もののけ姫サウンドトラックより
決して… 「アシタカとサン」

作詞 ショー/作曲 久石 譲

(前奏)
0:12
森と 獣(けもの)と 花と 水と…
    いとしいものよ 忘れない 決してこれからも…

ひとひらの風が そばをよぎる
    嵐のようで そよ風のよう…
        私を包んでくれた…

もう戻らぬ時と もう戻せぬ心
    静かにほほえむ 精一杯…

それでも… 同じ道を征(ゆ)き
    同じ時を歩んで…
それだけ… それだけでもいい…
    わたしは 決してひとりではないのだから…

(後奏)
            (タイムテーブルは「もののけ姫サウンドトラック」の31曲目に合わせてあります)


解説
   
これまた久しぶりに歌詞を作ってみました。今回は、個人的に非常に好きな曲であるもののけ姫の「アシタカとサン」に対して、作ってみました。
    大好きな曲なので、あまり変な歌詞もつけられないし、今までと同じアプローチではどうかなと思って、今回は歌詞を作る前に、曲の分析をしてみたんです。
    この曲が映画で流れる場面、デイダラボッチという夜の巨人が大爆発をし、何もかも吹き飛んでしまったけれど、何とかそれまでの惨劇が静まり、回りの木々たちも不思議な力で微々たるものだけれど、復活もした。そういう場面で、主人公たちの心に張りつめていたものが解け、穏やかな気持ちに変わってゆく。でも、流れる曲は穏やかなのだけれど、どこかハッピーではなく、悲しげなんですよね。なぜ悲しいのか。好き合っている者同士が一緒になれない悲しみ。何もかもを失ってしまった悲しみ。これからのことを思い途方に暮れる悲しみ。決して、この映画はハッピーエンドでは無かったわけです。でも、同じ方向を向いて歩いている人がいるから、安心して進むことができるっていう部分で、サビの盛り上がるメロディが出てくるのではないかと感じました。
    その僕が感じたものと、映画の中に含まれているものとを考えながら、主題歌である「もののけ姫」とは逆に、今度はサンの心のつぶやきを表現しようと思って文章を紡いでみました。個人的にはもうちょっと、理論的に詞を構築できればなあと思っているんですが、ま、そんなレベルに至っていないので、言葉を上手くパズルのようにはめていっただけです(苦笑)。それでも、うまく表現できたなあと思えるところもあって、そこそこ綺麗に言葉を組めたかなと思います。「もう戻らぬ時と もう戻せぬ心」や「わたしは 決してひとりではないのだから」は、個人的に気に入ってます。前者は、映画を観れば一目瞭然ですよね。後者は、アシタカがいるから、ということではなくて、アシタカだけではなくて、自分の兄弟や仲間、そして何より自然がついているという意味合いも含めて、書き入れてみました。
    曲のラストには歌詞をつけませんでした。つける必要が無いかなと思ったので。…にしても、解説がずいぶんと長くなってしまいましたね(苦笑)。

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