アポロ13映画評


アポロ13 (100点満点中 71点

内訳

ストーリー
7点
構成
8点
演出
7点
映像
9点
音楽
7点
エンターテイメント
6点
印象
7点
独創性
6点
関心度
5点
その他
2点
総合
7点
     

計 71点

    えー、某掲示板にてアポロ13のことを書いてほしいというお話があり、書いてみようと思います。まず、アポロ13号は実際にあった話を映画化したもので、ノンフィクションではありません。ま、誰でも分かることだろうとは思いますが。実際にあった話なので、ものすごく映画の中で緊張感があるというか、リアルさがある感じがします。おそらく演技をしている俳優たちや映画のスタッフたちも、実際に直面したジム・ラベル船長ほか2人の方に敬意を払って、緊張感を持って映画製作に取り組んだのではないだろうかと思います。

    まず、この映画のCGは公開時には非常に取り立たされた部分で、あのアポロ13号が発射するシーンは見ものでした。と言っても、そのカットは賞味10秒くらいで、それだけを見るために映画を見るっていうのはちょっとな…っていう感じはします。で、映画自体の中身ですが、既に11号で月着陸を果たしたあとの月飛行で、世間の目が他に移っている中、突然の事故が起こり、地球帰還に向けて、アポロ13号の司令室(オデッセイ)、月飛行船(アクエリアス)の中での宇宙飛行士たちの葛藤や、厳しい環境の中でのやりくり。そして、地球側の司令室の中でも帰還に向けての必死のやり取り。地球帰還という一つの目標のために、実際に自分の命がかかっている宇宙船内の3人と、地球上にいる指令室の人々の間のやり取りや、それぞれの中で起こっている事柄も、比較できて面白い。

    また、キャラクターとして、トム・ハンクスが演じるジム・ラベル船長も主役として非常にいい演技をしているのだが、もっと渋い演技をしているのはエド・ハリスが演じるジーン・クランツ。司令室のトップとして、冷静で頭の切れて、また責任感の強い人間を演じていて、素晴らしい演技だなと感じました。

    それにしても、この作品のキーワードともなる、「電力」を何とかやりくりして地球まで帰還するのにどうやって持たせるかというのが、映画の中心的な骨格となる。何度も言うように、実際に起こった事件なのでこのやりくりの部分が、実際の緊張感を表しているのか、その部分に面白みがあると思います。やっぱり、観る側にとっても、実際にこういうことがあったのかと思ってみると、先は分かっているのだけれど、なにか手に汗握るものがあります。

    自分が好きな映画だと、なかなか頭の中が整理できず、なぜこの作品が好きなのかっていうのが良く分からないです。何か宇宙への旅っていう冒険的ロマンが感じるから、それに惹かれているのかもしれません。このアポロ13号のフライトを「輝かしい失敗(Successful failure)」と呼ばれたそうですが、この「輝かしい失敗」っていう言葉がなぜか好きになりました。で、最後に、この作品はロン・ハワードという監督が作っているんですが、この監督が以前作った「バック・ドラフト」という作品が素晴らしい。この作品の音楽は誰でも聞いたことがある「料理の鉄人」のあのオープニングテーマの音楽なんですが、内容としては消防士だった父が消防活動中に事故で亡くなった消防士の兄弟の衝突と友情を描いたところが、迫力中心のハリウッドとは一線を画する内容で初めてハリウッド映画で好きになった作品の一つです。この監督の作品をチェックしてみてはいかがでしょうか?

    うーん、ぜんぜん映画評になっていませんが、ま、いいか(笑)。あ、そうそう、本当にこの事故で起こったことと、映画はやっぱり微妙に内容が違うんですよ。原作のアポロ13を読んで初めて分かりました…