JOE HISAISHI & WORLD DREAM ORCHESTRA 2016 presented by エリエール

日時 【福島公演】平成28年(2016年)8月9日(火) 午後6時15分開場 午後7時開演
   【仙台公演】平成28年(2016年)8月10日(水) 午後6時15分開場 午後7時開演
会場 【福島公演】とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター) 大ホール
   【仙台公演】東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館) 大ホール

指揮・ピアノ 久石譲 Joe HISAISHI
管弦楽 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ New Japan Philharmonic World Dream Orchestra
ソロ・コンサートマスター 豊嶋泰嗣 Yasushi TOYOSHIMA
ソリスト 市原愛(ソプラノ) Ai ICHIHARA

主催 【福島公演のみ】福島中央テレビ 【宮城公演のみ】ミヤギテレビ
   【両公演共通】ワンダーシティ/(公財)新日本フィルハーモニー交響楽団/
日本テレビ/読売新聞社/イープラス/ローソンチケット/
第一通信社
特別協賛 大王製紙エリエール
製作 プロマックス

とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)の様子

【セットリスト】
<第一部>
THE EAST LAND SYMPHONY
1.The East Land 2.Air 3.Tokyo Dance 4.Phapsody of Trinity 5.The Prayer

<第二部>
Summer …映画「菊次郎の夏」メインテーマ、トヨタ・カローラCM曲
Life is …エリエールブランドテーマ曲
Dream More …サントリー ザ・プレミアム・モルツ「MASTER’S DREAM」CM曲
Symphonic Suite PRINCESS MONONOKE …交響組曲もののけ姫

<ENCORE>
World Dreams …アルバム「World Dreams」(2004)より

夏休みを取って、久石さんのコンサートツアーの福島公演とファイナルの仙台公演を鑑賞してきましたので、レポートというより備忘録として書き込みをしておきます。

開演前の状況として気づいたのはとうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)の大ホールは少し狭いみたいで、ステージ左側にいたコントラバスの方が若干はみ出てしまう配置になっていました。オケの配置は前列左から第一バイオリン、チェロ、ビオラ、第二バイオリンで、中列は左側にコントラバス、フルート(ピッコロ)、クラリネット、ファゴットとか、だったかな… 変わった楽器だと大太鼓、チューブラーベル、その他和楽器系の鐘の楽器が2つありましたけど、楽器の名前が分かりません…

THE EAST LAND SYMPHONY」はなかなか触れる方がいらっしゃらない40分を超える四楽章構成の大作ですが、第三楽章「Tokyo Dance」と第五楽章「The Prayer」でソリストによる歌ありの楽曲でした。「The East Land」は以前のクラシック新曲を発表したときにこの曲だけ演奏されていたようですが、すごく複雑で覚えていないですが、大太鼓が出てきてアップテンポな曲だったと思います。「Air」は久石さんが作曲に難儀したとパンフにて書かれていましたが、何かキラキラした不思議な曲だったように思います。鉄琴と木琴の音色が重なって何か空から降り注いでいる星か何かを表しているかのような曲でした。「Tokyo Dance」は日本語数え歌から始まり、途中「十四 渋谷のスクランブル」って歌詞が何か不可思議でした。途中から英語歌詞の落ち着いた曲調になり、また数え歌に返ってくるという構成でした。「Phapsody of Trinity」は11/8拍子の変拍子でミニマル・ミュージックベースだったと思います。最後の「The Prayer」は、ラテン語の歌詞だそうで荘厳な感じでしたが、個人的に好きだったのはストリングスや金管が小さな音から大きな音に移り変わり、何か音のグラデーションというか、波の満ち引きを耳にしているような感じで、ソプラノの市原さんの歌声と相まって心地よかったです。ただ、二日続けて二回聴いたからようやくそんな感想を持てた訳で、一回だけの鑑賞ではなんとも難しい楽曲です。仙台公演では結構寝てしまっている方もいらっしゃいました(笑)。前向きに捉えれば心地よい曲だということでしょうかね。

でも、この現代にクラシックの新曲を発表し、公式発表はされていませんが、CDリリースを予定されている作曲家ってなかなかいらっしゃらないですよね。そう考えると素晴らしいことだと思うし、世界初演となるこの曲を聴く機会に立ち会えているのは、もしかするとすごいことなのかも知れません。そうそう。今回のコンサートの始まる前に、この「THE EAST LAND SYMPHONY」では五楽章構成になっていて、楽章間の拍手は要らないという館内放送が流されてたのを思い出しました。

ここで20分間の休憩となりましたが、福島公演も仙台公演もパンフレットが売り切れになっていました。仙台公演では休憩中には全部売り切れていました。

福島県文化センターに飾られたスタンド花。

後半は指揮者台の脇にグランドピアノが設置されて久石さんの弾き振りが観られることが分かりました。ということで第二部の開始です。後半最初は「Summer」から。久石さんが指揮台から指揮を振り始め、ストリングスの皆さんが弦をはじいて演奏するピチカート奏法であのメロディラインが演奏されていきましたが、途中に久石さんが指揮台からピアノの前に移動しピアノを演奏し始めると、コンマスの豊嶋さんと久石さんのバイオリンとピアノの掛け合いとなり、最初ピアノが伴奏、バイオリンがメロディラインを演奏されていて、心地よい豊嶋さんのソロを聴くことが出来ました。その後、ピアノがメインとなる力強い久石さんのピアノタッチを感じることが出来ました。ひとしきりピアノ演奏された後、久石さんが指揮台に戻って演奏を締めてらっしゃったと思います。

続いて「Life is」ですが、特に説明とかはされてませんでしたが、エリエールのブランドテーマ曲です。とは言え、CMとかではまだ使われていないと思うので馴染みの全くない楽曲ではありますが、ボクの感じたところでは、山脈を遠くに見ながら雄大な自然を感じるような曲だったような気がします。特に第一部はメロディラインがない曲ばかりだったので、第二部は安心できる楽曲が続きます。

そして「Dream More」。サントリーのザ・プレミアム・モルツ「MASTER’S DREAM」CM曲ですが、最近、CMは見かけていないので、一般の方としてはやはり馴染みが少ない曲だったかも知れません。これはソロアルバム「The End of the World」でも収録されていますので、特に説明は要らないかなと。

多くの方が楽しみにしていたと思われる「Symphonic Suite PRINCESS MONONOKE」です。もちろんボクも楽しみにしてました。アルバム「交響組曲もののけ姫」からどう変わるかと思いましたが、特に楽曲のチョイスが変わっていました。にしても、ここのところ、久石さんと新日本フィルハーモニー交響楽団のタッグは続いていますけど、「もののけ姫」サントラの演奏って東京シティフィルハーモニック管弦楽団なんですよね。若干メロディが変わっている部分もありましたけど、完全に楽曲を新日フィル自身のものにされていました。安心して聴いていられます。

楽曲の構成ですが、私の記憶が不十分なので間違いがあることを前提でご紹介すると、「アシタカせっ記」⇒「タタリ神」⇒「旅立ち~西へ~(交響組曲もののけ姫より)」⇒「コダマ達」⇒シシ神の森(交響組曲もののけ姫より)」⇒もののけ姫(ボーカル有)」⇒「レクイエム?(交響組曲もののけ姫より)」⇒「アシタカとサン(ボーカル有り、「久石譲in武道館」バージョン)」という仮の曲順ですが、ライブアルバムが出たときには、そちらで確認していただければと思います。正直、全く自信がありません。好きな作品ではあるんですが、楽曲名は覚えていないものが多いので…

にしても、福島で聴いた時は最初の「アシタカせっ記」「タタリ神でウルッと来てしまいました。1997年夏に映画が公開されて19年が経ち、今のボクの原点そのもので、大変影響を受けた映画でしたから、若いときの自分を思い返していました。そして、ちょうど現在、リオ・オリンピックの真っ最中ではありますが、「タタリ神」は1998年に実施された長野パラリンピック開会式にて、曲が使われてましたことなども思い出しました。久石さん、開会式の演出をされていましたからね。非常に懐かしい思い出が蘇ってきました。

コダマ達」は新たに交響組曲として追加アレンジがなされてましたが、鉄琴・木琴や和楽器系の打楽器を使ってコダマの不思議な雰囲気が表されていたと思います。「もののけ姫」ではソリストの市原さんが力強い歌声を響かせてくれたのが印象的でした。今回は日本語歌詞での披露でしたが、やっぱり日本語の方がしっくり来ますね。

そして、「アシタカとサン」では福島でも仙台でもジーンと来てしまってました。この曲は格別なものがあります。最初は久石さんは指揮台に上がって弦楽器が主体となって出だしは演奏されましたが、途中から指揮台から下がってピアノソロとなっていたと思います。ひと通りのピアノの演奏が終わった後、今度はソリスト市原さんが歌う「アシタカとサン」へ。合唱としては聴いていましたけど、ソリストによる独唱は初めてですけど、曲の良さも相まって神々しくなりますね。それでも、ボクの中では久石さんが弾くピアノの音色の「アシタカとサン」が何よりも代え難い曲です。ツイッターでも書きましたけど、この曲は久石さんが弾いてこそ魂が込められるものだと勝手に思ってます。最終の仙台公演では結構ミスタッチが多かったんですけど、そんなの全く気にならないというか、関係ありませんでした。これは何と説明して良いか分かりません。そう感じてしまったもんですから。

ひとつ書き漏らしてましたが、久石さんの指揮が「Symphonic Suite PRINCESS MONONOKE」ではメチャクチャパワフルで、見方によってはボクシングでもやっているんじゃないかといった感じに見えました。前半は上品な感じだったんですが、もののけ姫となるとその時の自分に戻られるのかも知れません。特に「タタリ神」は中でもパワフルな指揮だったと思います。

アンコールでは「World Dreams」の一曲が演奏されました。ワールド・ドリーム・オーケストラの式典序曲として作られましたが、前回もアンコールで披露されたので2年連続アンコール曲ですね。今回は歌詞はなく、コーラスなしのオーケストラアレンジでした。個人的には好きな楽曲のうちのひとつだったので、良い締めの曲となりました。

仙台公演ではオーケストラメンバーが退場された後にも拍手が続いて、久石さんがステージに戻ってくると最後の最後でオールスタンディングオベーションが起こりました。昨年もほぼ全員のスタンディングオベーションが発生してましたし、そういえば2年連続で仙台がツアーラストだったんすよね。福島公演ではスタンディングオベーションはありませんでしたけど、拍手が鳴り止みませんでした。

ひとまずレポートとしては締めようと思います。後で写真の追加や、校正をしていこうと思います。



一番上は福島公演、二番目は仙台公演の閉演後の曲目表示。最後のは終演後のとうほう・みんなの文化センターの様子。

(2016.8.12 01:55 投稿)
(2016.8.12 23:00 写真追加)
(2016.8.13 02:00 一部修正

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