インディペンデンス・デイ映画評


インディペンデンス・デイ (100点満点中 61点

内訳

ストーリー
6点
構成
5点
演出
7点
映像
7点
音楽
6点
エンターテイメント
7点
印象
7点
独創性
5点
関心度
4点
その他
1点
総合
6点
     

計 61点

    1999年10月10日に「インディペンデンス・デイ」が朝日テレビ系の日曜洋画劇場でやっていたので、見てみました。ま、思ったよりよかった映画だったんですが、ちょっと疑問に思ったところもあったので、その点を書いてみようと思います。

    まず、この映画で素直に感じたことは、「主人公は誰?」ということ。主人公が複数いるのは良いのだが、この作品の場合、大統領、ケーブルテレビ(いやCS放送)の技術屋、酔っ払いで昔宇宙人にさらわれたことのあるオヤジ、宇宙を夢見る軍人パイロットとそのフィアンセ、とまあ主要キャラクターがいろいろ出てきて、誰がメインの主人公なのか分からなかった。もっと、誰かに視点を絞った方がよかったように思う。たいていの映画の場合は主人公に感情移入をしてのめり込ませるものなのだから、コロコロと場面が変わってしまったら、その感情移入も出来ないようになってしまう。

    ま、感情移入が出来ないというのと関係があるのかもしれないが、異様に巨大宇宙船の出現が早かったような気がする。確か30分も経たないうちに姿を表したはずだ。もう少し、出現前の状況描写をするものだと思っていたのだが、それもほとんどなかったまま、さっさと宇宙船を出現させて話を進めさせようとする感じがあったと思う。この作品の製作者にとっては、宇宙船が出現する前の状況説明よりも、やはり宇宙船が出現してからのやり取りの方に頭が傾いていたのだろう。ま、そういう手段も悪くはないが、もうすこし、「来るぞ、来るぞ」と感じさせるような出現方法も面白かったのではないだろうか。

    といっても別に悪いところばかりでもなくて、後半のタコのような宇宙人を解体している場面で、突如タコが動き出すっていう場面は、小さなテレビ画面でも驚いた。2、3回くらい驚かされるカットがあったと思う。飛び出してくるだろうなあと予想されるところでも、かなり驚いた感があったので、その点に関してはやはりプロの人々だなあと感心させられたが、このくらい驚かすことができるのであれば、「エイリアン」シリーズみたいにどしどし驚かせるカットを用いた方がよかったのではないだろうか。特に、感動をつむぎだす映画でもないし、迫力満点の映画でもないし、中途半端といえば中途半端な感じがする。あの巨大宇宙船の青光りを放つ主力砲も、巨大スクリーンで観たとしても、あれがこの映画の見所ともいえないと思うし、目玉っていえるのがなかったのではないだろうか。

    ということで、面白い部分もあったが、目玉がなかった、というのが結論のように思う。私のつけた点数も辛口な点数になったし。かといって、ダメな作品ではない。60点以上あれば、及第点というところで付けているので、まあ良しという作品ではなかっただろうか。