コンサート後半戦
さてさて、コンサート後半が始まります。ふと、ステージ上に目をやると、ピアノの脇にマイクスタンドと譜面立てが用意されているではないですか! そう、後半最初の曲は長丁場の「オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』」なんですよ〜 って、ペンジョンファンドコンサートと同じ文章です、ハイ(苦笑)。
オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」(アルバム「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」より)
ペンジョンファンドコンサートとほとんど内容は変わりません。詳しく読みたい方はペンジョンファンドコンサートや2002年春のドコモ東北主催のコンサートのコンサートレポートをお読み下さいね。
で、新潟で分かった点などをお伝えしようかと思います。まず… やっぱり最初は新日本フィルハーモニー交響楽団のみなさんがチューニングしている間に、久石さんと金さんが一緒に入場してくる点。ペンジョンファンドの時も一緒でしたね。これは他の会場でも同じようにやっているんでしょうね。一種の演出でしょう。演奏に入る直前、金さんがチューニングしている最中の音を左手で制する場面が印象に残ってます。ま、普通に音を止める指示を出しただけなんですけどね。
そして! この曲でももう一台のピアノが使われていましたよ!! 使われ方とすれば、久石さんがナレーションをやっている間にピアノを弾くという感じです。久石さんがナレーションをしながら弾くという感じで楽曲が作られてはいないでしょうしねぇ。そうそう、ピアノの他にチェンバロも用意されていたようです。これは久石さんがピアノを弾かれる時には、ピアノを演奏されていた方が今度はチェンバロに乗り換えるっていうような感じだったんでしょうね。
で、だめ押し。ペンジョンファンドコンサートでも言ったんですが、コンサートマスターの崔さんのソロが何とも素晴らしかったです。この人、ホント上手すぎですよ。……もう一つだめ押し!(爆) 最後に付け加えられていたセリフ、今回はちゃんと覚えてきました。ペンジョンファンドコンサートの時は曖昧だったんですが、実際はこういう風に言っていた、はず…(爆)
"オーケストラストーリーズ 「となりのトトロ」
僕たちも夢を持ち続けていれば、トトロに出会えるかも知れません。
いつか、夢はかなう……"久石さん、「夢はかなう」っていうフレーズがマイブームなんでしょうか… 最近、本当に連呼してます。「夢はかなう」は「ETUDE 〜a Wish to the Moon〜」のテーマでしょ、久石さん!!(苦笑)
とにかく「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」の演奏が終わりました。会場、非常に盛り上がってすごい拍手でした。ま、「トトロ」は幅広い年代、幅広い人々が観ている名作だから、知っている曲だってことで反響も大きかったんでしょうねぇ。
この後、MCが入るんですが、ペンジョンファンドコンサートとほとんど変わりませんでした(苦笑)。なので、このMCはカット(爆)。いや、一部違うところがありました。世界美術館紀行のテーマ曲の曲名を言おうとされていたんです。そうしたら…
ん? ……ミューズ……?? いや、ミューズは石鹸だな…(会場から笑い声が…)
えーと、「ミューゼ・イマジノイエ(発音違うかも…)」と読みます。空想美術館という意味です。っていうような発言をされてました。石鹸かい!?(笑) そして、指揮の金洪才さんと新日本フィルハーモニー交響楽団の紹介をして、久石さんは退場されました。「Musee Imaginaire」は久石さん抜きでの演奏です。
Musee Imaginaire(NHK「世界美術館紀行」テーマ曲より)
この曲、あまり時間がある時に作られたものではないと思うのですが、久石さんは限られた時間の中でずいぶんとこだわって作られたということで、他のレポートで書いてもあるんですが、久石さんにとっては忘れられない曲となっているようです。
コンサートでの初披露は先日の2003年春で、チェロアンサンブル構成で行われたんですが、そちらだと楽器が限られているせいかメロディがハッキリしています。ただ、オーケストラの場合は楽器が多く、音量が大きいんですが、メロディがちょっと丸まってしまうような感覚があるんです。その辺で、チェロアンサンブルアレンジで表現されていた攻撃性の部分が、少し弱くなっているんじゃないかななんて素人目から見て感じました。ただ、攻撃性の部分をワザと久石さんが丸くして、ゆったりとした曲にしたのかも知れないですけどね。ま、この辺は好みの問題となります。僕としては攻撃的な、迫力のある方が好きですね〜「Musee Imaginaire」の演奏が終わると指揮の金さんが指揮台から降り、観客に向かい一礼をしたり、コンサートマスターの崔さんと握手をされていました。そして金さんが舞台袖へ向かうと同時に、久石さんが舞台袖から逆にステージに出てこられました。金さんと久石さんがハイタッチして、ペンジョンファンドコンサートと同様に指揮者が交代となります。
007 Main Theme(映画「007シリーズ」より)
ペンジョンファンドと同じように「007」が演奏されました。久石さんは2004年夏から新日本フィルハーモニーポップスオーケストラの音楽監督をやられるそうで、久石さん自身のツアーとはまた別に各地を回って演奏されるそうです。もちろん、曲のアレンジは久石さんということらしいんですが、2004年の夏と言ったら宮崎駿監督の「ハウルの動く城」の公開がされる時期なので、さすがにポップスと言えどもそちらの曲もやられるのではないかなあと思います。
で、肝心の曲の方はと言えば… かなり元気なアレンジでノリノリです! でも個人的にはもっと驚く曲をアレンジして欲しかったなあ、なんて…(苦笑) 何か今回はちょっとレポートに毒が入ってますが、「敢えて」言っているだけなので…(汗) 例えばポップスオーケストラなのに北島三郎さんの『祭』なんかをポップスアレンジなんかしてやれば、もっと驚くと思うんですよ。「なぜ、久石さんが演歌の曲を!?」って感じで。演歌がポップスとして聴くことが出来れば、久石さんはすごいなあと改めて感じさせてくれるはずなんですが…(もちろん、やろうと思えば久石さんなら出来るはずだし。) 無茶なこと言ってるかな、僕は…(苦笑)でも、本当に軽快な響きを醸し出してくれて、気持ちいい演奏でしたよ。ホールも良いし、演奏も素晴らしい。そんな「007」が終わると、ピアノの左側にはコンサートマスターの崔さんが、右側には主席チェロ奏者の方(すみません、お名前が分かりません…)が出てこられました。それぞれのソロパートがある曲が披露されます。
TWO OF US(映画「ふたり」より)
この曲はホント馴染みある曲となりました。以前、日本テレビの「バラ色の珍生」っていう島田紳助氏が司会をやっていた番組で、涙のご対面場面で使われていた曲で、元々は大林信彦監督の映画「ふたり」で使われていました。ちなみに大林監督と久石さんがデュエットして歌っている曲はこの「ふたり」です(タイトルは「草の想い」となってますが…)。
演奏の方は、オーケストラとピアノ、ヴァイオリン、チェロの掛け合いとなってきます。にしてもやっぱりコンサートマスター崔さんのヴァイオリンの音はすごすぎです。身体全体を使って音を表現しており、その音色も素晴らしかったです。チェロの方も綺麗な音色を響かせていました。Kids Return(映画「Kids Return」より)
さあさあ、プログラム最後の曲です。この攻撃的なナンバーは、CD「SUPER ORCHESTRA NIGHT 2001」にライヴ音源として収録されていますが、是非とも生で聴いていただきたいと思います。生ではじめて聴く方にとってはたぶん衝撃的なものだろうと思いますから。あの弦のはじけるような音と、そこに突出する金管の響き。それが上手くバランスが取られているから不思議なんですよね。
そして、生で観る価値としては演奏をしている姿が観ることができるっていうのはウェイトが高いと思います。多少、音が張ってもちょっとステージに近いところで観ると、五感を使ってコンサートを楽しむことがよりでいるようになりますから、お勧めですよ。特にこの曲のラストは格好良く決まるので是非その目で見ていただきたいです。久石さんのしかめっ面をしながら、思い切りピアノの鍵盤を叩いて腕を一回転させるラスト部分。あるいはヴァイオリンなど「ジャン!」と音を鳴らし、同じタイミングでヴァイオリン奏者全員の右腕とその手に持たれた弓が同じようなフィニッシュの動きをするラスト部分。あるいはラストを決めるパーカッション奏者が奏でる音色とその動き。いろんな楽しみ方がありますよね。でも、やっぱり僕は久石さんの方を見入っちゃいます、なぜか(苦笑)。
最後の曲目が終了しました! 会場から止めどない拍手が流されます。久石さんが指揮の金さんやコンサートマスターの崔さんの顔に目をやり、にっこり笑顔を浮かべながら握手を交わされ、観客に対してはアリーナ形式のステージなので、いろんな方向にお辞儀をされてました。
それで、僕は今回渡さなかったんですが、コンサート前に花束の渡すタイミングの説明をちょっと聞いてまして、「プログラムが終了後に渡すように」との指示があったんです。プログラムの終了後と言えば、この「Kids Return」の後なんですが、久石さん、一旦舞台袖へ退場された後、すぐにステージ上に戻ってきて、パッとピアノに座ってしまったので花束を渡すタイミングが図れなかったようです。うーん、「プログラム終了後」とか「アンコール終了後」、「演目終了後」などなど、結局どこで渡せばいいのかよく分からないですよね(苦笑)。Summer(映画「菊次郎の夏」より)
トヨタのカローラのCMで一躍有名になった曲ですね。もう久石ファンならず、他の多くのみなさんの耳にも馴染まれたメロディが流れてきます。
曲の冒頭は弦楽器のピチカート奏法により前奏が演奏されます。4分音符がスタッカート気味に弾かれるんですが、タイトルが「夏」っていうこともあって、非常にさわやかに感じます。そしてピアノと弦楽器との掛け合い。なかなか良い感じでした。「Summer」の演奏が終わると、拍手とともに花束を手にしてステージの久石さんのところに向かわれる方が5〜6名ほどいらっしゃいました。思い思いに花束を渡されていたんだろうと思います。そうそうトトロのハンドタオルを渡していた方もいらっしゃいました!(もちろん知っている方です。) 花束を受け取った久石さん、最後の方から頂いた花束をピアノの前に置いて、アンコール2曲目を披露します。
Madness(映画「紅の豚」&ソロアルバム「My Lost City」より)
絶対にコンサートでやらないことがない定番中の超定番の曲です。何度も同じ曲についてレポートを書いているので、表現もなかなか難しくなってきてますが(笑)、「紅の豚」でポルコ・ロッソの愛機サボイアS-21が河川から何とか飛翔していく場面が目に浮かんでくるようです。警察から追われての出発、水面すれすれでの飛行、愛機操縦の不慣れさ、そして幾多の障害物を回避し、やっと飛翔するサボイアS-21。そんな場面に非常にピッタリなアップテンポの曲です。宮崎監督が曲を気に入って、映画に使った理由が分かった気がします。ホントにシーンにピッタリな曲なんですもんね。
演奏が終わると、辺り一面から拍手の嵐。非常にすごい拍手です。前半の終了時の拍手もなかなかやまなかったんですが、最後もものすごかった。久石さんが方々に頭を下げられたりして観客に答えながら舞台袖に退場していったんですが、全然拍手がやまず、何度もステージと舞台袖を行き来する始末。スタンディングオベーションは起こりませんでしたが、熱気のこもった拍手が何分間も続きました。最後に終演のアナウンスが流されても拍手が続きます。みなさん、久石さんがもうちょっと何かやってくれるんじゃないかなと期待されていたのかも知れませんね。でも、ダメでした(苦笑)。そういうわけで新潟公演は終了を迎えました。ただ、まともに帰るのはもったいないので毎度のことの出待ちです。通用口へ向かったら僕らと女子高生たちと合計で10人程度だったかな。やっぱり地方の出待ちは素晴らしいです(笑)。あまり人がいない!(爆) で、僕は久石さんにサインをもらったことがあったので、指揮者の金洪才さん狙いで頑張ってみました。金さんってあまり目立つ方ではないので見逃しやすいんです(爆)。至って普通のオジさんって感じなので、目を皿のようにして通用口を監視し(核爆)、何とか金さんを見逃さずにサインを頂くことが出来ました。
金さんの第一声が「僕で良いの?」でした。良いんです! 良いんでございます!!(爆) いやあ、嬉しかったです。僕と金さんって特に後ろ姿が似ているらしくって(僕は実のところ、自分の後ろ姿を見たことがないのでよく分からないんですが…)、その話を金さんに話したら「へぇ〜 そうなの〜」って感じで… ま、そんなこと金さんに話しても何ともならないんですが…(笑) その脇で女子高生が「キャー」って…(爆) 金さんを見て驚きすぎ!(爆) 僕とのやりとりの後、金さんはタクシーに乗り込んで待機。
これが金さんの噂のサインです。 その後、みなさんお目当ての久石さんが登場。女子高生がキャーキャー言いながら握手をしたりしていたようですね。サインをもらう紙が無くて、仕方なくチケットにもらっていたようですけど…(苦笑) まあ、女子高生だからパンフレット買うお金が無いだろうしなあ… あとみなさんサインをもらったり、握手をしたり写真を撮ってもらったり…
久石さんは一通りサインなどにこなされた後、ハイヤーに乗って新潟駅へ向かいました。その間、指揮の金さんはタクシーの中で待機しっぱなし(爆)。その後の話だと、新潟から新幹線に乗って指揮の金さんと新日本フィルのメンバーと祝杯を車中で挙げていたのだとか。目撃情報も頂いておりますし(笑)、オフィシャルホームページのレポートにも書かれてましたね。そんなこんなで新潟公演での内容は以上です。
2003.7.15 0:00
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