMに使われていた曲。軽快なリズムのノリが素晴らしい。
「Sonatine」 北野武監督作品「Sonatine(ソナチネ)」のテーマ曲。メロディーの繰り返しが綺麗。ものすごいど忘れをしていました。「Sonatine」のあと、「New Modern Strings」という曲が演奏されていました。えー、久石さんが喋り始める前か後かはもう忘れてしまったのですが、コンサートの時に書いたメモを見ると、どうも喋る前みたいです。この曲、僕は今まで聞いていなかった曲で今ではもう、どんなものだかは、すっかり覚えていません。僕の持っていないCDの中に収録されている「Modern Strings」を新たにアレンジしたものということなんですが、聞いたことがないので分かりませんとしか言えません。感想も、覚えていないので言えません… メモ帳にも一言、「知らない曲」としか書かれていない… ダメだこりゃ…
「New Modern Strings」 久石さんのソロアルバム「I am」に収録されている「Modern Strings」を新たにアレンジしたもののようです。
「New Modern Strings」を演奏したあと、拍手がなっている中、久石さんはマイクを持ってしゃべり始めました。「こんばんは。久石譲、そしてアンサンブルです。今日がコンサートの最後なので思い残すことのないよう頑張ります。温かく見守ってください。」会場から大きな拍手が沸き起こりました。生の久石さんの声、やっぱりテレビとは違いますね。ああ、僕の約10メートル先には久石さんが… 今までテレビでしか見たことがなく、「本当にあんな人が存在しているのだろうか」と思った方はいなかったでしょうか。僕は思いました。でも、この日でその存在は「確信」に変わりました。久石さんは存在するのだと。やっぱりコンサートがはじめての人の特権ですね、この想いは。
続いて久石さんは次の曲の紹介をしました。「続いての曲は「MKWAJU」より、「MKWAJU」、「TIRA-RIN」です。メロディーは出てきませんが、音が作り出す空間的な広がりを聞いてほしいと思います。」ここあたりとかは、nezさんのホームページのレポートと同じですね。「MKWAJU(ムクワジュ)」 短いフレーズが繰り返し、そのメロディがずれていくミニマルミュージック。
「TIRA-RIN」 これもミニマルミュージック。アンサンブルヴァージョンはとても素晴らしいです。ミニマルミュージックとは…
短いフレーズを繰り返しながら、再生速度のずれているテープレコーダーを2台以上で同時再生しているような音楽です。徐々にメロディがずれていき、同じメロディフレーズでも違う感じに聞こえる面白い音楽です。アフリカの民族音楽だとか…2曲が終わったあと、久石さんとバラネスク・カルテットの方々を残し、他の方は退場されました。その後、久石さんがバラネスク・カルテットの紹介をされました。醍醐寺音舞台のことをはなされ、非常に相性が良かったので今回のアンサンブルを依頼したこと、現在バラネスク・カルテットがやっていること、そして今までいい感じでコンサートが続いていることなどを淡々と話されました。そして、バラネスク・カルテットのオリジナル曲「EAST」を披露、その演奏中は久石さんは舞台そでへ退場されていました。赤いライトが照らされる中、バラネスクさんが頭を上下左右に動かしながら、激しくバイオリンを引いているのが印象的でした。この「EAST」って曲、聞いた感じですが、音楽シロウトの僕なのではっきりしたことが言えないんですが、なにかミニマル・ミュージックっぽい感じでした。「醍醐寺音舞台」でバラネスク・カルテットが久石さんに感化されて、新曲を作った時にミニマルを取り入れたのかな、とそう考えましたが本当のところはどうなんでしょうか。とは、書いたものの、この「EAST」という曲、「醍醐寺音舞台」でも演奏されてました… でも、バラネスク・カルテットもミニマルミュージックを知っている方々で、久石さんも「おそらく技術的にはバラネスクより上手いミュージシャンは、日本にいくらでもいるでしょう。でも彼らはミニマル・ミュージックのあり方、繰り返すことの意味をよく理解しているんですね。」とおっしゃっており、やはりミニマル・ミュージックをはっきり理解している人でないと、いくら演奏が上手くても曲にならないようです。
「EAST」が終わった後、久石さんが再登場。そして、バラネスク・カルテットのバイオリン1人、ビオラの方が退場し、ピアノとバイオリン、チェロで「TWO OF US」が演奏されました。非常にいい演奏で、感動しました。でも何か演奏の最中、「スースー」と何か物を引きずる音が聞こえたのが気になりました。何の音だったのでしょうか。未だに謎です。演奏中、チェロの人が何かを引っ掛けていたのかな… で演奏後、久石さんがマイクを持ちました。「この曲は大林宣彦監督の作品「ふたり」の為に作った曲です。ですが、何かテレビで流れているようです。ご対面番組だそうで…」久石さん、話が続きます。「バラ色の何とかって番組だそうです。もちろん、私は見ていませんよ。」会場から思わず笑い声が巻き起こりました。「『ふたり』の英語版の曲でした。…分かったかな。」とこの曲の説明で会場から拍手が。そうですね、英語の「TWO OF US」は日本語で「ふたり」って意味になりますね。そうそう、後から思い出したんですが、この「TWO OF US」の演奏中、チェロのソロ部分があったんですが、その部分を引き終えて、安心したのか、チェロ奏者の人が久石さんに向かって笑顔を見せ、久石さんも笑顔で返しました。「上手くいきました」「ものすごくいい音色でしたよ」…そんなやり取りを表情で交わしているような、そんな感じでした。
「TWO OF US」 上にも書いたように、大林監督の「ふたり」のメインテーマ。決して「バラ珍」のではない。
次の曲の説明に入りました。「去年に『Nostalgia』というCDを出したんですが、そのレコーディングをイタリアでやったんです。で、せっかくだからという事でニーノ・ロータという人が作った「太陽がいっぱい」を自分なりにアレンジしてみました。3拍子から5拍子にしたり、タンゴ風にしたりと。えー…、そして前半最後の曲は… 何だっけか?」ありゃ? 久石さん、プログラムを思いっきりど忘れしていました(笑)。「そうそう、「冒険者たち」という映画があるんですが、その映画を観て作った(って言っていたかなあ…(汗))「Les Aventuriers」です。お聞きください。」僕は、この「Les Aventuriers」の読み方が分からなかったんですが、僕の聞き取りが正しければ、「レザヴァンチュリエール」だか「レザヴァンチュリエー」だったと思います。コンサート後に、遥楽さんと渋谷さんに確かめてみたんですが、確信的な答えは分かりませんでした…。にしても久石さんの演奏している姿はかっこいいです。鍵盤をたたく姿、フィニッシュの動き。真似したくなる…(笑) でもピアノの弾けない僕には、叶えられぬ(悲)。これからピアノとかの練習をしてみようかなあと、ふと思ってしまいました。
「太陽がいっぱい」 ニーノ・ロータという人が作った曲をアレンジ。タンゴのノリはやっぱりすごい。
「Les Aventuriers」 『PIANO STORIES II』に収録されている曲。説明は上の文にて…19:54 前半終了
前半が終わりました。この間、渋谷さんとNANAさん、七重さんとしゃべってました。それにしても僕って黙っていたら30歳代に見られそうなのが怖い… ま、若い時から老けて見られるという事は、年取ってもあまり変わらないってことですね(おいおい、そういうものか?)。そうそう、なぜだか僕の席の前の列、4席が前半、空席だったんですよ。ありゃ、どうしたのかなと思っていたんですが、僕の真ん前の席に男性の方が座られました。うーん、やっぱり目の前に来られると、ちょっと邪魔だったりして…(笑)