硫黄島からの手紙 評

今日は部屋の片付けをしようと思っていたのに、起きたのが昼過ぎ。やる気が萎えました(爆)。

って、そんなことは別に良いんですが…(苦笑) この間、ひたちなかのシネコンで観てきたクリント・イーストウッドが監督された「硫黄島からの手紙」について書こうと思います。でも、イーストウッド監督の硫黄島二部作のもう一方の「父親たちの星条旗」は観てません(爆)。それでも、「硫黄島からの手紙」は良かったですね。それにクリント・イーストウッドに、戦時中の日本側の視点からの作品を取ったのがなんかすごいことだなって思っちゃいます。その上、不自然さがなかった。外国人が日本のことを撮ると、不自然さがよく出てきちゃうんですが、それがなかった。

この間は「武士の一分」の方が好きかなって言ったんですけど、今、冷静に考えると甲乙つけがたくなってきました。

にしても、この映画は観ていていろいろ考えさせられました。

当時は「お国のために、天皇のために命を捧げよ」というような世の中で、どうしようもなくなった時には「自決する」、いわゆる自殺をするわけですよ。手榴弾のロックを外して、自爆する。そんな状況の中で「生き抜きたい」と思う人がいるのも当然なはずですよね。

二宮和也演じる西郷が、生まれてくる子供の妻に対して「生きて帰ってくる」って約束するんだけど、それって当時ではタブーなんでしょうね。そんな感じで言っていたし。この作品も「武士の一分」と同様、家族愛に溢れていました。西郷もそうだし、渡辺謙演じる栗林中将も家族を思うカットがいくつもあり、みんなが遠い家族を思うんですよね。そして多くの人が死んでいった。

当時、僕が生きていたらどうなっていただろうなあと思うわけです。僕自身、ステレオタイプが強いので、「国のため」「天皇のため」とかって言って、悪いことを平気でやってしまったり、命を粗末にしてしまったりしていたんじゃないかとか考えさせられちゃうんですよね。でも、そういう時代だったんだろうとは思うんですが。

その中で栗林中将が「大事な戦力を粗末にするな」と、とにかく生き抜けと言う司令官が出てくるわけです。こういう方が実在したそうで、クリント・イーストウッドも、「父親たちの星条旗」を練り上げている際にこの栗林中将の存在を知ったことによって、この「硫黄島からの手紙」の映画化に興味を持ったそうですよ。

そんな、戦時中に生き抜こうとした男たちにはいろいろ考えさせられました。軽く扱われてしまっている「命」を、しっかり守り生き抜くことの当時の難しさ、ってことを感じながら見せられた1本でした。


オーナーのお薦め度
 硫黄島からの手紙 ★★★★★☆ 星5つ
(戦時中の感じがひしひしと感じられて○ 音楽もメインテーマが非常に印象的です。)

ショー
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