2016年11月アーカイブ

この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック
『この世界の片隅に』製作委員会
双葉社
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すみません。えらくブログを放置していました。ツイッターをやっていたら、それで満足してしまって...(苦笑) 仕事が忙しかったものの、最近は「レッドタートル ある島の物語」「君の名は。」「シン・ゴジラ」を観ていたんですが、レビューを書けずに今に至ります。で、クラウドファンディングをやっていたのと、試写会の感想が良くてすごく気になっていた「この世界の片隅に」を観てきました。主演が「あまちゃん」でお馴染みののんさん(本名使えないのはかわいそうだなあ...)で、監督は片渕須直さん。片渕監督って、ジブリの「魔女の宅急便」で当初監督をされていた方だったんですね。

ストーリー
広島市江波に生まれた浦野すずは、絵を描くことが大好きな女の子。兄の要一と妹のすみに囲まれて、家業を手伝いながら過ごしていたが、18歳になったとき、軍港の街、呉へ突然の縁談で嫁ぐこととなった。相手は海軍勤務の文官の北條周作。他に北條家では脚の悪い義母のサン、海軍工場に勤める義父・円太郎、夫を亡くした周作の姉・径子が娘の晴美がいるなか、戦時下で生活は決して楽ではなかったものの、そんな中にも輝くような時間が流れていた...(パンフレットの文言をちょっと流用しています...<(_ _)>)

原作との比較
原作は読んでいないので比較できません。映画を観た後、本屋に寄ってみたんですが、見つけることが出来ませんでした。映像化コーナーにあると思っていたんですが...(涙) なので某密林さんでポチりました(笑)。

映画館の様子
初日2回目の上映で鑑賞しました。満席ではなかったですけど、半分くらいは埋まっていたかなあと思います。大きな宣伝はされてんじゃないかなと思うんですが、そんな中でも地方ではなかなか健闘しているんじゃないかと思います。

印象
2時間がすごく短かったです。もっと浸っていたかったです。戦時中が舞台となっているので、どうしてもどこか映画に暗いイメージを持ってしまいがちだし、これまでの映画はそういった作品がほとんどだったのではないかと思いますが、戦時中だったとしてもその中にある生活はいたって普通にそこにあるんだなと、改めて感じさせてもらった作品となりました。ひどい状況のさなかでも喜怒哀楽があるわけで、ずっと暗い顔をして生活していた訳ではないという当たり前のことを思い出させてくれたことが、まずバチーンと心に刺さりました。

もちろんながら戦時中なので空襲などにより、あまり見たくないようなシーンもいくつか出てきます。人の生き死にに関わることも出てくる。もちろん映画では広島の原爆投下も出てきます。戦時下ではそういった惨劇は当たり前にあったはずだし、肉親が亡くなったり、目の前で人が亡くなったりすることも、当時は何千、何万の方々が経験されたことだろうと思います。それでも、目の前に生活が横たわっているわけで。そういった部分は東日本大震災と原発災害を受けたボクにとっては、非常にリンクしてくる映画だったところもあります。

だからこそ、おそらく片渕監督は生活の部分を丹念に描かれていたと思います。食事のシーンなんかも、十分な配給が無かった時に知恵を振り絞ってお腹いっぱいになるべくおいしいものを食べられるようにといった炊事の時の描写は非常に細やかさがあったと思いますし、着るものも大変だった時代だったので、着物ともんぺに作り替えるなどの裁縫シーンなど、当時のごく普通な場面が丹念に描かれていたと思います。そこに主人公・すずのちょっとボーッとしているところも手伝って、みんなで笑えるようなシーンもあったり、若い夫婦が心通わせていくラブストーリー的な部分もあって、いろんな要素が散りばめられていて、「戦争」と言うペンキを日常生活の上にボクらが勝手にぶちまけて真っ黒にしていたものに対して、色を取り戻してくれたような気がします。戦時下であっても、笑ったり泣いたりするし、人を好きになったりするわけですから。

俳優陣の演技
ここではのんさん(本名・能年玲奈)に触れないわけにはいかないですね。ツイッターでも事前に「良かった」と書かれていたので、気になっていたんですが、広島弁を流ちょうに話されていて、言われないとのんさんだと気づかないくらい、そこにいる「すず」となっていました。当時の雰囲気が普通に出ていて、本当に実在していてもおかしくない感じでした。他の方々はほとんど声優さんが脇を固めていましたが、すずの夫の北條周作役の細谷佳正さんも良い感じだったんですが、広島県出身の方だったんですね。そうそう、すずの妹役の潘めぐみさんは「HUNTER×HUNTER」のゴン役の方だったんですね。全く気づきませんでした(苦笑)。

音楽
この映画の音楽を担当されたのはコトリンゴさん。すみません、初めてお伺いしたお名前だったんですが、シンガーソングライターの方なんですね。思わずサントラも買ってしまいましたが、今作の音楽はすごく映画にフィットしていたと思います。片渕監督から、大編成の音楽は最後だけで、基本は小編成の曲にとの指示があったとのことですが、ピアノの曲も多くて、ボクの好みにもフィットしました。最初に流れる「悲しくてやりきれない」も、最初の導入部としてすごく素敵だったなあと。この曲は映画を作る前に作ったアルバムの収録曲だったものを片渕監督が気に入って特報映像に使わせて欲しいっていうオファーをしたそうで、そのまま映画本編にも使われるようになったようですね。

本当に文句の付けようの無い、素晴らしい映画だったと思います。アニメーション繋がりと言うことでどうしても『君の名は。』と比べたくなってしまうんですが、『君の名は。』は実写をトレースしたような書き込みの多い背景が特徴的ですが、『この世界の片隅に』は淡い背景と言うか、暖かみのある絵で、アニメーションの動画ともの凄く一体感のある感じがあって、どちらも素晴らしいですけど、いわゆる"アニメ"ではなく、「アニメーション」として考えるとボクは『この世界の片隅に』の方が好きです。

そして片渕監督のインタビューを見ると、当然ですけどいろいろとこだわって作ってらっしゃるようで、下の関連ニュースでGIGAZINEの記事を紹介しておきますが、「『世界』を描かないと『片隅』が見えてこない」っていうコメントはなかなか想いが詰まったコメントだよなあと思いました。

ツイッターでも言いましたけど、こういった素晴らしい作品がヒットして欲しいと思いますし、ヒットするような日本であって欲しいなと思うんですけどね。ただ、「君の名は。」が大ヒットしているので、アニメーションの垣根が低くなっているというか、「子どもの観るもの」と思われている部分が若干取り払われているんじゃないかと思うので、その波に乗ってもらって、スマッシュヒットして欲しいなと思っているところです。ホント、お金を払って映画館で観る価値がある作品だと思いますので、ぜひ観てみてください。

〔オーナーのお薦め度〕
この世界の片隅に ★★★★★★ 星6つ
(戦争を経験した年輩の方から、若い世代まで是非観て欲しい映画です。)

〔オーナーの評価点〕
この世界の片隅に 81点(100点満点中)

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