2000.04.16 (Sunday)
本日のお題 『マルちゃんの憂鬱』

    最近、巨人は好調で今日、横浜に勝って単独首位を獲った。と言っても今の時期に首位になっても何にも問題にはならない。今の順位はあまり関係ない。今は試合内容を一番重要視をしなければならない時期だ。今日の巨人の試合内容は、ルーキーの高橋尚が投げ、マルティネスが5打点の大活躍で勝ったわけだが、今、一番気になるのはマルティネスの精神状態であるだろう。それはなぜか…
    そう、清原である。清原の存在そのもの。同じポジション、同じホームランバッター。同じタイプの選手である。気にならないわけはない。しかし、清原とマルティネスでは決定的に違うものがある。そう、「声援、期待」だ。今日の清原の復帰第一打席の声援は物凄いものがあった。結局、三振に終わったものの、バッティングの形としては悪くなかった。よくよくは結果を出してくれることだろう。
    要するにマルティネスは現在、清原の前座としか見られていない気がするのだ。清原が完全な形で戻ってくるまでの期限付きのレギュラー。そう考えてみれば、ヒーローインタビューもかなりそっけないものであった。マルティネスのことではない。インタビュアーがそっけなかったのだ。確かにピッチャーの高橋尚が主役であっただろうが、それでも5打点はもっと評価されても良かったはずだ。これからそんな状況が続くだろう。清原が戻ってきて、これからのマルティネスは見ものである。

2000.04.22 (Saturday)
本日のお題 『巨人エンジン逆噴射と鮫肌水着』

    前回は巨人好調だったが、ここに来て連敗地獄に陥った。最初のうちは主力打者がある程度の調子が良かったものの、ちょっとヒットが出なくなると全くの大味な展開となる。巨人は緻密な野球が全く出来ていない。それもそのはず、大砲バッターが多すぎる。その大砲バッターがホームランを打つか、タイムリーを打たない事には得点が出来ない。盗塁もないし、送りバントもエンドランも少なすぎる。よく考えてみて欲しい。ヒットなんかそんなに続くものではないはずだ。だから作戦がある。今の巨人にはその作戦がない。いや、正確に言うならば、選手の入れ替えなどの作戦があるが、試合中の「サイン」的な作戦が組み立てられない。これでは負ける時はガタガタと崩れていく。投手が失点を押さえるなんて、毎回毎回無理だろう。まず巨人は頭を使った野球をしなければ勝てない。その時点で好調な選手をスタメンで起用する大胆さが必要だろう。もっと勝利に貪欲なハングリーさが欲しい。
    さて、話は変わり、今度は水泳の事だ。今、オリンピックの選考会も兼ねている水泳の大会が開かれているようだ。日本新記録が続出しており、今年は期待のもてる選手たちが多いが、その裏には鮫肌水着が一役かっているようだ。水着の表面を鮫の肌のような突起をつけると水の抵抗が7パーセントほど減り、その分タイムが短縮できるというわけだ。ただ、そう考えると… よく「今回のタイムは前回の××大会での1位タイムで、オリンピックでは期待できます……」というコメント、全然信憑性がないということが言えるはず。海外の選手も、例の鮫肌水着をつけていないはずがなく、タイムを短縮してくるであろう。そういくことを考えると、鮫肌水着効果でのタイム短縮だけでいい気になっていると足元をすくわれる格好になってしまうだろう。今回のオリンピック水泳競技は、世界記録タイム前後での争いになるはずだ。そこにどう食い込んでいけるか、頑張って欲しい。

2000.04.23 (Tuesday)
本日のお題 『高橋由のきっかけ・千葉すずの落選』

    巨人の高橋由伸の調子が今ひとつ。それはなぜかと、ふと考えてみる。やはり開幕戦だろうか。松井秀喜が四番に座り、その後の五番に高橋由がつく。今まで高橋由の後に松井だったのが、今回は逆になった。それが多少なりとも影響しているのではないかとの分析がされている。確かに、この日は松井がホームランを打つなどそれこそ四番の活躍をしていた。その日は、高橋由はノーヒット。これが狂わせたのだろう。「オレも打たなければならない」という力みがバッティングのバランスを失わせ、それがヒットが出ないという結果になる。また「打たなければ」という気持ちになり、という悪循環。人というのは難しいもので、良い時から悪いときにはそれこそ一瞬の「きっかけ」で変わるが、逆に悪い時から良いときへは長く、遠い道のりが待ち受けている。きっかけなんて有って無いに等しい。しかし、調子なんていつの間にか良くなっているもの。そのきっかけなんて、あとから「ああ、あれだったか」と気付く程度なのだ。今は何も考えず、ただただ打ちまくっていればいい。あれだけの天才バッターが悪いままで終わるはずが無い。
    オリンピックの競泳競技の選考で、3回連続オリンピック出場かと思われた千葉すずが落選した。一種目では優勝を果たしているものの平凡なタイム。もう一種目では3位という不本意な成績。以上のようなことを分析して、オリンピックでメダルを取れる内容ではなかったとの落選の理由を選考委員会が語った。また、千葉が3位に終わったレースの後、「オリンピックに標準を定めているので、今回の結果は重要ではない。オリンピックで結果を残せばいい」というような発言が物議を醸し出した。「わがままだ」「他の選手のことを考えていない」などなどの意見があった。その通りだろう。ただ、この発言を良く考えてみる。オリンピックに標準を合わす前に、選考をまずパスしなければならない。よって千葉はオリンピックに標準を合わす前に、今回の選考会に標準を合わせていたはずだ。それが3位という結果。千葉は不安だったのではないだろうか? 「オリンピックに行けない」という不安に襲われていたのではないだろうか。その不安を自分自身の中で打ち消すために、今回の結果は千葉の中ではさほど気にしているものではないと見せかけたのではないだろうか? 上を目指すものにとってポジティヴシンキング(前向きな考え方)は重要なものだ。今回の千葉にとっては、本人の気持ちの中ではどう思っていたにしても、ポジティヴに発言したということは悪いことではない。それが結果的に悪い方向になってもだ。この発言は、土壇場に来て結果を出せなかった千葉にとっては成長したところでもあり、しかしあまり成長していない面もあわせもっていた。

2000.05.04 (Thursday)
本日のお題 『主砲の役割』

    清原がスタメンに顔を連ねた。それだけでは何の意味もない。それまでの経過が一番重要なのだ。そう、それまでの清原は不運をかこっていた。昨年の不振から脱するため、精神修行、肉体改造などを行い、万全の体制で臨んだ今シーズンだったが、オープン戦で太ももの肉離れを起こした。開幕絶望。復帰した時にはマルティネスがファーストというポジションについていた。
    しかし、そのマルティネスが徐々に調子を落とし、清原に出番が回ってきた。2000年5月3日のことだった。スターティングメンバーに五番ファーストとして。その第1打席、ランナーは1、2塁だったろうか。その時、清原は外角低めの中日山本昌の決め球シンカーを叩いていた。ライトに飛んだ打球はつまってはいたものの、パワーでスタンドまで飛んでいった。
    それまでの巨人に漂っていた暗い雰囲気を、主砲の一振りでかき消したといっても過言ではない。本来、主砲とはそういうものだった。チームが低迷している時に、一振りで雰囲気をガラリと変えさせる人間。成績もそうだが、精神的な柱でもある選手。それが主砲と言われるべきものだ。この日の清原は、その後、ヒットは出なかったが、一本のホームランはヒット10本以上もの価値があったと言っても良いものではないだろうか。

2000.05.14 (Sunday)
本日のお題 『ミスジャッジなのか』

    横浜対中日の試合で、中日の攻撃中、立浪の打席を巡って審判と中日選手との小競り合いが起こった。ピッチャーは誰だったろうか… 確か右投げのサイドスローの選手だったはずだ。その選手が放った、結局はスリーストライク目の球は、立浪の内角低目を襲った。そのボールの判定をめぐって、立浪、星野監督、大西の3人が体当たりなどの暴力行為に出て、審判が肋骨を折るなどの怪我を負ってしまった。暴力行為に走るのは非常に慎むべき行動であったはずだ。ただ、ふと… それほど暴力行為に走るほどのミスジャッジだったのか。テレビを見る限りだと、一概に「ボール」だったとはとてもじゃないけどいえないコースだった。どうも甲乙つけがたい、ストライクともボールともつけがたいコースだった。では何故、暴力行為までになったのか。それは今までの積もってきたうっ憤がたまっていたはずだ。でも、それは引き金ではない。それは呼び水だろう。引き金になったのは、やっぱりチームの不振が一番だったのではないだろうか。その焦りがこのような事態を起こしてしまったのではないかと感じる。

2000.05.28 (Sunday)
本日のお題 『外国人枠と高橋由伸』

    また巨人の話で恐縮だが、この話をせざるを得ない。今、巨人のガルベスがファーム(2軍)に落ちている。調整ということらしいが、巨人には外国人投手が4人いる。阪神から移ってきたサウスポーのメイ。そして、去年は故障で出場できなかったが今シーズンは万全な状態の趙。そして今年、韓国野球から移ってきた鄭(ちょん)。そしてガルベス。野球規則で取り決めれている外国人枠は投手野手合わせて3人だが、3人全員を投手、あるいは野手というようにそろえてはいけないことになっている。よって、「投手2人、野手1人」にするか「投手1人、野手2人」にしなければいけない。まあ、外国人が3人も要らないチームには特に関係の無い話だが。今回の巨人は、左のメイはほぼ固定なので、右投手の趙、鄭、ガルベスの3人から1人を選ばなければならない状態なのだ。ガルベスの調子が上がらず、代わりに鄭を1軍に上げると完投勝利を果たし、またその後、趙を1軍に上げると中継ぎで活躍。現在、1軍の位置にいるのは趙である。調整ということで落としたガルベスだが、他の投手たちの出来が良いため1軍に戻せず、内部でいざこざが起こっているようだ。プロの世界はやはり結果を残さなければいけないが、外国人は特に結果を残せない場合は厳しいのが浮き彫りになっただろう。しかし他の球団では外国人選手をあっさりとクビにしているのだが、今回の巨人にはその決断力が欠けているのかも知れない。
    そして、もう一つ。高橋由伸について少し。27日の東京ドーム、対中日戦にて4打席4安打、全てツーベースという結果を残した。この日の高橋由のバッティングフォームに変化が見えた。右足の上げ方である。28日の日本テレビの番組「独占プロ野球」にて長嶋一茂氏が言っていたが、高橋由の右足の上げ方が何か申し訳なさそうに遅めに上がっていた。最初、このバッティングフォームを見たとき、私は大丈夫だろうかとはじめは心配だった。しかし、そんなものは無用だった。右足を早めにゆっくりと上げることによって、タイミングを掴むのを容易にさせるという効果があるのだろう。素晴らしい効果が見られた。前日の移動日、野手陣が緊急の打撃練習をしていたが、その効果が出たのだろうか。今日(28日)も高橋由は第一打席、中日のエース野口から左中間に3ランホームランを放っている。

2000.06.04 (Sunday)
本日のお題 『本物のホームランバッターとは』『オールスターファン投票開始』

    "ホームラン"。野球選手にとっては、何の障害も無くベースを一周出来る特権とでも言えるだろうか。あるいはパワーヒッターの証明とでも言えるのかも知れない。いずれにせよホームランはプロアマ問わず、憧れるものである。その"憧れ"を量産するバッター、それがホームランバッターである。もちろん、ホームランバッターにもいろんな種類がある。飛距離にこだわるバッター、数を競うバッター、チャンスで狙うバッターなどそれぞれである。それでは本物のホームランバッターとは何なのだろう。ホームランというのは完璧なスイング、完璧な弾道、完璧なバットの感触、完璧なタイミングなどが積み上げられて、初めて打てるものだ。実際に、多くのプロの選手たちがホームランを打ったあとのインタヴューでそのようなコメントを寄せている。しかし、本物のホームランバッターはそうではない。如何に"完璧ではない"バッティングから数多くのホームランを打ち出せるかにある。タイミングが合っていないスイングにも関わらずとんでもないボールの飛距離を出したり、詰まっているのにオーバーフェンスしてしまったりと。完璧なバッティングが出来れば申し分ないだろうが、形を崩したバッティングでも数多くのホームランを生み出せるバッター、それが本物のホームランバッターと言えるのではないだろうか。普通、こんなバッターは"化け物"呼ばわりされるのがオチだが。
    オールスターゲームのファン投票が始まった。これで一躍話題になったのが清原である。清原は今まで15年連続でオールスター投票で1位に輝いていたのだが、今回はファン投票の用紙から名前が消えてしまうといったことになってしまった。今シーズンは故障でこれまであまり試合に出ていなかったのも影響しているが、清原はオールスターに出場できるのだろうか? 巷ではうわさになっていたりするのかもしれない。ちなみにオールスターのファン投票をするにはhttp://allstar.sanyo.co.jp/に言ってみるとインターネットから投票が出来るようだ。私もすでに投票は済ませている。

2000.06.17 (Sunday)
本日のお題 『千葉すずの提訴の意味』

    以前、水泳競技の第一人者である千葉すずがオリンピック選考で落選したことはすでに前述したとおりだ。しかし、今月12日、千葉はスポーツ調停裁判所に「落選した理由が明確ではない」という理由から日本水泳競技連盟を提訴した。確かに千葉は200メートルにてオリンピックの選考基準でもある、国際A標準記録をクリアしているが、連盟によると「その記録ではメダルは狙えない」ということなのだ。しかし、1999年の夏には日本記録を更新し、またその記録は、そのシーズンの同競技総合2位のタイムなのだ。どうも、水連の方では「千葉はチームワークを乱す」と思っているという噂もある。確かに前回のオリンピックで水泳陣が総崩れした原因が千葉にあると言われたこともある。
    ただ、よく考えて欲しい。オリンピックは「出ることに意義がある」のではなかったのだろうか? 何故にメダルを取りに行かなければならないのだろうか? 確かに取れるに越したことは無い。でも絶対にとらなければならない、というものではないはず。それぞれの選手がベストを尽くしたのであれば、結果がどうであれ賞賛すべきである。結果がすべてというのはアメリカナイズされた考えである。日本水連の決定は、アメリカナイズされた(結果重視)考えと、日本的な不確定要素(人間性など)をごちゃ混ぜにして下してしまったものであり、結果的に非常にあいまいなものになってしまったのではないだろうか。しかし、そんな決定も我々日本人が「期待しすぎる」あるいは「出るからにはメダルを…」という考えがあることが、そのような結果を招いてしまったのかもしれない。

2000.07.16 (Sunday)
本日のお題 『清原・復活』

    久しぶりのスポーツコラムだが、巨人の清原が一軍に戻ってきたので、その事について書こうと思う。清原が戻ってきて、最初の打席は代打の場面。すでに私の記憶が抜けているため誰から打ったかは覚えていないが、左中間に高々と舞い上がった打球は東京ドームの外野フェンスギリギリのところに突き刺さっていった。誰もがあれで「清原・完全復活」を予感した。しかし、あの場面で「復活」を早々に決め付けてしまうのは早い。ある程度の期間、一定の結果を残せてこそ完全復活である。
    その後、巨人は北海道シリーズを迎える。丸山球場では最後の試合となる広島との2連戦。その試合ではじめて清原はスタメンに立った。そこで清原は3ホーマーと打棒を振るった。これでまた多くの人が「清原・大爆発」と豪語した。でもまだその判断は早い。その後のヤクルト3連戦ではヒットがなかなかでなかった。やはり完全復活にはまだ早かったか、とそう思った瞬間。清原は今日、8回の裏にヤクルトのセットアッパー五十嵐から、内角高めの速球をなぎ払った。いっそう高々と舞い上がった打球は天井すれすれを通り過ぎ、レフトスタンドポール際に突き刺さっていった。ボールが切れず、フェアグランドにだ。あの打撃には恐れ入った。速球には弱いとされていた清原が、スッと払った一撃が急激な角度の放物線を描いてボールが飛んでいったのは驚きを禁じえない。私はあの打撃でこそ、「清原・復活」であると思う。ただし、復活ということが成績につながるかと言うと似て非なるものもあるが…

2000.10.15 (Sunday)
本日のお題 『オリンピック終わっちゃった』

    またまた久しぶりのスポーツコラム。いつの間にかオリンピックも終わり、プロ野球もON対決で決まっていた。以前のコラムで、「オリンピックには出ることに意義があるのだから、メダルに固執するのは良くない」ということを書いたが、それにしてもやっぱり日本人がメダルを獲ると嬉しい。柔道の田村選手、女子マラソンの高橋選手、シンクロ団体女子の方々といろいろ考えると、女性の強さっていうのが目立ったような感じがあった。一方では柔道の誤審疑惑というのもあった。100キロ超級の篠原選手が決勝戦で、フランスのドゥイエ選手にかけられた内股を返して、「内股透かし」という技を放って、素人目から見てもドゥイエ選手が背中から畳に落ちており一本かと思われたのだが、判定は一転、ドゥイエ選手の有効。結果的にそれが響いて負けてしまったわけだが、あとから抗議しても後の祭りだろう。あの場面では即座に篠原選手が抗議をすべきだった。コーチも試合を止めるくらいの勢いで抗議しなければならないはずだ。ま、過ぎてしまったことは仕方がない。しかし、試合後の篠原選手のコメントで「弱いから、負けたんです」のひと言は、日本人としては悔しさを共有できるコメントではあるが、外国の方から見れば「なぜ、抗議をするようなコメントをしないのか?」と疑問に残るものでもある。試合に負けたのは仕方ないけれども、あの判定については納得がいかないというくらいの気持ちを持っていても良いのではないのだろうか。
    ということで久しぶりのコラムはこの辺で。次回は日本シリーズ直前予想でも書いてみようと思います。

2000.10.16 (Monday)
本日のお題 『日本シリーズ予想』

    昨日書いたとおり、日本シリーズの予想をしたいと思う。多くのファンの念願だった、ON対決が実現し、野球解説者たちがその予想をいろんな形で行っている。その多くが4勝3敗と接戦で、巨人かダイエーかも真っ二つに分かれている。それもそのはず、巨人はホームラン200本打線やらミレニアム打線と評され、その打撃の破壊力は非常に計り知れないものがある。一方のダイエーは去年の日本一という実績がある。この経験は何にもまして力強い見方になるはずだ。また、ダイエーの藤井投手の急逝もあり、ダイエーの団結力はより一層高まっている。そう考えると接戦になるだろうと考えられるのは当然である。
    しかしだ。今回の日本シリーズはもちろん短期決戦であり、しかも変則日程である。通常なら「2試合・3試合・2試合」の試合日程なのだが、今回は「3試合・4試合」である。ということは最初の3連戦(東京ドーム2連戦と移動日なしの福岡ドーム1試合)で勝ち越した方が勝負を決すると言っても過言ではない。ということで3連戦を制するにはどうすれば良いのか。それは初戦を獲ることに他ならない。初戦を必ずモノにする必須用件はというと、やはり先発投手の好投が何よりも先に挙げられる。それは何故か? 打線の方は確率の問題である。ヒットを放つ確率は3割前後。ホームランなどの確率なんてもっと低くなる。いくらホームランを打てる打線と言えど、この低い確率では当てに出来ない。そう考えるとエースが抑えてもらう方が計算が出来るはずである。そう、投手力が重要視される。
    そういうことになると、巨人のミレニアム打線というのはあまり当てに出来ない。ただし、第一戦でホームランが2本以上出ればダイエー投手陣にその印象を植え付けることが出来るし、話は変わってくる。ただ、やはり継投の妙で勝ってきたダイエーの方が勝ち目があるのではと言わざるを得ない。ふんばってふんばって、1点をもぎ取る。短期決戦では大きいモノより、我慢して確実に1点を取る方法を考えた方がベターだろう。次回はスタメン予想などをしてみようと思う。

2000.10.17 (Wednesday)
本日のお題 『日本シリーズ制覇の条件』

    またまた日本シリーズ予想を書くことにする。前回は「ダイエー有利」と述べたが、それも本当に微妙な差であり、あるきっかけですぐにひっくり返りそうなくらいだ。で、双方の日本シリーズへの勝利の条件を書いておこうと思う。

    両チーム共通・制覇の条件『最初の3連戦に勝ち越すこと』

    巨人・制覇の条件『初戦あるいは二戦目に主力選手(高橋由伸、松井秀喜、江藤智、清原和博)がホームラン2本以上を打って勝利すること。』あるいは『初戦で先発投手が完投すること。』

    ダイエー・制覇の条件『初戦あるいは二戦目を先発投手が完投するか、継投でペドラザが救援(セーブポイント付く付かずに関わらず)して抑えること。』あるいは『初戦あるいは二戦目でキャッチャーの城島がホームラン1本か打点2以上を挙げること。』

    もちろん、3連戦を悪くても2勝1敗で乗り切るのが制覇の条件というのは必須条件であろうと思われる。で、まず巨人についてだが、最初の東京ドームにてミレニアム打線の迫力を見せつけておかなければならない。そうすることでダイエー投手陣の雰囲気を壊すことができる。そうでなければ、先発投手が完投勝利をして、ダイエー打線を抑えるしかないだろう。
    ダイエーとしてはやはり、その投手力で巨人を抑え、チームの流れを良いほうに持っていくというのが勝利の条件だ。それでなければ、攻守の要であるキャッチャーの城島の活躍が重要になる。そうすれば、投手への流れ、野手(バッター)への流れが良くなるはずである。
    ここで疑問に思われるだろうが、それぞれの条件を考えると、双方がともに条件をそろえてくる可能性も考えられるだろう。例えば初戦で巨人の主力がホームランを打って快勝し、二戦目にダイエー投手陣の継投で勝利したような場合である。そういった場合のために、両チーム共通・制覇の条件がある。そう、初戦、2戦目と両チームひかなかった場合は、キーとなるのは福岡ドームで今日本シリーズDH制の試合の初戦である。DHがどう影響を与えるかは分からないが、兎にも角にも3連戦の勝ち越しは必須条件なのだ。

2000.10.22 (Sunday)
本日のお題 『日本シリーズ情勢』

    さて、日本シリーズが始まった。第一戦がダイエーが5対3で制した。まず昨日の試合を、以前私が提示した日本シリーズ制覇の条件で当てはめてみようと思う。

    まず巨人。最初の『初戦あるいは二戦目に主力選手(高橋由伸、松井秀喜、江藤智、清原和博)がホームラン2本以上を打って勝利すること。』は、松井選手が1回表に2ランを放っただけで、2本が出なかった。またまずいことに、巨人の拙攻により松井のホームランの印象が全く残っていない。かえってダイエーの方が城島、松中のホームランが出て、巨人のお株を奪われる結果となっている。
   もうひとつ、『初戦で先発投手が完投すること。』はもちろん、工藤が7回で降板。その後のリリーバーが抑えきれず、槙原が勝ち越しのホームランを打たれている。

    次にダイエー。『初戦あるいは二戦目を先発投手が完投するか、継投でペドラザが救援(セーブポイント付く付かずに関わらず)して抑えること。』は、若田部からつなぎにつなぎ、最後はペドラザが締めた格好でこの条件はクリアしている。
    『初戦あるいは二戦目でキャッチャーの城島がホームラン1本か打点2以上を挙げること。』については、城島が活躍すればということなのだが、これも城島が低めのボール球を工藤からホームランを打っている。
    またダイエーで一番大きかったのは、あれは7回表だったろうか。確かノーアウト1、2塁の場面で四番小久保が送りバントをした場面があった。その時点ではすでにダイエーは勝ち越しており、4対3だったはずだ。しかし、四番の一振りにかけることなく、確実にランナーを送ってきた。それも小久保が自主的に行ったらしい。今回の日本シリーズはこの、個人よりもチームといったこの場面が、何か一番のキーポイントとなるような気がする。

    ということで、ダイエーが自分たちの野球を思い存分やっているという第一戦の結果となっている。現在、第二戦が行われているが、その結果はまだ分からない。ただ今のところでは、ダイエー有利と言わざるを得ないだろう。

2000.10.29 (Sunday)
本日のお題 『日本シリーズ結果』

    まったく予期しない結果に終わってしまった。ダイエーが2連勝の後、4連敗。これは誰が予測していただろうか? 私自身、巨人ファンなので嬉しいことは確かなのだが、もっと競り合ってほしかったというのが希望であったし、またシリーズ予想としてダイエーの方が優位ではないかと言った手前、気まずい思いもある。
    やはり結果的に大きかったのは、小久保の怪我と、松中の不振だったように思われる。まず小久保の怪我については、私はどのような状況で起こったのかはわからないため、詳細は知らないが、小久保の代わりにサードに入ったのが湯上谷。この辺を考えると、ダイエーは層が薄いのが目立ったなと思う。いや、巨人の層が厚すぎるだけなのかもしれないが、層の違いが目に見えて分かる場面であった。巨人の場合は誰かが故障をしても、まだいい選手が出てくる余裕がある。その点ではダイエーは不利だったのだろう。
    また松中の不振。こちらははっきり行って予想外だった。巨人側が松中のデータを詳細に分析していたかどうかは分からないが、上手く料理できていたのだと思う。やはり短期決戦では、一度波に乗れないとなかなか結果が現れてこないものである。巨人の高橋や江藤などは初戦、2戦目と振るわなかったが、ホームランにて目がさめた結果になり、その後いい成績を残したが、松中の場合はホームランを放って、その後ヒットも打てなくなってしまった。シーズンのデータを見る限り、そんな選手ではないのだが、やはり右ひざの状態があまり思わしくなかったのかもしれない。
    にしても、本当に予想外だった。ダイエーが4連敗をしてしまうとは。確かにシーズン中も負けこむ時はあったのだが、最後の試合などは投手陣、特に自慢の中継陣も打たれてしまったり、守備陣もエラーはあまりつかなかったものの、細かいミスなどがあった。この辺は運などもあるだろう。来年、どのようになるかは分からないが、また21世紀の始めにON対決を観てみたいものである。